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2018年1月25日

こんにちは。歯科医師の村重です。

今年に入ってから週替わりで暖かくなったり寒くなったり、、、
今週は首都圏でも大雪が降り、
ニュースを賑わしていましたね。
気温の大きな変化は免疫力を下げる要因となりますので、
皆さん体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

さて、今回のテーマは皆さんも一番よくご存知の「虫歯」です。
・黒くなって穴があく
・そのうち痛くなってくる
・歯磨きをサボるとできる
・甘いお菓子が良くない

など様々なイメージがあると思いますが、
そこからもう少し掘り下げて、
虫歯ができる原因を解説していこうと思います。


要因①歯(の質+唾液)
歯が作られる時の環境の違いなどで個人差がありますが、
エナメル質や象牙質の状況(=歯の質)によって、
むし歯になりやすい人もいます。
特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは注意が必要です。
また、唾液の量や質によっても虫歯のなりやすさには差がでます。


要因②虫歯菌
いわゆる虫歯菌(ミュータンス菌)は約1μmの球状の菌です。
歯垢(プラーク)となって歯の表面に付着し、
糖質から酸を作り出します。
その酸が、歯の成分であるカルシウムやリンを溶かして歯をもろく、
スカスカにしてしまいます。


要因③糖
食べ物に含まれている糖(糖質)は、
ミュータンス菌が酸を作る材料に使われます。
間食が多い人や、キャンディーやドリンクなど
甘いものをよく摂る習慣のある人は、
歯の表面が酸にさらされる時間が長いため、
虫歯になりやすくなります。

20180125murasige.png

以上の3つの要因が、
すべて揃ったときに初めて虫歯ができ始めます。
逆に言うとどれか一つでも欠けたら虫歯は作られないのです。
そのため、仕上げ磨きを嫌がって
毎食後歯垢を除去するのが難しい小さいお子さんなどは

①の歯の質をフッ素によって強化する
③の糖を摂取する量を減らす

といったことが、
より効果的な虫歯の予防法となります。


そして、この三つの要因が揃ってしまい、
虫歯菌が生成する酸によって
歯が溶けはじめることを脱灰と言いますが、
この時点では、
まだ大きな穴が空くような虫歯になることはありません。

20180125murasige1.jpg


上の図は、ヒトの歯垢(プラーク)のpHを最初に測定し、
プラーク中のpHの変化を表したものです。


前述したようにプラーク中に存在する虫歯菌が
口腔内の糖を使って酸をつくります。
その酸により口腔内のpHは急激に低くなりますが、
唾液の緩衝作用によって徐々にもとの状態に回復します。


このpH変化は、飲食物の炭水化物、
プラーク中の細菌の種類及び量、
唾液の分泌速度と緩衝能に大きく影響されます。
とくにpHの回復に唾液は非常に重要な働きをしています。
口腔内においてpHの低い状態が一時的なものであれば、
唾液緩衝能により酸性から中性域に戻り
再石灰化が起こり虫歯にはなりません。
間食をしたり飲食を続けていると、
口腔内ではpHの低い状態が続き、
再石灰化の生じる時間がなく初期むし歯が発生してしまいます。


つまり、虫歯が大きくなるために必要な最後の要因として

④時間(食べてから歯磨きまでの時間)

が挙げられます。
よく"食べたらすぐ歯を磨きましょう"
というのはそういった理由からなのです。


少々難しい話も挟んでしまいましたが、
虫歯ができるには以上のような仕組みがあり、
それぞれの面からのアプローチによって様々な予防法があります。
しかし、一定以上に進行してしまった虫歯は
自力では再生しないのもまた事実です。
そういった歯であるかどうかの診断、
また治療に関しては私達歯科医師の仕事ですので、
定期的な健診で、
お口の健康維持のお手伝いをさせてもらえたらと思います。



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西宮市・宝塚・三田・神戸市北区の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

2018年1月18日

こんにちは!
歯科医師の今泉です。
新しい年を迎え大河ドラマも西郷隆盛が始まりました。
大河ドラマを見られたことはありますか?
私は岡田准一さん演じる軍師官兵衛にはまり、
今でもDVDや小説を読んでいます。
黒田孝高(黒田官兵衛)は軍事的才能に優れ、
織田信長亡き後豊臣秀吉の側近として仕えて
調略や他大名との交渉など、
幅広い活躍をしたと言われています。
毛利氏の武将・清水宗治が守る備中高松城の攻略や
中国大返しなどに関与した事は有名ですが、
豊臣秀吉が天下を取れたのも黒田考高が
多くの貢献をしたからとの説もあります。
そのため戦国最強のナンバー2とも言われています。

