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2018年3月29日

こんにちは。歯科医師の村重です。


桜も満開になり、
やっとコートが脱げる季節がやってきましたね。
僕はどちらかというと寒がりなので、
これから暖かくなって
外で活動しやすくなるのが楽しみです。


そんな中、今月の11日で
東日本大震災から丸7年が経ちました。
この7年間にも、熊本地震や台風による豪雨など、
多くの被害を出した災害が発生し、
日本に住んでいる上で
自然災害というのは切っても切れない存在であることを
再確認させられます。

災害時に困ることの一つとして
"歯磨きができない"ことが挙げられます。

水が不足している状況から、
歯磨きや義歯(入れ歯)の洗浄に十分な水が確保できないためです。
では、災害時に口腔ケアが不十分になることで
どういったことが起こるでしょうか。
避難所では、すぐに食べられるような
パンやおにぎり、カップラーメンなどの食事が
しばらく続くことが考えられるため、
栄養も偏りやすく、
また精神的なストレスなども重なり、
抵抗力も落ちてしまいます。

口の中を不潔にしていると細菌が増え、
虫歯、歯周病、口臭などが生じやすくなり、
また感染症にもかかりやすくなります。

特に高齢者は、免疫力が落ちた時に、
口腔や咽頭部の菌を気管や肺へ誤嚥することで、
肺炎を引きおこしやすくなるので注意が必要です。
過去の震災でも、避難生活が長引くと、
高齢者の肺炎が増加する傾向が見られます。

阪神・淡路大震災では、
震災関連死922人の81.3%が65 歳以上の高齢者であり、
死因の最多は肺炎だったそうです。

その発症に関しては、
インフルエンザの流行、
避難所の劣悪な食住環境、脱水、ストレスによる
免疫低下などいくつかの要因がありますが、
震災時の高齢者の肺炎は
6~8割程度が誤嚥性肺炎ではないかと推察されています。

このような事態を予防するために、
災害時の口腔ケアは
非常に重要な役割を持っているといえます。
では、水や歯ブラシがない時の口腔ケアは
具体的にどのようにしたら良いのでしょうか。

・歯ブラシがないときの口腔ケア

避難所生活などでハブラシがない場合は、
食後に30mL程度の水やお茶でしっかりうがいをしましょう。
またハンカチなどを指に巻いて歯を拭い、
汚れをとるのも効果があります。

・水が少ないときの歯磨き
1. 水・約30mLをコップに準備します。

2. その水でハブラシを濡らしてから口の中へ入れ、
歯磨きを開始します。

3. 歯ブラシが徐々に汚れてきますので、
ティッシュペーパー(あればウエットティッシュ)で
歯ブラシの汚れをできるだけ拭き取り、
また歯みがき、これを小まめに繰り返します。

4. 最後にコップの水で2~3回すすぎます。

5. 一気に含むのではなく、
2~3回に分ける方がきれいになります。

20180329murige.png


また、できる限り唾液を出すことも大切です。

唾液には口の中の汚れを洗い出す働きがあります。
水分をできるだけとり、
顎の付け根=耳の真下の部分や、
顎の下の部分をマッサージしたり温めたりして、
唾液を十分に出すよう心がけてください。
ガムを噛むことも唾液を出させるよい方法です。


冒頭の話に戻りますが、
私達の生活と自然災害とは決して無関係ではありません。
万が一が起きた場合に、
少しでも口腔内からの被害を減らすことができるよう、
以上のことを頭に留めておいてもらえれば嬉しく思います。

20180329murige1.jpg

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