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2018年11月 8日

こんにちは。訪問担当の歯科医師の岩本です。


ここ最近すっかり涼しくなって、
車で回る訪問診療には良い季節になりました。
ただ、日が落ちるのも早くなったので、
遅い時間になると車の中の荷物が見づらくなったり、
車の中で書類を書きにくくなるのがちょっと不便です。

さて、今回は、認知症と摂食嚥下について書きます。

認知症とは、記憶力や判断力が衰え、
日常生活に支障をきたす疾患ですが、
進行するにつれ、「食べること」の障害も出てきます。
障害の様子は人それぞれで違うのですが、
認知症のタイプにより、大まかな傾向はあります。

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▶アルツハイマー型認知症における特徴

アルツハイマー型の場合、
初期においては飲み込み自体の障害は殆ど見られません。
嚥下する以前の段階での異変、
例えば食欲が落ちたり、逆に食べ過ぎたりするようになる
やたら甘いものが好きになる、甘いものしか食べようとしない

などの、食欲に関する障害が多く見られるようになります。
また、近時記憶
(少し前のことを覚えておくこと)
の障害により、
食事をしたあとに
「食事はまだですか?」と、
食べたことそのものを忘れてしまったりします。
病気が進行すると、
箸やスプーンの使い方が分からなかったり、
他の事に気をとられて食事を始められない
他人の食事を食べてしまう食事介助を拒否する
異食(食べ物ではないものを食べる)
という症状が見られることがあります。

さらに進行し、重度になると、
飲み込みにも障害が出始めます。
口の中の食べ物を喉に送り込めなかったり、
誤嚥を起こすようになりますが、
反対に、初期にみられた偏食や食欲に関する障害は減少します。


▶レビー小体型認知症における特徴

食べこぼしが増える姿勢が傾く
食べ物をうまく喉に送り込めない

などの症状が、比較的初期から見られます。
これらはパーキンソン症状と呼ばれる、
身体や動作のバランスがうまくとれないことによるものです。
その他、 認知機能の変動があるため、
食事がうまく進む時と
そうでない時の差ができる幻視症状のため、
ご飯の上の胡麻やふりかけが虫に見えたりして
食べられなくなる薬剤過敏性のため、
副作用も強く出てしまい、嚥下に支障が出る
などの特徴があげられます。


▶前頭側頭型認知症における特徴

自己中心的、短絡的行動や意欲の低下、
常同行動などを特徴とし、
具体的には 偏食や大食、大量の飲酒自分なりの
こだわり行動をしてからでないと
食べない食べる場所にひどくこだわる
などの症状が見られることが多いです。
中等度に進行すると、
しばしばアルツハイマー型と同じように
異食が見られます。

▶脳血管性認知症における特徴

脳血管障害のため、何らかの麻痺を伴うことが多いです。
そのため、食べ物を口に運び、咀嚼してまとめ、
飲み込むという一連の動作がうまく出来ずに
食べこぼしたり、誤嚥の原因となります。

脳血管障害の部位によっては、
認知症が軽度であっても嚥下は障害され、
誤嚥や肺炎のリスクが高い症例もあります。

それぞれの症状に応じて、
食事の環境を整える、
介助方法の対策を立てることなどが重要となります。

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