«  2018年10月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

« 歯石って何? | メイン | 歯ぎしり »

2018年8月16日

こんにちは、歯科医師の池田です。


暑い日が続きますね。
アイスクリームやカキ氷など、
冷たい物を食べる機会が多いと思いますが、
一瞬歯がしみて痛くなったことはありませんか?
ちなみに私はあります。笑
虫歯かな?と心配になりますよね。

他にも歯ブラシの毛先が触れたり、
甘いもの、風にあたった時などにも
歯が痛くなることがあります。


知覚過敏の原因としては、
歯の表層の見えている部分はエナメル質と呼ばれ、
その下に象牙質と呼ばれる層があり、
さらにその下に歯髄と呼ばれる歯の神経があります。
歯の最表層にあるエナメル質は削っても
痛みを感じることはありませんが、
象牙質は器具でこすったり、
冷たいものや熱いもの等に触れると、
その刺激は内部の神経に伝達されて、
歯は痛みを感じます。

通常、象牙質はエナメル質に覆われているので、
こうした痛みを感じることはありませんが、
極端に冷たいものなどではエナメル質の上からでも
温度が内部の象牙質に伝わって、
歯が痛みを感じることもあります。
しかし、様々な理由で象牙質が露出すると、
刺激が神経に伝達されやすくなり、
知覚過敏が生じるようになります。


象牙質が露出する原因は、

⑴歯肉の退縮
歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がってきます。
それに伴って歯の根っこが露出し、
象牙質がむき出しの状態になります。
このような象牙質表面では、歯ブラシが触れたり、
温度変化などの刺激で痛みを感じることがあります。
持続時間は長くても1分以内で、
時間が経てば痛みは消失します。
歯の表面に歯石がたくさん付いているような場合、
それを取り除いた時にも同様の状態となり、
歯石をとっている時にも器具が象牙質表面に触れたり、
水をかけて処置をするので、
知覚過敏と同様の痛みを感じることがあります。
これが原因で、
普段の生活で痛みがなくても、
お口のクリーニングの時だけ痛みが出ることがあります。


⑵歯の破折
打撲などにより歯が破折して、
象牙質が露出すると、知覚過敏症状が出ることがあります。
破折時には、残っている歯に亀裂が入っていることもあります。
亀裂の状態にもよりますが、
歯の神経の部分にまで細菌が侵入して炎症を起こすこともあります。
歯の神経に炎症が起きた場合は、
知覚過敏ではなく、歯髄炎という状態になります。
この場合では、
一時的ではなくずっと歯の痛みが続くため、
歯の神経を取る必要があります。


⑶歯がすり減ることによる象牙質露出
歯は使っていれば、
わずかずつですが擦り減っていきます。
その結果、
エナメル質がなくなって象牙質が露出することもあります。
歯の擦り減り方は人によって様々です。
大きく擦り減ってしまっても
知覚過敏が見られないこともありますし、
わずかな範囲の象牙質露出でも知覚過敏が起きることもあります。
歯ぎしりやくいしばりなどをしている人は、
すり減りがや欠けたりがよくみられます。


⑷歯が溶けることによる象牙質露出
エナメル質はpH5.5程度で溶け始めます。
私達の日常で口にする食べ物や飲み物の多くは酸性です。
こうした食べ物や飲み物を
全てやめるということは不可能ですが、
炭酸飲料を長時間かけて飲むような習慣や、
酸っぱい飲み物や食べ物を
頻繁にかつ長時間摂取するような習慣があると、
私達の歯は簡単に溶けて、
内部の象牙質が露出します。
このような状態の歯を酸蝕歯といいます。
当然象牙質も露出します。
象牙質はエナメル質よりも弱い酸で溶けますから、
さらに歯は溶かされていき、
知覚過敏も起きやすくなります。


⑸虫歯治療に伴う知覚過敏
虫歯の治療をした後、
その歯に知覚過敏が起きることも時としてあります。
歯を削るという処置そのもので、
歯の神経が痛みを感じやすくなってしまうことや、
治療法によって、
かみ合わせた時に痛みを
感じるようになるということもあります。
しばらく経過を見て知覚過敏がなくなる場合もありますが、
再治療を行うことや、
神経を取り除く治療が必要になることもあります。


⑹ホワイトニングに伴う知覚過敏
ホワイトニング(歯の漂白)治療によって、
一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあります。
ホワイトニングで使う薬剤による影響であると考えられますが、
詳細なメカニズムは不明です。
家庭で行うホームホワイトニングの場合、
1-2日間ホワイトニングを中断すれば症状は消え、
再びホワイトニングを続けることが可能です。
またホワイトニング治療が終了すれば、
知覚過敏もなくなるのが通例です。
なので、知覚過敏のある人は
ホワイトニングは行わない方が良いことが多いです。


治療法としては、

⑴再石灰化を促す
知覚過敏症は、軽度なものでは期間が経過すると
自然に消失することもよくあります。
これは象牙質の露出部において、
唾液や歯みがき剤からの再石灰化成分によって、
象牙質の微細な空隙が封鎖されてくるためと考えられます。
露出した象牙質は歯みがきでも
痛みを感じやすくなっていますが、
歯みがきを十分に行わないとプラークが付着します。
プラーク中にはむし歯菌がいて、
酸を作りその歯の表面を溶かしています。
再石灰化とは逆の脱灰という現象です。
こうなると知覚過敏はむしろ悪化することも考えられます。
知覚過敏の改善にも歯みがきはとても重要です。
ただし、磨く力が強すぎたり
歯ブラシの当て方を間違えると歯肉退縮の原因になります。


⑵歯の神経の興奮を抑える
知覚過敏は歯の神経が刺激を受けて、
痛いという信号を中枢に送ることで私達は痛いと感じます。
神経を興奮させないという治療法もあります。
これは歯の神経の周囲を
カリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると
神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用したものです。
実際には歯みがき剤に硝酸カリウムという成分を含ませて、
この歯みがき剤を継続して使うことで、
知覚過敏の改善効果があることが確かめられています。


⑶象牙質の露出部分の内部の空隙を封鎖する

露出した象牙質の内部の小さな空隙を、
歯と同じような成分の結晶や、
その他様々な物質で封鎖することで、
歯の神経への刺激の伝達が遮断されて、
知覚過敏をなくすことができます。
そのための材料を歯科医院で塗布する方法の他、
歯みがき剤でも結晶の形成を促進する成分を含むものがあります。
歯科医院で塗布する方法の方が
歯みがき剤による方法よりも効果が高く即効性もあります。

2010816ikeda.jpeg


2010816ikeda1.jpeg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.tanidashika.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/4341

Categories

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。
タニダ歯科医院

医療法人社団
タニダ歯科医院

当院の勤務医が書いているブログです。笑顔になれる内容がいっぱいで、当院をもっと身近に感じることができます

院長ブログ

新スタッフブログ

スタッフブログ