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2019年6月13日


こんにちは。訪問診療担当の岩本です。

梅雨の季節がやって来ましたね...
雨も悪くは無いんですよ。
しかし。
訪問先で機材を乗せ降ろしする時だけは降らないでほしいのが本音です。


20190613iwamoto1.jpg

さて、今回は舌痛症について書きたいと思います。

文字通り「舌が痛む」現象なのですが、
これは病名というより症状をさす名称です。
以下のような多種多様の原因があります。

*局所的要因*

物理的刺激:歯や修復物の鋭縁による刺激
      舌突出などの口腔習癖 
(歯列不正部を舌で触るなども含む)
      洗口剤や歯磨剤による刺激 

口腔乾燥症:薬の副作用や加齢、
      シェーグレン症候群、
放射線照射治療などによる唾液分泌機能の低下

感染症:萎縮性カンジダ症など

神経障害:帯状疱疹後の神経痛など
歯科材料アレルギー

悪性腫瘍:口腔底癌、舌根癌など

*全身的要因*

鉄、ビタミンB12、亜鉛の欠乏
糖尿病などの代謝性疾患
自己免疫疾患
高血圧、動脈硬化
中枢神経障害

検査方法としては、
血液検査(ビタミン欠乏、糖尿病、自己免疫疾患)、
カンジダ培養検査、唾液流出速度(ドライマウス)、
皮膚パッチテスト(アレルギー)などがあります。

20190613iwamoto2.jpg


また、
上記のような原因が見当たらないにも関わらず、痛む場合もあります。

このような状態は
「口腔灼熱症候群(burning mouth syndrome :BMS)」と
呼ばれており、
「臨床的に明らかな原因病変の無い、
口腔内の灼熱感や感覚異常が3ヶ月以上、
かつ一日2時間を超えて連日再発を繰り返す状態」
と定義されています。

一番多く訴えが見られるのが
舌の痛み(慢性的に舌の先や側面がピリピリ、ひりひりする)ですが、
舌以外の口腔粘膜や歯肉に痛みを感じることもあります。
多くの患者さんが、味覚異常や口腔乾燥感を訴えます。

BMSの特徴について幾つかあげてみます。 
(すべてあてはまるとは限りません)

 1.更年期から閉経後の女性に多い。
 2.痛みは両側性に生じることが多い。
 3.痛む場所が変わることがある。
 4.痛みは午前中よりも夕方〜夜にかけて強くなる。
 5.食事中や会話中、何かに集中している時は痛みが気にならない。
 6.味覚の変化(味がしない、苦い、おいしくないなど)を感じることがある。
 7.真面目、几帳面な性格である。
 8.がんへの恐怖心など、身体的な不安を持っている。
 9.歯科治療をきっかけに発症することがある。
10.頭痛や肩こり、めまいなどの自律神経失調症状を伴う。

BMSの病因は不明な点も多く、完全に理解されているわけではありません。
以前はストレスなどから起こる心因性のものと考えられていましたが、
最近の研究結果では、中枢および末梢神経が関与した
神経障害性の疾患と捉えられるようになってきています。 

治療法はまだ確立されてはいませんが、
神経障害性痛の治療に準じ、クロナゼパム(ベンゾジアゼパム)が
第一選択薬とされています。
その他、物事の捉え方の角度を変えることにより気持ちを楽にする、
認知行動療法も症状の改善に役立つと言われています。

西宮市・宝塚・三田・神戸市北区の歯科・歯医者ならタニダ歯科医院

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