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2019年6月20日

初めまして
4月からタニダ歯科医院に勤務させていただいています、
歯科医師の法貴です。
6月も終わりに近づき2019年も残り半分が過ぎようとしています。
あっという間の時間の流れに驚いています。

さて今回は多形腺腫という唾液腺の腫瘍について書きたいと思います。
多形腺腫とは、
上皮成分とヒアリン、粘液腫瘍、軟骨様組織などの間葉性成分との混在により
腫瘍が構成されている腺腫です。
この腫瘍はきわめて多彩で複雑な組織像を呈し、被膜を持っています。
この多形腺腫は唾液腺腫瘍の中で最も頻度の高いもので、
全唾液腺腫瘍の約60%を占めています。
発現頻度を部位別にみると、
耳下腺に多く、次に顎下腺、小唾液腺(口蓋腺 口唇腺 頬腺)、舌下腺の順に多いという報告があります。
口蓋腫瘍の大部分は、片側の硬軟口蓋移行部に生じます。
また口唇ではほとんどが上唇に発生すると報告があります。
腫瘍の発生に大きな男女差はありません。
20歳~50歳まで幅広い発現年齢を示しますが、小児の発現率は極めて低いです。

多形腺腫の発育は極めて遅く、この腫瘍は無痛性で、
類球形の腫瘤として触知が、時に分葉状を呈する時もあります。
表面は通常平滑であり、大唾液腺原発腫瘍で多結節を示すことがあります。
このような症例は再発症例か以前に穿刺生検を受けたものか、
あるいは悪性の可能性もあるので注意すべきです。
多形腺腫は皮下あるいは粘膜下で結節状の遅い増殖を示すので、
外的刺激のない限り、皮膚、粘膜が潰瘍を形成することはありません。
多形腺腫は被膜によって覆われており、周囲組織に対して常に圧迫増殖を示します。
腫瘍の硬さは組織成分によって異なり、
上皮成分に富んだものや軟骨様組織を含むものは硬く、粘液腫瘍成分の多いものは軟らかいです。
一方、悪性腫瘍は球状というよりむしろ平坦で、
浸潤性に増殖し、皮膚や粘膜、その他の周囲組織と癒着することが多いです。
表面粘膜は粗造、潰瘍を伴う場合は悪性(多形腺腫由来癌)の可能性を考慮すべきであり、とくに、疼痛や神経麻痺は悪性頻度の高い腫瘍の症状です。

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多形腺腫の大多数は良性腫瘍ではありますが、
術後再発をきたすことがあり、また、まれに悪性化するものもあります。
多形腺腫を長期間体内に放置すると癌化の危険性があることは認められています。
初発から手術までの期間が長くなるに従って、
核DNA量が増加してくることが認められ、
染色体解析においても5年以上経過した多形腺腫は多形腺腫内癌腫と同様に染色体数が4倍になっていることが報告されています。
多形腺腫が癌化した場合、経過の長かったものが急に増大し、浸潤性の増殖を示すことによって診断できます。
一般に腫瘍初発から悪性化までの期間は長く、数年から10数年のことが多いです。
再発は術後数年から20年間ほどの長期間経過後に起こります。

治療方法としては、
組織像をみないで、確実に多形腺腫であると診断するには限界があります。
術前に良性、悪性の鑑別を行い、手術方法を選ぶことが重要になります。
再発の危険性があるので周囲組織を含めた切除を手術方法をして選択するべきです。


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