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2019年7月 4日

こんにちは。歯科医師の村重です。
今年は梅雨入りが遅かったものの、
梅雨入りしてからは雨ばかりで蒸し暑い日が続いていますね。
本格的な夏を迎えるまえに体調を崩されないよう、
皆さんお体にはくれぐれもお気をつけ下さい。

さて、今回の内容ですが、
口腔内の粘膜疾患の中では比較的認められやすい疾患である
「口腔扁平苔癬」についてです。

口腔扁平苔癬とは口腔扁平紅色苔癬ともいわれる、
皮膚と口腔粘膜における慢性の角化異常を伴う病変です。
原因は不明ですが、
40〜50代の女性に好発し、金属アレルギーが疑われる症例もあります。
また、C型肝炎、糖尿病、高血圧症なども発症に関与しているという報告があります。
以下に特徴、原因、治療法にわけて説明していきます。


⑴特徴
粘膜のレース状の白線と紅斑などの混在病変を特徴とし、
頬粘膜、歯肉、舌、口唇などに両側性、多発性にみられることが多いです。
角化性変化は白線や白斑として、
萎縮性変化は紅斑としてみられ、びらん、潰瘍、色素沈着、
稀に水泡形成を伴うこともあります。
臨床型として網状型、萎縮型、びらん(潰瘍)型の3型に分類されますが、
通常、複数の臨床型が混在しており、
経過中の臨床像に変化がみられることも多いです。
網状型が最も多く、やや隆起したレース状の白線を伴います。

20190704murasige1.jpeg

網状型扁平苔癬


萎縮型は紅斑を中心に持ち、周囲が瘢痕化し、びらん型では不規則なびらん・潰瘍がみられます。

20190704murasige2.jpeg


萎縮型扁平苔癬

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びらん型扁平苔癬


萎縮型、びらん型では、灼熱感、接触痛などの症状を伴い、
食事時に疼痛を感じることがあります。
一方、網状型では違和感のみで痛みを訴えないことも多いです。

⑵原因
原因は不明な点が多いですが、
基底細胞と結合組織の接合部に何らかの抗原物質が存在し、
これに対して細胞性免疫系が反応していると考えられています。
誘因としては薬物(降圧剤、脳代謝促進剤、抗結核薬など)、歯科用金属、
ストレス、タバコ、C型肝炎、移植片対宿主病(GVHD)などが挙げられています。

⑶治療
口腔扁平苔癬は難治性であり、痛みなどの症状緩和が治療の主目的となります。
従って、痛みを伴わない場合、
投薬は必要なく数ヶ月ごとの経過観察のみを行います。
痛みを伴う場合は、二次感染予防のための口腔衛生指導、
炎症性反応を軽減するためのステロイド軟膏の局所投与、
内服薬の投与などが行われます。
痛みがあると、接触痛により口腔清掃不良となり、
二次感染やカンジダ感染が炎症症状を悪化させていることがあるため、
粘膜に愛護的なブラッシングが行えるよう、
歯ブラシの選択、清掃方法の工夫が必要です。
また、痛みが強い場合は、先に薬物療法を行い、痛みを軽減させることもあります。
金属アレルギーが疑われる場合は、
補綴物あるいは充填物を撤去すると症状が改善することもあります。
口腔扁平苔癬は
前がん状態(その疾患が存在することで癌の発生リスクが高くなっている状態)といわれ

がん化も報告されていますので、長期的な経過観察が重要となります。

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