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2019年1月24日

こんにちは。歯科医師の岩本です。

ご高齢の患者さんと話していると、時々、
「昔は歯が丈夫で、自慢だったのに...」
という言葉を耳にします。

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治療のあとが殆ど見られない、きれいな歯なのに、
ある時期から急に虫歯が増えてくることがあります。


これにはいくつかの要因が考えられるのですが、
そのうちの一つに、「唾液の減少」があります。

唾液は、私達の歯を守るために、色々と働いてくれています。
虫歯予防についての、唾液の働きをあげてみます。

1.口の中の食べかすや歯垢(プラーク)を洗い流す
2.抗菌作用により、虫歯の原因菌の増殖を抑える
3.飲食によって酸性に傾いた口の中を中和して、歯が溶けるのを防ぐ
4.溶けかかった(虫歯になりかけた)歯の表面を再石灰化し、元に戻す
  


このように、色々と力を尽くして
歯を守ってくれていた唾液が減ってしまうと、
今までと同じようなものを食べ、
同じように歯磨きを行っていても
虫歯になってしまったりするのです。


では何故、唾液は減ってしまうのでしょうか。


加齢に伴い、全身の筋肉は衰えていきますが、
お口の周りも同様です。
唾液腺は退化し、それを取り囲む筋肉も痩せてくるので、
唾液腺を刺激して唾液の分泌を促す力も落ちます。


また、降圧剤や抗不安薬などの薬剤の副作用も考えられます。
一般的な処方薬の80%は
口腔乾燥を起こすことが報告されているそうで、
高齢の方はそれを何種類も飲んでおられたりしますので、
その影響は大きいです。


その他、全身疾患の影響や放射線治療、ストレスなど、
あらゆる原因によって
お口のなかはパサパサになっていきます。
このような状態は「ドライマウス」と呼ばれています。

高齢者のドライマウスの場合、
先にあげた虫歯の多発のほかにも、
潤滑剤となる唾液の不足により、義歯が外れやすくなる、
傷ができやすくなるといった、
非常に困る事態が発生します。


お口の中が痛かったり、義歯がうまく使えないと、
食事の量が減り、栄養状態が悪化するので
筋肉が落ちて...と
悪循環になってしまいます。


乾燥の症状を和らげる方法としては、
保湿剤を使った唾液腺マッサージがあります。

ステップ1

1.うがいなどで十分に口の中を湿らせる
2.保湿ジェルを1〜2cm程度、指先にとる
3.舌の表面をゆっくりとマッサージする
4.舌の奥、付け根のところにも小唾液腺があるので、
刺激するつもりでマッサージ
  嘔吐反射の強い人は無理せず軽い力で、
  1回に5〜10秒程かけて、2〜3回繰り返す 
5.口蓋部(上顎の内側)もマッサージする
1回5〜10秒を2〜3回繰り返す
6.舌の下には舌下腺があり、唾液腺の開口部があるので、
その付近を丁寧にマッサージする

ステップ2

口の内側から頬粘膜を片方の指で押し、
反対側の手で頬を外側からマッサージする
1回10〜20秒を5〜6回繰り返す


ステップ3

唇と歯の間に指を入れ、
唇内面を上下30秒ずつ、ゆっくりとマッサージする

このようなマッサージを続けると、
唾液分泌を自分で感じられるようになります。
食後や就寝前に、
うがいなどで口を潤してから行うようにしてください。
  

参考図書:高齢者のドライマウス
阪井丘芳 医歯薬出版


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