20180118imaizumi1.jpg

歯周病原菌の世界でも戦国時代のように、
歯周病に影響力がある順にピラミッド状にランク付けされます。
それが以下の図のようになっています。

20180118imaizumi2.jpg

歯科領域ではおよそ700種以上ある口内の常在菌を、
歯周病の原因と関連の深い順にピラミッドとして
模式図化して表しています。

レッドコンプレックスはその頂点に位置する菌種群で、
その下層にオレンジコンプレックス、
最下層にブルー、パープル、グリーン、イエローコンプレックスの
常在菌群が配置される。
戦国武将で簡単にいいますと
豊臣秀吉級→レッドコンプレックス
黒田孝高級→オレンジコンプレックス
足軽級→ブルー、パープル、グリーン、
イエローコンプレックス
と思ってもらえればいいと思います。

ピラミッドの細菌の話をする前に、
少し難しい話ですが歯茎より上に存在する菌(歯肉縁上)と
下に存在する菌(歯肉縁下)の説明をします。

歯肉縁上プラークを構成する細菌は、
酸素のある環境下で生きられる
「好気性菌(こうきせいきん)」であるナイセリア(Neisseria)や
ノカルディア(Nocardia)と、
酸素のない環境を好むものの、
酸素がある環境下でも生きることのできる
「通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)」である
連鎖球菌やアクチノマイセス(Actinomyces)が
大多数を占めています。
一方、「縁下プラーク」の中で歯肉に接している
「非付着性プラーク」を構成する細菌は、
グラム陰性菌であるプロフィロモナス・ジンジバーリス(以降P.g菌)や
プレボテラ・インターメディア(以降P.i菌)、
タンネレラ・フォーサイセンシス(以降T.f菌)などが、
更にグラム陰性菌でらせん型をしたスピロヘータが多数を占めます。

ではピラミッドの話に戻ります。

レッドコンプレックスは非常に厄介で3種類存在します。
プロフィロモナス・ジンジバーリス(P.g菌):
偏性嫌気性のグラム陰性桿菌で、強い付着力を持つので、
他の歯周病原性グラム陰性菌とくっついて、
バイオフィルムを形成します。
また、ジンジパインと呼ばれる蛋白分解酵素を産生するだけでなく、
細菌の内部の毒素(内毒素:ないどくそ)である
リポ多糖体(LPS)を持っています。

トレポネーマ・デンティコーラ(T.d菌):
嫌気性のグラム陰性菌で、らせん状の形をしていて
錐揉み運動をします。
この菌は、歯肉の細胞間の隙間から組織内に入り込み、
さらに血管の中に侵入します。
また、タンパク質の分解酵素と免疫抑制因子を産生します。

タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f菌):
嫌気性のグラム陰性菌で、紡錘状の形態をしています。
この菌もタンパク質の分解酵素を産生するだけでなく、
P.g菌と同様に細胞の外膜に内毒素を持っていて、酵素も産生します。

ただ、強いものにも必ず弱点があります。
レッドコンプレックスでいいますと、
先ほど説明した縁上細菌が存在しないと
縁下に住み始める事が出来ません。
すなわち、歯ぐきと歯の周り磨き残しの量を減らす事
(ナンバー2以下をやっつける事)で
レッドコンプレックスを住めなくしてしまうのです。

住み込んでしまったレッドコンプレックスがいる場合は
進行を止めるため、歯周病治療でやっつける必要があります。

そうするためには日頃の歯磨きや
歯医者での歯周病予防・歯周病治療がとても大切です。
ぜひタニダ歯科で歯周病の武将をやっつけましょう!!



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2018年1月11日


謹んで初春のお慶びを申し上げます。

歯科医師の重田です。

年末年始は皆様ゆっくりとお過ごしされましたでしょうか?
2018年となり、今年は節目となる平成30年。
平成も残すところあと一年半程度となります。
いろいろと節目が続く時期となり、
何かをするきっかけにもなりそうですね。
ぼくも今年の目標をいくつか立てました。
病気にかからないこともその一つだったのですが。。。
新年早々体調を崩しまして。。。
散々なスタートです。。。笑
残りの2018年は良いことが待っていると期待しています!


