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2019年2月28日

こんにちは、タニダ歯科医院の歯科医師の片山です。

今回のブログは
エナメル上皮腫という顎の骨にできる腫瘍についてです。

骨にできる腫瘍の中では
歯のエナメル器と呼ばれる歯に分化していく部分が腫瘍化してしまい起こる病気です。
こういう風に歯の元となるところが原因の腫瘍を歯原性腫瘍と呼ばれるのですが、
その歯原性腫瘍の中でもっとも頻度の高い腫瘍です。
好発年齢は10から30歳代と言われており、
エナメル上皮腫の男女比は,
わが国で は 3:2 と男性に多く認められるといわれています。
諸外国では差はないとされており、どこにできやすいかというと、
日本での調査では上顎が 8.9%に対し下顎が 91.9%であり、
下顎が圧倒的に多く左右差はな いと報告されています。
また,上下顎とも大臼歯部が約50パーセントと最も多く、
次いで下顎枝部、前歯部、小臼歯部の順の頻度であらわれます。

エナメル上皮腫の症状は、ほとんどの病変が顎のなかに進展するので、
顔面および口腔内には病気が露出しないです。
そのため、診断の根拠が画像所見のみに限定されることが多いです。
また、発育が遅く、発症初期には自覚症状がないまま無症状で経過することが多いです。
ときには数十年の長期の経過をたどることもあります。
このため、歯科治療の際に偶然に発見されることが多いです。
症状や肉眼的な病的所見はある程度の病変の進まなければ、
ほとんど見つけられることはありません。
また、エナメル上皮腫のみに特徴的な症状もないため、
画像検査を行わずに症状のみで 確定診断を行うことは非常に困難であります。
肉眼的所見において、かなり進展してしまった場合は
口腔外から顔面の膨隆(左右非対称)が観察されます。
口腔内所見としては、顎の膨隆、歯の移動などが認められます。
病変を覆う口腔粘膜には明らかな変化を認めないことが多いです。
また、腫瘍が骨・歯肉を越えて増殖した場合や、感染などを併発した場合には、
潰瘍、排膿、瘻孔を認める場合もあります。
瘻孔とは膿の出口が口腔粘膜に届いた時にできるもとです。
触診では、骨の菲薄化による羊皮紙様感、
袋状様のエナメル上皮腫の場合には骨外に進展した際に波動、
つまりぷよぷよとした感触などがみられます。
基本的には無症状で経過することが多いですが、
腫瘍の進展や感染などの二次的な原因によっては、
疼 痛、腫脹、知覚麻痺、歯の動揺、出血などの臨床症状を訴える場合があります。
しかし、これらの臨床症状は、
腫瘍の発生部位、進展範囲、骨の吸収状態、腫瘍に隣接する歯の根の吸収状態などが関連するので、
エナメル上皮腫の臨床診断には、画像診断が必須であります。
また、上下顎骨の解剖学的な構造の違いも症状に反映します。
下顎骨に特異的な症状としては、
下歯槽神経への進展から下唇・オトガイ部の知覚麻痺が生じる場合があります。
一方、上顎骨 のエナメル上皮腫でも、下顎骨と同様の症状がみられるほか、
解剖学的形態から上顎洞への腫瘍の 進展がみられる場合には,
鼻閉感や頭重感を訴える場合もあります。
鑑別診断が必要な疾患としては、
顎骨内 に発症する原始性囊胞や含歯性囊胞などの囊胞および顎骨中心性の腫瘍、
特に角化囊胞性歯原性腫 瘍などの歯原性腫瘍との鑑別が重要となります。
また、発生頻度は少ないですが、
周辺性エナメル上皮腫では、病変の一部が口腔内に達しているために、
口腔粘膜に乳頭状の膨隆、色調の変化などの肉眼的所見を呈することがあります。
このため辺縁性歯周炎などの炎症性疾患、他の歯肉腫瘍等との鑑別が重要となります。

まとめますと、エナメル上皮腫の場合、
患者様が訴える症状よりも画像診断で見つかるとこがおおく、
また、進行も遅いため見つかった時にはかなり進行されてしまっている事があります。
なので、当医院では1年から2年毎に
大きなパノラマレントゲン写真を撮らさせてもらっています。

20190214katayama.JPG

処置としては外科療法が一般出来であり、
開窓し、何度か中を掃除して小さくなるのを待って、病巣ごと骨を取っていきます。
大きくなれば他の部位の骨を使って再建しなければならないこともあります。
かつ、再発しやすい病気でもありますので注意が必要です。

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