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2019年5月23日

こんにちは、歯科医師の池田です。

今回は「顔面痙攣」についてお話しようと思います。
疲れ目などでまぶたがぴくぴくする症状が出る方がいるとは思いますが、
似たような症状が出る病気になります。
「歯」ではないので関係ないように見えますが実は、
「顔面」のことなので歯科領域にも関係します。
もちろん治療する際には脳神経外科との連携が必要にはなります。


「顔面痙攣」は、片側顔面痙攣ともいいます。
顔の半分が自分の意思とは関係なく痙攣するもので、
ふつう目の周囲から始まりだんだん口元へと広がります。
最初のうちの症状は疲れなどでまぶたのぴくぴくする症状との区別が困難です。
徐々に進み、あごの下の筋肉も痙攣するようになります。
頻度は、最初は緊張したときなど時々だけですが、
徐々に痙攣している時間が長くなっていきます。
やがて一日中、ときには寝ていてもおこるようになることもあります。

20190523ikeda.jpg

病気自体は生命にかかわるものではないだけに、
放置してもまったく差し支えないものです。
しかし自分の意思とは関わりなく顔面が動きます。
また、片目をつぶってしまう、ということは実際上の不自由もあり、
機械の操作が不自由である、
あるいは運転のときに片目をつぶって事故をおこしそうになる、
といったことで困る方もいます。
したがって、ご本人が困っている場合には治療を考えるということになります。

脳の深部で顔面神経に血管が接触して圧迫することが原因で起こります。


治療法は基本的には2つあります。
1つは病気の原因である神経への血管の接触に対する根本治療である手術です。
もう1つは対症療法であるボツリヌス毒素治療です。

「顔面痙攣」の診断方法は、
症状が初期で眼の周囲だけにしか出ていないと、
疲れ目との区別はつかないこともあります。
また一日中症状が出ている場合でないと、
1回の診察では症状がつかまえられないこともあります。このような方の場合、
2回くらい外来で顔を診察しているとはっきり症状が出ることがあります。
症状が出やすい状態というのがあり、たとえば眼をぎゅーっとつぶってぱっと開くと、
まぶたの下に痙攣が誘発されます。
口元をいーと引き延ばすような顔をすると、まぶたの下に痙攣が出るのも、
この病気の特徴です。


診断の補助として、顔面の筋電図をとることもあります。
非常にまれですが、神経への圧迫が血管ではなく、動脈瘤や脳腫瘍ということがあり、
こういったことではないかは確認する必要があります。
また手術治療を考える場合は、神経への圧迫がどの血管か、
どのように圧迫しているかも検査の必要があります。
これらの情報は、MRI検査でわかります。


「顔面痙攣」と似たような症状が出る病気もあります。

「眼瞼痙攣」は、
両側の目が強いまばたきをくりかえして閉じてしまうという症状をしめす病気です。
名前からは目の病気のようですが、くちもとが引きつる、もごもごする、
という症状も伴ってくることが多いのです。
「メイジュ症候群」という別名もあります。
よく「顔面痙攣」とまちがえられますが、
「顔面痙攣」では両側に症状がおこることは非常にまれで0.5%以下です。

「顔面痙攣」とちがって「眼瞼痙攣」の原因はまだよくわかっていません。
まれに、抗うつ剤やパーキンソン病のお薬の副作用でおこることもあります。


「顔面神経麻痺」(ベル麻痺やハント症候群など)という、
顔が突然麻痺をしてしまう病気があります。
病気が回復してくるときに顔面神経が再生して、顔の動きが戻ってきます。
しかし神経が再生するときに、神経の接続が多少もととは異なってしまい、
眼の周囲の筋肉につながる神経の一部が口元の筋肉につながり、
あるいはその反対もおこるので、眼を閉じようと思っても
、口元がいっしょに動いてしまったり、
口を動かすと眼もとじてしまうことが起こります。
この状態がときどき「顔面痙攣」と間違えられます。
しかしこの状態では、「顔面痙攣」とちがって、
自分が動かそうと思わない時に顔が動くことはありません。
かならず自分が顔のどこかを動かそうとした時に他の場所が動くので区別がつきます。

治療法は、先程も記載しましたが、手術かボツリヌス毒素治療になります。

手術療法は神経減圧術(微小血管減圧術)と呼ばれます。
脳の深部で神経に接触する血管を剥離して移動して、
神経への接触をのぞきます。手術は全身麻酔でおこないます。
通常手術の翌日午後には食事がとれるようになり、
2-3日以内に身の回りのことは自分でできるようになります。
1週間から10日後には退院できる場合がほとんどです。
「顔面痙攣」は血管の圧迫によって顔面神経が過敏になっていることが痙攣の原因ですが、
痙攣そのものは神経が過敏になることが原因でおこります。
ですから神経への血管の圧迫をのぞいてもすぐに痙攣がなおらないこともあり、
長い人では1年以上かかることもあります。


ボツリヌス毒素は食中毒の毒素です。
この毒素による食中毒では、
からだの筋肉が麻痺をして呼吸ができずに命にかかわります。
これを逆に利用したものがこのお薬です。
ボツリヌス毒素はかなり強い毒素になります。かなり少量でも致死量になります。
ボツリヌス毒素を非常に希釈して、お薬にしてあります。
これを顔の筋肉に注射をすると、顔の筋肉が麻痺をして、痙攣がおこりにくくなります。
根本治療ではなく対処療法になりますが、かなり症状が緩和される場合も多いのです。
1回注射をすれば3-4ヶ月は症状が楽になります。
入院が必要ない点が手術よりも利点です。


効果があるかどうか微妙な方法にはなりますが、
緊張すると症状が強くなるので、精神安定剤を飲むと、緊張しにくくなり、
多少痙攣が楽になる、という方もいます。
てんかんの薬(抗けいれん薬)の処方が教科書にも出ていますが、
あまり効果がない場合がほとんどです。
しかし、まれに一時的に効果があった、という方がいないわけではありません。


かなりまれな病気にはなりますが、
あまりにもずっと続くようなら念のためでも良いので相談してくださいね。

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