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2019年3月28日

こんにちは、豊原です。
すっかり春本番、気持ちの良い季節になりましたね。
こうなると花粉か気になりますが、皆さまはいかがですか。

今回も全身疾患と歯科との関わりについて書きたいと思います。
前回の高血圧と同じく循環器系の疾患の虚血性心疾患についてです。
虚血性心疾患って何?
と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
心筋梗塞や狭心症の類です。
虚血性心疾患の原因は心臓の栄養動脈である冠動脈の動脈硬化にあります。
この冠動脈は心臓を包み込むように左右二本に大きく分かれ、
さらにそれぞれ枝を分かれさせて心臓全体に酸素と栄養を与えています。
体中にある血管のうち、この冠動脈に動脈硬化が進行した時、
まだわずかに血液の通り道があるようなら狭心症、
完全に血液の通り道が塞がれ
心臓に栄養が行き渡らなくなり心筋が壊死した時が心筋梗塞となります。
壊死してしまった心筋は回復することはないため、
狭心症と心筋梗塞では胸痛の強さや持続時間が異なります。
歯科受診にあたり、虚血性心疾患の方に注意して頂きたいのは、
まずは心機能がどの程度安定しているかということです。
胸痛発作の誘発因子には痛みがありますが、
虫歯などで歯が痛いと血圧が上がるため、心臓には負荷がかかるので
歯科治療は必要です。
しかし、歯科では麻酔薬を使ったり、切削道具を使ったりします。
この際、麻酔薬が心臓に負担をかけてしまう事もあるため、
あらかじめ医科との連携は必須です。
また医科からの処方薬が歯科治療に影響を及ぼす可能性もあるため、
必ず歯科受診の際はお薬手帳を携帯してください。
特に観血処置といって、抜歯や歯肉を切るような処置を予定している場合は、
血栓予防のためにワルファリンなどの抗凝固薬や
バイアスピリンなどの抗血小板薬を服用している患者さんでは、
処置後に血が止まらなくなる可能性が考えられます。
一昔前まではこういった処置の前は医科の先生と相談して
一週間程度そういったお薬を休薬したものですが、
最近では、血栓予防薬の服用は中止せず、服用を継続したまま処置を行い、
止血をはかることが多いです。
しかし、どういう処置をしても止血しないこともあるし、
血圧が高く安定しないこともあります。
こういった場合はやはり一般の歯科医院での対応には限界があるため、
大きな病院の口腔外科で処置してもらう必要があります。
虚血性心疾患からはずれますが、心臓の弁膜疾患の方につきましても、
例えば、過去に心臓弁の手術を経験された方などでは、感染性心内膜炎に対する注意が必要です。
感染性心内膜炎とは、血液中に入った細菌が血流に流されて、
心臓の弁に付着し、感染を起こす疾患です。
重篤な合併症を引き起こすため、注意が必要です。
歯科治療を含め小手術によって血液中に細菌が入り込むことがあり、
特に心臓弁に異常があるか、もしくは人工弁に取り換える手術を受けた患者さんでは、
感染性心内膜炎を発症するリスクが高まると考えられています。
こうした患者さんは、治療の前に抗生物質を服用するなど、
感染予防が必要な場合があります。
歯科治療前に必ず歯科医師や循環器科医師にご相談ください。
また、最近では世界的に歯周病と全身疾患との関係についての研究が進み、
因果関係が証明されつつあります。
例えば、糖尿病や虚血性心疾患を引き起こす動脈硬化、血管炎などがあります。
動脈硬化を起こした血管を調べてみたら、
歯周病の細菌が血管壁に付着していてそこから硬化を起こしていたというのです。
また動脈瘤の瘤の中からも歯周病菌が見つかっています。
アメリカでの研究では、
60歳未満の骨吸収を伴う歯周病重度罹患患者では、
そうでない人達と比べて
2.48倍心筋梗塞を起こしやすいと報告されています。
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高齢化社会になり、
何らかの全身疾患をお持ちの方が歯科受診するのは当たり前の時代になっています。
医療の現場でも、歯科と医科の連携が昔に比べて随分深くなりました。
主治医の先生に病身連携の手紙を書いてくださいと言いにくいと思われず、
遠慮なくおっしゃってください。
そういうのが当たり前の世の中になっていますので、何の遠慮もいりませんから!

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