さて、本日は根の治療についてお話しします。

まず根の治療をしないといけないのはなぜか??
それは歯の中の歯髄(いわゆる神経)が感染を起こし、
歯およびその他周囲の組織が感染を制止できなくなるためです。


20180111sigeta1.JPG


上記の写真のように感染が続くと根の先に膿がたまってしまいます。
ですから、ぼくたちは感染していると判断した時点で
基本的に根の治療を開始します。

原因は以下の通りです。

①う蝕(虫歯)
最も頻度が高く、う蝕から細菌感染する。

②外傷
外傷による歯の破折や露髄、象牙質の亀裂

③歯周疾患
深い歯周ポケット内に露出した
根尖孔や根管側枝を介して上行性に感染する。
なお、隣在歯の根尖性歯周炎が波及する場合もある。


④血行性
非常に稀であるが、
敗血症など血行を介して歯髄が感染する。

⑤人工的感染
歯科医師の行った不十分な処置で
医原性の感染根管が生じることがある。
不完全な根管充填などが原因となる。

以上からもわかる通り、感染が原因ですので、
元はといえば細菌感染症なのです。


ですから、ぼくら歯科医師は
歯の中に入ってしまった細菌を倒すために、
細かい作業をして根の中を徹底的に清掃しているのです。

次にその細菌感染について見ていきます。
細菌は以下の4つに大きくわけられます。

①歯髄由来の物質
歯髄が失活しても、
細菌感染がなければ歯髄は壊死組織となり、
長期間ミイラ状態で存在する場合もある。
しかし、ほとんどの場合は口腔内の細菌が
種々のルートから侵入をして、
失活して免疫力が失われた歯髄組織に急速に広まり、
腐敗分解が生じる。
さらに細菌感染が生じなくても、
タンパク質が自己分解をして液状化してしまう場合が多い。

歯髄が細菌感染して腐敗すると、
分解産物としてタンパク質から
メタン、アンモニア、硫化水素、炭酸ガス、
インドール、スカトールが生じ、
脂肪はグリセリンと脂肪酸へ、
炭水化物は有機酸、メタン、炭酸ガスなどに分解される。
この中で、インドールは感染根管の悪臭の源になっている。
これら歯髄の分解産物は、
根尖孔から外へ漏出すると歯周組織に対して
抗原などの有害物質となる。

②根管内の細菌
感染根管内の細菌は、口腔から侵入し、
いわゆる口腔内常在菌由来である。
従来は感染根管にはグラム陽性菌、
なかでも連鎖球菌が多く、
ついでブドウ球菌、乳酸桿菌など好気性菌が多く、
一部に通性嫌気性菌が存在するとされていた。
しかし、これは
嫌気性培養が困難な時代の研究報告によるものであり、
嫌気性菌の培養が適切に行われるようになった細菌の研究では、
嫌気性菌がきわめて多いことが明らかにされている。

③根管壁象牙質への細菌の侵入
感染根管では根管内に細菌が存在するのみでなく、
根管壁の象牙質、とくに細管のなかへ細菌が侵入している。
根管内が汚染してから時間が経過するにつれ、
根管内で増殖した細菌が
石灰化の低い象牙前質に侵入して増殖し、
さらに象牙細管のなかへと侵入する。
その程度、とくに侵入の深さは一定ではなく、
歯ごとに、また同じ歯でも部位によって異なる。
感染が進むと根管壁の表層から
0.5mm~0.7mm程度侵入していると報告されている。
象牙質へ侵入した細菌は以前は好気性菌が多いとされていたが、
嫌気性培養が行われるようになってからはむしろ根管内と
同様に嫌気性菌が多いことが明らかにされている。

④根尖歯周組織病変部の細菌
根尖歯周組織は、
根管内と異なり血管循環に富み、生体防御力がある。
したがって、根尖孔から細菌が侵入しても、
病原性が低くて細菌の量が少なければ、
細菌は貪食されてしまう。
しかし、防御力が弱かったり細菌の量が多かったり
病原性が強いと増殖するようになる。

このような根尖病変部には多くの菌種が存在し、
タンパク分解酵素を産生する菌が多く、
他の菌と共生して発育酵素を供給し合っている。
根尖歯周組織では血液から酵素が供給されるので
好気性菌が存在するが、
壊死部では血管も破壊されており
血液供給が悪く、嫌気性菌が多くなっている。
膿瘍形成部は、
宿主の防御力に負けない膜を保有する菌、毒素を産生する菌、
組織を破壊する酵素をもつ菌が存在することを特徴とする
混合感染である。

これらの細菌を除去し、
無菌状態になれば根管充填を行います。

以下に示すのが、
左:治療前
右:根管充填後
です。

20180111sigeta.JPG

このように根の治療は
目で見ることができない細菌を除去する作業をしているため、
他の治療よりも時間がかかるのですね。
歯の治療の中では最も治りにくいし、
最も時間のかかる治療の一つと言えるでしょう。

本年も皆様の歯の悩みを一つでも多く解決できるよう、
スタッフ一同誠意を尽くす限りです。
どうぞよろしくお願い致します。

皆様のご多幸ご健勝を祈願しております。


参考文献:歯内療法学 医歯薬出版


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