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2019年4月11日

こんにちは!
歯科医師の今泉です。
寒い冬が終わり桜が満開になり過ごしやすい季節になりましたね。


今回は歯周組織再生材料についてお話ししたいと思います。
歯周病は慢性炎症性疾患であるために自覚症状に乏しく、
患者さん自身が歯の動揺や歯肉からの出血を自覚したときには
歯槽骨の吸収などの歯周組織の破壊が進行している場合があります。
歯周組織再生療法は歯を支えている
歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を再生させる治療法です。

20190411imaizumi1.jpgのサムネール画像

再生療法剤にはエムドゲイン及びリグロスがあり
生理活性物質として働きます。
それぞれの違いについて説明します。


①エムドゲイン
1990年代に歯の発生期分泌されるエナメルマトリックスタンパク質という物が
歯周組織の形成に関与される事が発見されました。
エムドゲインとして商品化し1995年欧州、
その後3年後の1998年に日本で承認されました。
すでに世界中で200万以上の症例に使用されており、
歯周組織再生療法における有効性・安全性が多くの文献で認められています。


材料としては、幼若ブタの歯胚から抽出したエナメルマトリックスタンパク質に
プロピレングリコール(PGA)を基材として加えた粘稠性の高い溶液です。
エムドゲインは歯の発生において、
エナメル質だけでなくセメント質の形成にかかわることが解明され、
その原理を破壊された歯周組織の応用するものと理解できます。
セメント質が形成されることで歯根膜が誘導され、
歯槽骨の再生環境が整えられることで、
時間はかかるものの歯槽骨の再生が期待できると考えられています。

20190411imaizumi2.jpg

20190411imaizumi3.jpg

②リグロス
遺伝子組み換え技術により製造したヒト塩基性線維芽細胞増殖因子、
一般名トランフェルミンを有効成分とした世界初の歯周組織再生医薬品です。
2016年9月に承認された新しい材料です。
リグロスは線維芽細胞、血管内皮細胞だど創傷治癒に関わる種々の細胞に対して
遊走や増殖促進作用を有することから、
皮膚潰瘍治療剤として臨床応用され有効作用が認められています。
日本国内で行われた臨床試験では、
歯槽骨、セメント質、歯根膜の再生を促進し、
結合組織性付着が形成されたことから、
歯周組織再生に対する有効性及び安全性が確認されました。
作用機序としては、歯周組織欠損部の未分化間葉系細胞、
歯根膜由来細胞に対して増殖促進作用を示すとともに、血管新生を促進し、
これらの作用により増殖した細胞が骨芽細胞、セメント芽細胞へと分化し、
歯槽骨、セメント質及び歯根膜の新生や結合組織性付着の再構築により
歯周組織が再生されるとされています。

20190411imaizumi4.jpg

20190411imaizumi5.jpg

ただどちらの再生療法剤も
歯周ポケットの深さや骨欠損の深さ・形など条件が決まっており、
全ての歯周病に適応ではありません。
また、お口の中の清掃状態が綺麗で、
歯肉の炎症が落ち着いている状態で行いますので、
セルフケア及び歯科医院で行うプロフェッショナルケアが必須です。
どちらの材料が適応かは骨欠損の状態により変わります。
歯科医師及び衛生士の精密な検査及び診断が必要になります。


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