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2018年11月 1日

こんにちは、口腔外科専門医の豊原です。
ようやく秋らしさを感じる穏やかな天候になってきましたね。
しかし朝晩は冷えこみ、
冬が近づきつつあるんだなぁと実感します。
咳風邪や秋アレルギーなどで
鼻の症状が出ている方も多くいらっしゃいますが、
皆さまは大丈夫でしょうか?

冬が近づくと徐々に空気が乾燥して、
口唇や口腔内がカピカピになってきます。
冬は知覚過敏の季節でもありますが、同時に口腔乾燥に伴う口唇炎、
舌炎、口内炎の季節でもあります。
ワセリンなどで口腔乾燥対策をすること、うがいなどで口腔内を保湿すること、
水分補給をこまめにすることがものすごく大事です。
炎症がひどくなる前に心がけて下さいね。
ただ、同じ口腔乾燥でも、空気の乾燥によるものではなく、
加齢により唾液腺の機能自体が低下している場合は、
優しくマッサージをしたり、よく噛んで食事をすることで
唾液腺が刺激されて唾液が出やすくなります。
もし、やり方などがわからない時は気軽に担当衛生士にお尋ね下さい。
口腔の専門家としてさらに挙げるとすれば、
上記のいずれにも該当しない疾患としての口腔乾燥もあります。
唾液腺腫瘍や唾液腺炎なども口腔乾燥を引き起こします。
炎症の場合は一時的なものなので、唾液腺の炎症が治れば、口腔乾燥は改善します。
唾液腺腫瘍の場合は根治手術をすれば改善することもありますが、
そもそも大きな唾液腺は6個あり、
腫瘍の場合はそのうちの1つに生じることが多いので、
1つがダメになっても残りの唾液腺が大丈夫なら
口腔乾燥はさほど生じません。
これらの他にもシェーグレン症候群といって、
自己免疫疾患と考えらる疾患の一症状に口腔乾燥があります。
シェーグレン症候群の場合、口腔乾燥以外に、
眼の乾燥、異物感、易疲労感、発赤、かゆみなどを伴います。
好発年齢は40〜50歳で、患者のほとんどは女性です。
唾液腺腫脹は三割程度の頻度でみられ、
主に耳下腺が両側性に腫れることが多いです。
口腔乾燥に伴い嚥下困難や味覚異常、舌乳頭萎縮や消失が起こります。
口腔乾燥を診断するに当たっては、
チューインガムをかませるgum試験や唾液腺シンチグラム、
耳下腺造影法、小唾液腺からの組織検査の他、血液検査を行うことがあります。
この疾患は膠原病に絡んでることも多いので、
多発関節炎、微熱、全身倦怠感を合併することもあります。
以上のことから、シェーグレン症候群と診断された場合は専門内科や眼科、
歯科と複数の科でフォローしていく必要があります。
原因不明の疾患のため対症療法になることが多く、
歯科では口腔乾燥に対し、人工唾液を処方します。
口腔乾燥は重篤な症状ではありませんが、
実際なってみると御本人様には結構苦痛の症状で、
放置すると粘膜炎に波及するため、早め早めの対策が大事です。
まずはこまめなうがいや水分補給、室内の加湿など、
できることから心掛けてくださいね。
ちなみに知覚過敏についても水がしみだしたら、
ぬるま湯を使用したり、風が冷たい日はマスクを着用したりするだけでも
かなり違いますので、試してみてください。

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