«  2018年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

« さまざまな種類のマウスピース | メイン | フッ素は歯のサプリメント »

2018年3月 8日

こんにちは、口腔外科専門医の豊原です。
長く寒かった冬もようやく終わり、春がもうすぐやってきますね。
今年の冬は本当に寒かったですね!!
雪もたくさん降りました。桜が本当に待ち遠しいです。
 
今回も前回同様、比較的よく見られる疾患の
粘液嚢胞について触れてみたいと思います。

20180308toyohara1.JPG

20180308toyohara2.JPG

粘液嚢胞とは、口腔内の粘液すなわち唾液を内容液とする嚢胞で、
とくに口底部に生じた大きな嚢胞はガマ腫、
舌の先端の下面に生じたものはBlandin-Nuhn嚢胞と呼ばれていますが、
いずれも内容液は唾液ということになります。
これらは、咬唇癖や外傷などによる腺組織や導管部の損傷あるいは炎症により、
排泄管の破綻あるいは癒着を生じ、
唾液が組織内に流失、貯留することで生じると考えられています。

 口腔軟組織に生じる嚢胞のなかでは、
この粘液嚢胞が最も多く40%前後を占めます。
10代から20代の青少年に好発し、
ガマ腫では女性に多い傾向がありますが、
それ以外の男女差はみられません。
下唇の正中と交連の中間部に多く、口底、舌などに生じ、
口蓋、歯槽部、上唇などは少ないようです。

 一般に粘膜面にある軟らかい波動性腫脹として認められますが、
浅在性のものは健康粘膜下に青紫色の嚢胞内容液が透けて見えることが多く、
この青紫色は圧迫により退色しないことから、
血管系の腫瘍と鑑別されます。
下唇に生じた本嚢胞は、青紫色の半球状腫脹であることが多く、
咀嚼時の刺激などにより表面が破けて内容液が流失欠如することが多々あり、
しばしば再発と破裂を繰り返すことで表面が白色かつやや硬化し、
他の腫瘍との鑑別診断が必要となることもあります。
その際、どの位の期間再発を繰り返しているか、大きさは変化しているか、
表面の形態の変化はあるかなどを問診から聞き取ることで、臨床診断します。

 口底部に生じたガマ腫は発生部位により3型に分類されますが、
うち1型は片側性の長卵円型の波動を有する
淡青色ないし青紫色の腫脹として認められ、
大きいものでは反対側におよび正中部は舌小帯により牽引性陥凹を生じます。
また舌は挙上され、舌運動制限による言語障害や
嚥下障害を来すこともあります。
ガマ腫は穿刺することで貯留唾液が吸引され、
容易に他の嚢胞などと鑑別できます。

 舌の先端の下面に生じたものはBlandin-Nuhn嚢胞は、
大豆台程度の小さいものが多く、一見ポリープ状や肉芽状を呈しています。

 治療は外科的摘出を基本としますが、
まだ幼少の子どもの場合はレーザーを用いた焼灼を行うこともあります。
しかし、口唇に発生したものは消極的切除では再発しやすく、
術後の口唇変形に留意しながらも、周囲の腺組織を含めた摘除をする必要があります。
ガマ腫も基本は全摘出ですが、嚢胞が大きく神経の走行が近接している場合などは
開窓術という一部の病巣を温存する治療も行われます。
 
 そして、春は卒業の季節です。
この春卒業し、新しい環境に巣立っていかれる皆様、おめでとうございます。
素敵な新しい出会いがたくさんあるといいですね。
新生活、がんばってください。
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.tanidashika.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/4309

Categories

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。
タニダ歯科医院

医療法人社団
タニダ歯科医院

当院の勤務医が書いているブログです。笑顔になれる内容がいっぱいで、当院をもっと身近に感じることができます

院長ブログ

新スタッフブログ

スタッフブログ