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2019年3月 7日

こんにちは、歯科医師の池田です。

最近「誤嚥性肺炎」という言葉を耳にする機会が
少しずつ増えていると思いますが、
何が原因でどういった症状がでるのか、
どういう対策が必要か、
などはまだあまり広まっていないかと思います。


口から食道へ入るべきものが
気管に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。
そして「誤嚥性肺炎」は、
嚥下機能障害のため唾液や食べ物、
あるいは胃液などと一緒に細菌を
気道に誤って吸引することにより発症します。
誤嚥をした際、嚥下機能が正常な人であれば
咳をして誤嚥物を吐き出そうという防御反応が働きます。
しかし嚥下機能が低下している場合には、
誤嚥をしても咳反応が乏しいことがあります。
そのため、誤嚥性肺炎で咳が出ない状況というのは、
誤嚥が引き続き生じる可能性のある危険な状況といえます。


嚥下障害を起こしやすい原因は、
嚥下機能の低下した高齢者、脳梗塞後遺症や認知症、
胃食道逆流症、円背・亀背、胃切除後、パーキンソン病などの
神経変性疾患や寝たきりの患者に多く発生します。
これらの病気は、
全身状態や意識レベルが低下しているということであり、
嚥下に関わる筋肉量の減少にもつながります。
また、嚥下反射が鈍くなり、誤嚥を起こしやすくなるのです。


肺炎球菌や口腔内の常在菌である嫌気性菌が
原因となることが多いとされます。
高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者では
口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、
この場合、口腔内で肺炎の原因となる細菌が
より多く増殖してしまいます。
また、高齢者や寝たきり患者では
咳反射が弱くなり嚥下機能が低下します。
その結果、口腔内の細菌が気管から肺へと吸引され、
肺炎を発症します。
そして栄養状態が不良であることや
免疫機能の低下なども発症に関与してきます。
他には、嘔吐などで食物と胃液を
一度に多く誤嚥して発症する場合もあります。


症状は、発熱、咳、膿のような痰が肺炎の典型的な症状です。
しかしこれらの症状がなく、
なんとなく元気がない、食欲がない、
のどがゴロゴロとなる、
などの非特異的な症状のみがみられることが多いのが
誤嚥性肺炎の特徴です。
特にこれらは、「不顕性誤嚥」でよくみられます。
「不顕性誤嚥」とは飲食物や少量の唾液が
気付かないうちに気管に入るもので、
食事中や夜間の睡眠中にみられます。


誤嚥性肺炎の診断は、
誤嚥が明らかな場合や
嚥下機能低下が確認されている患者では
胸部エックス線写真で肺炎像を確認することで診断できます。
また白血球増加や炎症反応の亢進も重要な所見です。
寝たきりの高齢者など
誤嚥性肺炎の高リスク患者で肺炎が発症した場合も疑われます。

治療法については、
急性期においては、抗生物質の投与が重要になります。
また、誤嚥のリスクを軽減させることを目的として、
嚥下リハビリテーションが行われることもあります。
誤嚥を引き起こしやすい食事形態があるため、
食事内容の指導を行うこともあります。
介護者は、患者の食事の際に十分に上体を起こし、
ゆっくりと咀嚼・嚥下するよう指導することが大切です。
嚥下機能に悪影響を及ぼす薬物を
内服していないかチェックも必要です。
さらに、口腔内の細菌が誤嚥性肺炎の原因であることから、
口腔内のケアをしっかり行うことも重要です。
事前に肺炎球菌のワクチンも受けておく方法もあります。

20190307ikeda.jpg

食事形態はその人の嚥下機能によって決まってきますので、
検査をしてからの食事形態の変更をお勧めします。
口からきちんと食事をすることで免疫力や体力も向上しますし、
ストレスも軽減されます。
本院では訪問診療にて、嚥下機能の検査も行っています。
何かわからないことなどがあるようなら
気軽に質問をしてくださいね。


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