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2018年1月11日


謹んで初春のお慶びを申し上げます。

歯科医師の重田です。

年末年始は皆様ゆっくりとお過ごしされましたでしょうか?
2018年となり、今年は節目となる平成30年。
平成も残すところあと一年半程度となります。
いろいろと節目が続く時期となり、
何かをするきっかけにもなりそうですね。
ぼくも今年の目標をいくつか立てました。
病気にかからないこともその一つだったのですが。。。
新年早々体調を崩しまして。。。
散々なスタートです。。。笑
残りの2018年は良いことが待っていると期待しています!


さて、本日は根の治療についてお話しします。

まず根の治療をしないといけないのはなぜか??
それは歯の中の歯髄(いわゆる神経)が感染を起こし、
歯およびその他周囲の組織が感染を制止できなくなるためです。


20180111sigeta1.JPG


上記の写真のように感染が続くと根の先に膿がたまってしまいます。
ですから、ぼくたちは感染していると判断した時点で
基本的に根の治療を開始します。

原因は以下の通りです。

①う蝕(虫歯)
最も頻度が高く、う蝕から細菌感染する。

②外傷
外傷による歯の破折や露髄、象牙質の亀裂

③歯周疾患
深い歯周ポケット内に露出した
根尖孔や根管側枝を介して上行性に感染する。
なお、隣在歯の根尖性歯周炎が波及する場合もある。


④血行性
非常に稀であるが、
敗血症など血行を介して歯髄が感染する。

⑤人工的感染
歯科医師の行った不十分な処置で
医原性の感染根管が生じることがある。
不完全な根管充填などが原因となる。

以上からもわかる通り、感染が原因ですので、
元はといえば細菌感染症なのです。


ですから、ぼくら歯科医師は
歯の中に入ってしまった細菌を倒すために、
細かい作業をして根の中を徹底的に清掃しているのです。

次にその細菌感染について見ていきます。
細菌は以下の4つに大きくわけられます。

①歯髄由来の物質
歯髄が失活しても、
細菌感染がなければ歯髄は壊死組織となり、
長期間ミイラ状態で存在する場合もある。
しかし、ほとんどの場合は口腔内の細菌が
種々のルートから侵入をして、
失活して免疫力が失われた歯髄組織に急速に広まり、
腐敗分解が生じる。
さらに細菌感染が生じなくても、
タンパク質が自己分解をして液状化してしまう場合が多い。

歯髄が細菌感染して腐敗すると、
分解産物としてタンパク質から
メタン、アンモニア、硫化水素、炭酸ガス、
インドール、スカトールが生じ、
脂肪はグリセリンと脂肪酸へ、
炭水化物は有機酸、メタン、炭酸ガスなどに分解される。
この中で、インドールは感染根管の悪臭の源になっている。
これら歯髄の分解産物は、
根尖孔から外へ漏出すると歯周組織に対して
抗原などの有害物質となる。

②根管内の細菌
感染根管内の細菌は、口腔から侵入し、
いわゆる口腔内常在菌由来である。
従来は感染根管にはグラム陽性菌、
なかでも連鎖球菌が多く、
ついでブドウ球菌、乳酸桿菌など好気性菌が多く、
一部に通性嫌気性菌が存在するとされていた。
しかし、これは
嫌気性培養が困難な時代の研究報告によるものであり、
嫌気性菌の培養が適切に行われるようになった細菌の研究では、
嫌気性菌がきわめて多いことが明らかにされている。

③根管壁象牙質への細菌の侵入
感染根管では根管内に細菌が存在するのみでなく、
根管壁の象牙質、とくに細管のなかへ細菌が侵入している。
根管内が汚染してから時間が経過するにつれ、
根管内で増殖した細菌が
石灰化の低い象牙前質に侵入して増殖し、
さらに象牙細管のなかへと侵入する。
その程度、とくに侵入の深さは一定ではなく、
歯ごとに、また同じ歯でも部位によって異なる。
感染が進むと根管壁の表層から
0.5mm~0.7mm程度侵入していると報告されている。
象牙質へ侵入した細菌は以前は好気性菌が多いとされていたが、
嫌気性培養が行われるようになってからはむしろ根管内と
同様に嫌気性菌が多いことが明らかにされている。

④根尖歯周組織病変部の細菌
根尖歯周組織は、
根管内と異なり血管循環に富み、生体防御力がある。
したがって、根尖孔から細菌が侵入しても、
病原性が低くて細菌の量が少なければ、
細菌は貪食されてしまう。
しかし、防御力が弱かったり細菌の量が多かったり
病原性が強いと増殖するようになる。

このような根尖病変部には多くの菌種が存在し、
タンパク分解酵素を産生する菌が多く、
他の菌と共生して発育酵素を供給し合っている。
根尖歯周組織では血液から酵素が供給されるので
好気性菌が存在するが、
壊死部では血管も破壊されており
血液供給が悪く、嫌気性菌が多くなっている。
膿瘍形成部は、
宿主の防御力に負けない膜を保有する菌、毒素を産生する菌、
組織を破壊する酵素をもつ菌が存在することを特徴とする
混合感染である。

これらの細菌を除去し、
無菌状態になれば根管充填を行います。

以下に示すのが、
左:治療前
右:根管充填後
です。

20180111sigeta.JPG

このように根の治療は
目で見ることができない細菌を除去する作業をしているため、
他の治療よりも時間がかかるのですね。
歯の治療の中では最も治りにくいし、
最も時間のかかる治療の一つと言えるでしょう。

本年も皆様の歯の悩みを一つでも多く解決できるよう、
スタッフ一同誠意を尽くす限りです。
どうぞよろしくお願い致します。

皆様のご多幸ご健勝を祈願しております。


参考文献:歯内療法学 医歯薬出版

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