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2018年5月10日

こんにちは。口腔外科専門医の豊原です。
ゴールデンウィークが終わり、
緑がきれいな清々しい季節になりました。
歩いているだけで、気分爽快になる今日この頃ですね。


今回は、比較的よく見られますが、
やや注意が必要な疾患について触れてみたいと思います。


一つ目は白板症です。


20180510toyohara.jpeg

これは口腔粘膜に現れる白色病変で、
短期的に変化せず、拭っても剥がれないものをいいます。
下顎の歯肉(29%)に発生することが多く、
舌(25%)、頬粘膜(24%)の順に多くみられます。
最終的には顕微鏡検査による病理組織診断が必要ですが、
確定診断された場合は、
数パーセント(5~8%)の割合で
悪性化することがあるため、
長期的な経過観察が必要となります。

特に舌にできたものは悪性化の可能性が高いようです。
この病変は痛みを伴うことは少なく、
歯科検診時に指摘され見つかることが多いのですが、
白色病変の周囲に赤いびらんを伴うこともあり、
この場合 は接触痛や食事の際にしみたり、
いわゆる口内炎のような痛みを感じます。
痛みを伴うものは注意が必要です。

発症の原因はわかっていませんが、
喫煙は明らかな起因要素です。
アルコールによる刺激、
合わない義歯や金属による慢性の機械的刺激、
ビタミンAやBの不足、
加齢なども起因要素と考えられています。
女性よりも男性に多いとされ、
50歳から60歳代に多くみられます。
普通の口内炎と違って、
将来癌化する可能性があることから、
前癌病変といわれています。

治療としては、
刺激になっているような補綴物などがあれば、
まずはその原因を除去します。
もちろん、禁煙も大切な試みです。
次に薬物療法としてビタミンAの投与が有効ですが、
副作用も強いため、
全ての方に用いられることはありません。
しかし、重度であれば、
試してみる価値はあると思います。
その後は長期の経過観察に入りますが、
少しでも形状の変化を認めれば、
すぐに組織採取し顕微鏡検査を行い、
悪性の細胞の有無を確かめることが大切です。
悪性の変化を早期に見つけることができれば、
癌の予後は非常に良好です。


次に紅板症が挙げられます。

20180510toyohara1.jpeg

肉眼的には境界が明瞭で、
表面粘膜は平滑、光沢を有する鮮紅色の病変です。
一部分に潰瘍や、
表面が肉芽様または小顆粒状を呈することがありますが、
病変部の硬結はありません。
先ほどの白板症と違い、
強い刺激痛を伴うことが多いようです。
多くの場合、痛みが受診動機になるようです。
口底粘膜や、下顎歯肉、舌の側面に多く見られ、
60歳以上の高齢者が全体の80%を占めます。
男女差はありません。
白板症同様原因はわかっていませんが、
喫煙や不適補綴物は一因と考えられています。
その為、まずは不適補綴物の除去を行い、
症状の改善があるか経過観察します。
禁煙も必須です。

刺激痛については
鎮痛剤や洗口剤などで緩和療法を行います。
しかし、紅板症の約50%が悪性化するといわれており、
初期治療により改善がみられなければ、
早期に外科的切除も含めた確定診断を行う治療に
進むことをおすすめします。
切除後も悪性化や再発の可能性が高いため、
長期にわたり、経過観察を行うことが大切です。
次回もまた、この続きをブログします。

梅雨が始まるまでの爽やかな季節。
是非ハイキングや森林浴などにお出かけくださいね。

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