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2018年5月31日

こんにちは。歯科医師の村重です。

雨の降る日が増え、
蒸し暑さを感じることも多くなりました。
皆さん如何お過ごしでしょうか。

最近、特に若い患者さんから
「口を開けると顎がカクカクする」
「物を噛んだときに顎が痛い」
といった相談を受けることがよくあります。
口を開けたり、食事をするのは
日々の生活のなかで不可欠なことなので、
これらに不自由があると
日常生活の質を大きく下げることにも繋がります。
こういった症状の際によく耳にするのが
「顎関節症」という言葉だと思います。
テレビなどで取り上げられることもあり、
よく知られています。

20180531murasige.png


では、顎関節とはどういった病気なのでしょうか。

まず、大きな特徴として

①口を開こうとすると
顎関節(耳の穴の前にあります)や顎を動かす筋肉が痛む。
②十分には大きく口を開けられない。
③口の開け閉めで顎関節に音がする。

という症状がでます。

このうち一つでも当てはまるものかあり、
鑑別診断で他の疾患がない病態を
「顎関節症」といいます。
また、一言に顎関節症といっても原因は様々で、
以下に示すような分類があります。

1)筋肉の障害によって起こるタイプ(Ⅰ型)
筋肉が何らかの原因で緊張して硬くなり
血液の循環が悪くなるために痛みを生じる。
咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋からなる
咀嚼筋を中心に痛むので頬やこめかみのあたりが痛むが、
痛みは鈍く部位を特定しにくい。
また、押すと強く痛むトリガーポイントという
コリコリしたしこりができることがある。
頭部、首、肩など離れたところに関連痛が起こる。

2)関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ(Ⅱ型)
顎関節の関節包みや靱帯などの線維組織に
力が加わって捻挫を起したようになり痛みを生じる。
関節包炎、滑膜炎などを起し、
あごを動かすと顎関節部が痛む。


3)関節円板の障害によって起こるタイプ(Ⅲ型)

関節円板が本来の位置から前に
ずれたままになってしまう状態のことで
「関節円板前方転位」という。


<クリック(カクカク音)>
口を閉じたとき本来は
下顎窩の中にあるべき関節円板が、
下顎窩の前方にズレて出てしまっている。
口を開けようとすると
回転して前にすべり出してきた下顎頭が
関節円板の下に強引にもぐり込み、
上に乗せたときに「カクン」と音が出る(クリック)。
口を閉じるときに
下顎頭から関節円板が外れるときも同様に音が出る。
(口を開けたときには関節円板が本来の位置に戻るので
「復位を伴う関節円板前方転位」という)

<ロック(クローズド・ロック。口が大きく開けられない)>
さらに進むと、
口を開けようとするとき前に出ようとする下顎頭が
関節円板の下にもぐり込めなくなり関節円板を
上に乗せられなくなる。
こうなると関節円板が邪魔して
下顎頭が下顎窩の前に出られなくなるので、
口が大きく開けられなくなる。(クリック音はしない)
(口を開けたときも関節円板が本来の位置に戻らないので
「復位を伴わない関節円板前方転位」という)


4)変形性関節症によって起こるタイプ(Ⅳ型)
顎関節に繰り返し強い負荷がかけられたり、
長い間続いたときに、
下顎頭の表面が吸収されてその回りに
新しい骨がつくられることがある。
口を開け閉めすると
「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音がして、
滑膜炎など周囲の炎症を伴うと顎関節が痛む。
骨の変形は必ずしも異常な変化ではな
く無症状の場合もあり、
またある程度進むととまる場合が多い。


次に、顎関節と診断された場合の治療法について説明します。
上記の分類によっても細かくは異なり、
症状によっては外科的な治療を行う場合も希にありますが、
基本的には保存的治療で対処します。
通常は鎮痛薬の規則的な服用で
関節内の炎症を鎮めるとともに、
スプリントといわれる、プラスチックの板を
歯列全体にかぶせる治療が一般的です。
スプリントは、
噛みしめ時の顎関節の負担を軽くする治療法です。
これで痛みが軽快しないときは
関節の中(関節腔内)に局所麻酔をして、
徒手的にズレた関節円板を治したり、
また炎症がひどいときは、点滴注射で関節の中を洗い、
潤滑剤を注入することもあります。
これらの治療法に理学療法や場合によっては
手術を組み合わせて治療に当たっていきます。

20180531murasige1.jpg

また、御自身で行えることで
一番大切なことはアゴの関節に負担をかけないことです。
うつぶせ寝、睡眠不足、フランスパン、
ビーフジャーキー、タコ、イカなどの硬い食品や
大きな食品を避ける、
歯を噛みしめる癖を直すことが大事です。
さらに筋肉のマッサージは自宅でもできます。
直接顎に負担のかからない生活を心掛けましょう。
なにかおかしいな、と思ったら
歯科医院にて早めにご相談頂ければと思います。

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