2024年8月:タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

口腔ケアが命を守る!歯周病と心臓病の密接な関係

 

こんにちは。院長の谷田です。
8月に入り、いよいよ夏本番となりました。
厳しい暑さが続きますが、
こまめな水分補給と体調管理を心がけ、
この夏を乗り切っていきましょう。

 

さて、8月10日は
「健康ハートの日」です。
810=ハートの語呂にちなみ、
心臓病の予防キャンペーンの一環として
日本心臓財団が提唱しました。

 

日本人の死亡原因第2位の心臓病
歯科とも密接に関わっており、
口腔ケアが不十分だと
心筋梗塞などの重篤な病気に
かかりやすくなることが
わかっています。

 

そこで今回は、
あまり知られていないお口と心臓の意外な関係や
そのリスクについて、詳しく解説していきます。

 

 

 

 

◆歯周病になると
 心臓病のリスクが2倍に!?

「歯周病」と聞くと、
お口だけの問題と感じるかもしれません。

 

しかし、近年は世界各国の研究によって、
歯周病が全身のさまざまな病気と
関係していることがわかってきました。

 

心臓病もそのひとつで、
国内で実施されたある調査では、
歯周病の疑いが強い人は、
そうでない人と比較して
心筋梗塞の発症数が約2倍に上るとの
データが報告されています。

 

 

 

これまで、心臓病の危険因子としては
高血圧や肥満、喫煙などが
主に挙げられていましたが、
ここにきて「歯周病」
無視できない存在であることが
明らかになってきたのです。

 

 

 

 

◆歯周病が心臓に影響するのはなぜ?

 

歯周病と心臓病、
一見すると無関係に思える
この2つの病気に
いったいどのような関わりがあるのでしょうか。

 

そのメカニズムについては、
現在までに次の2つの説が
考えられています。

 

1つは、歯周病菌が血流に乗って心臓へ運ばれ、
血管に炎症を起こすという説です。

 

この炎症によって心臓の血管の壁が厚くなると、
いわゆる「動脈硬化」が進行し、
狭心症や心筋梗塞を引き起こします。

 

実際に、動脈硬化を起こした患者さんの
心臓の血管を調べた研究では、
数種類の歯周病菌が
発見されたという報告があります。

 

 

 

もう1つは、歯ぐきの炎症そのものが
心臓病をはじめとする
全身の病気の引き金になるという説です。

 

歯周病で歯ぐきが腫れると、
その部位からは炎症に関連した
さまざまな物質が放出されます。
これらの物質が心臓に運ばれると、
血管などに悪影響を及ぼすことがわかっています。

 

 

 

 

◆命を守るためにも歯を大切に!

 

生活習慣病の予防といえば、
「食事」「運動」「禁煙」「睡眠」などが
重要視されてきました。

 

これらに加えて
「口腔ケア」も徹底することが、
今後の生活習慣病予防における
大切な取り組みになります。

 

 

健康診断だけでなく、
歯科での定期検診も欠かさずに、
常に良好なお口の状態を目指しましょう!

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
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歯を守るための力のコントロール ⑰

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆    アプライアンス療法の効果

 

アプライアンス療法がどのような患者に有効なのかを示すエビデンスとして、

2017 年に PLOS ONE に掲載されたスタビリゼーションスプリントの効果を

検討したシステマティックレビューでは、短期的(2~12 w)に

顎関節症患者の疼痛を有意に軽減させ,特に筋痛に効果があることが報告された。

また 2021年に J Prosthet Dent に掲載された論文においても,

スタビリゼーションスプリントが疼痛強度を有意に減少させることが報告された。

これらの研究結果から,アプライアンス療法で効果が期待できるのは,

顎関節症の症状のなかでも疼痛障害,特に筋痛に効果があるということである。

疼痛障害患者に対し,アプライアンス療法は,自信をもって勧められる

積極的に選択したい治療法の1つだといえる。

 

