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2017年11月 2日

こんにちは!
歯科医の今泉です。

10月は台風や温度の高低差など気候に悩まされましたね。
11月からは気温が下がり乾燥する季節なので、
風邪やインフルエンザに気をつけてください。

話は変わりますが皆さん歯磨き粉は何を使われてますか?
薬局や歯科医院などで歯磨き粉が多数販売されていますが
何がいいの❓そもそも必要なの❓
など疑問を抱いたことはありませんか?
私も歯科医になるまでは、パッケージのかっこよさや
宣伝文句に惹かれて色々買い、使っていました。

ただ歯磨き粉をまず買う前に必要なことがあります。
①歯並びにあった歯の磨き方を知っているか

②清潔な歯ブラシを使っているか

③フロス(糸ようじ)や歯間ブラシ
(歯茎が下がり歯間に隙間がある場合)を使っているか

④歯磨き粉や液体歯磨きの成分の役割を理解しているか

の4つが必要だと思います。

①②③の理由としては歯磨き粉はあくまで補助的な役割で、
歯にこびりついたプラークはとれません。
プラークは物理的に取る必要があるからです。
また歯並びは人によって違うため、
歯科医や衛生士に聞くことで効率よく磨くことができます。

20171102いまいずみ.jpg

④が今回の本題である選ぶ基準になります。
宣伝文句やパッケージを見る前に成分を見てみてください。
役割が分かれば選びやすくなると思います!

歯みがき粉の裏面には必ず「成分」という欄があり、
いくつかの<基本成分>と<薬用成分>が書かれています。

1️⃣基本成分→殆どの歯磨き粉に入ってます

●清掃剤(研磨剤)
働き:歯の表面を傷つけずにプラークやステインなどの
   歯の表面の汚れを落とす。
主成分:リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、
    無水ケイ酸、炭酸カルシウム

●湿潤剤
働き:歯磨剤に適度の湿り気を与える。
主成分:グリセリン、ソルビトール

●発泡剤
働き:口中に歯磨剤を拡散させて洗浄し、汚れを除去する。
主成分:ラウリル硫酸ナトリウム

●粘結剤
働き:粉体と液体成分とを結合させ、保型性を与えたり、
   適度の粘性を与える。
主成分:カルボキシメチルセルロスナトリウム、
    アルギン酸ナトリウム、カラギーナン

●香味剤
働き:香味の調和を図る。
   爽快感と香りをつけ、歯磨剤を使いやすくする。
主成分:サッカリンナトリウム、メントール、ミント類

●保存料
働き:変質を防ぐ。
主成分:安息香酸ナトリウム

2️⃣薬用成分→ここが選ぶ基準です

●働き:齲蝕(虫歯)予防
主成分:モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム

●働き:歯肉炎予防
主成分:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン

●働き:歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防
主成分:塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸、
    グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸、
    ビタミンE、塩化ナトリウム

●働き:プラークの分解
主成分:デキストラナーゼ

●働き:歯石沈着防止
主成分:ポリリン酸ナトリウム

●働き:知覚過敏抑制
主成分:乳酸アルミニウム、硝酸カリウム

●働き:タバコのヤニ除去
主成分:ポリエチレングリコール

以上が全てではないですが、歯磨き粉の成分と働きです。
ただ広告や宣伝などで成分が過剰に書かれている事も注意が必要です。

20171102imaizumi2.jpg

効果が期待できる成分

①虫歯予防

有効成分①フッ素:フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど
学術的な研究において唯一虫歯予防効果が認められているのがフッ素です。
歯垢中の細菌が日々の食事を餌にして酸を出し歯の表面のエナメル質を破壊します。
フッ素は歯垢による酸の産出を抑制し修復(再石灰化)を促進するだけでなく、
歯の表面をより酸に強い構造に変えてくれます。
フッ素の入った歯磨き粉を使うとフッ素の入っていない歯磨き粉を使用するよりも
26%虫歯の発生を抑制できたという報告もあります。

有効成分②ミネラル:リン酸カルシウム、TCP-APP(リカルデント)、マグネシウムなど
歯の再石灰化にはミネラルが必要です。
通常は唾液に必要な成分が含まれているため自然に再石灰化が起こりますが、
ミネラルが不足すると再石灰化ができず虫歯になります。
そこで不足しているミネラルを直接補ってやることで虫歯予防効果が期待できます。

②知覚過敏予防

知覚過敏は歯の表面のエナメル質の内側にある象牙質に
直接刺激が加わることで起こります。
多くは磨きすぎや歯ぎしりによりエナメル質が削れたり
歯茎が下がったりして内部の象牙質が露出することが原因です。
硝酸カリウムや乳酸アルミニウムといった成分は外部からの刺激に対して
一時的にバリアを作ってくれるため染みにくくなります。
またエナメル質と同じ成分であるハイドロキシアパタイトも
表面もコーティングすることで知覚過敏に効果があると言われています。

注意点
①研磨剤
着色を落とすのに一役買ってくれますが、
研磨作用が強すぎると表面のエナメル質を削ってしまったり
歯茎を傷つけたりする危険性があります。
歯の健康には低研磨や研磨剤なしのものがベターです。

②発泡剤
泡立ちが良すぎるとちゃんと磨けていないのに
磨いた気分になりがちですので、低発泡のものが良いでしょう。

③歯周病が治るなどの宣伝文句成分
塩化セチルピリジニウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)といった
殺菌作用のある成分が配合されていますが、
歯周病の原因菌はバイオフィルムという防御膜に覆われており
更にその多くは歯ブラシの届かない歯周ポケットの奥にいるため
基本的にはほとんど効果はありません。
歯周病によっておこった炎症を若干緩和してくれることもありますが
決して治してはくれないので過度な期待は禁物です。

④口臭予防成分
口臭の原因は多くが歯周病によるものです。
上述の通り歯磨き粉で歯周病を改善することは難しいので
口臭に対しても効果は期待できません。

長々となってしまいましたが、歯磨き粉選びの参考にして頂ければ幸いです。
予防こそ歯を残す最大の行いです。
定期検診はぜひタニダ歯科へ!!

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