1. 筋痛障害へのアプライアンスの応用

 

筋痛障害に対するアプライアンスの治療ターゲットは,睡眠時ブラキシズムの

低減にあるが,アプライアンスを就寝時に装着すれば,ただちに

睡眠時ブラキシズムがなくなるというわけではない。

ほぼ半世紀前の1975年の論文において,ブラキシズム患者への Splint 装着

により睡眠中の筋活動量が低下する患者と不変の患者がいることが

記載されている。このことからもアプライアンスの治療ターゲットは,

ブラキシズム自体をなくすのではなく,

ブラキシズムをした際の筋活動量の低減にあると考えられる。

そこでブラキシズムをした際の筋活動量が小さくなる咬合接触を検討した。

中心位でのクレンチング時はすべての歯が接触しているので,変化は生じないが,

グライディングや偏心位でのクレンチング時の筋活動量は偏心位における

咬合接触によって大きく変化する。

筋痛障害患者に対するアプライアンスに付与する咬合接触としては,

ブラキシズム時の筋活動量を減らすという目的において,

アプライアンスにライズ部を設定し,犬歯部付近で接触させるというのが

有用と考えられる。

 

2.顎関節痛障害へのアプライアンスの応用

 

顎関節痛障害へのアプライアンスの治療ターゲットは,

顎関節への負荷の低減である。

戦略としては,咬合支持を確立することで顎関節への負荷を減少させることと,

後方偏位していることが多い下顎頭の位置の正常化を図ることである。

非復位性の円板前方転位では、下顎頭はやや後方に偏位しており,

神経血管に富む後部結合組織を圧迫していることが容易に推測される。

このような症例では,熱可塑性シートを圧接しただけの挙上量が低く

薄いアプライアンスの場合、咬合接触は傾斜面が多く,

咬合接触による顎位の誘導要素を完全に排除できないので,

関節の位置が変化しづらく痛みが継続することがある。

一方挙上量が高く咬合接触点がフラットなアプライアンスを使用すると,

咬合による顎位の誘導を排除でき,筋肉で決まる下顎位に収束し,

関節の位置が適切に変化しやすい。また挙上量が大きいことから関節接触面も

変化することも咬合時痛の早期解消に寄与していると考える。

 

咬合機能を決める要素は咬合接触,顎関節,咀嚼筋の3つであり,

この3つの要素の調和が重要である。いずれかの要素が障害された場合,

残りの要素を手がかりに咬合再建することになる。

顎関節が障害され,咬合接触も崩壊した場合,まず障害を受けた

顎関節に対して加療し適応を待つことになる。

そして適応した顎関節と,残りの要素である咀嚼筋との

バランスを確認しながら新たな下顎位を探ることになる。

関節の適応を待つ間にアプライアンスを夜間装着するが,

そのアプライアンス上の咬合接触の変化も顎関節の適応を診断する

重要なサインの1つである。

アプライアンス上には咬耗で小さなゴシックアーチが描けてきて,

アペックスにタッピングポイントが収束してくることが確認できれば

補綴学的視点から顎関節が安定したと考えてわれわれは次の治療に進んでいる。

また,アプライアンス療法も不適切に行われれば非可逆性の障害を起こしてしまう

可能性があるため,治療は常々慎重に行われるべきである。

 

ソフトスプリントは筋活動が増強されてしまうという報告もあることから,

臨床歯科において,顎関節症患者に対する初期治療法では,

一般的にハードタイプを用いるべきという意見が多い.このハードスプリントは,

レジン重合型のフラットテーブルタイプのスタビライゼーションスプリントが

広く用いられており,このスプリントを用いることによって,

顎位の安定が得られ,神経筋機構の乱れの抑制を行い,

咀嚼筋に対するフィードバックの影響の緩和や,

下顎頭偏位の修正,顎関節の保護などが,作用メカニズムとして考えられている。

 

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。