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2019年8月 1日

こんにちは、歯科医師の池田です。

今回は夏に多いウイルス感染「手足口病」を紹介しようと思います。
小さなお子さんのいらっしゃる方は、聞いたことがあるかも知れません。

夏を中心として発生し、7月下旬に流行のピークを迎えます。
どのような病気かというと、その名の通り口の中や、
手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。
子どもを中心に流行します。
感染症発生動向調査によると、
例年、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。
しかし、大人が感染しないというわけではありません。
乳幼児から大人に感染する場合が多いです。

症状は感染してから3~5日後に、
口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。
発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、
高熱が続くことは通常はありません。
ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。
しかし、まれですが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、
心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、
さまざまな症状が出ることがあります。
口の中にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎(口の中にできた潰瘍)がひどく、
食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすこともあります。
また、手足口病の典型的な症状がみられずに重症になることもありますので、
注意が必要です。
なお、近年、手足口病の症状が消失してから、
1か月以内に、一時的に手足の爪の脱落を伴う症例も報告されていますが、
自然に治るとされています。

手足口病にかかったこどもの経過を注意深く観察し、
合併症に注意をする必要があります。

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感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。
特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。
なぜなら、子ども達同士の生活距離が近く、
濃厚な接触が生じやすい環境であることや、衛生観念がまだ発達していないことから、
施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいためです。
また、乳幼児では原因となるウイルスに感染した経験のない者の割合が高いため、感染した子どもの多くが発病します。

手足口病には有効なワクチンはなく、
また手足口病の発病を予防できる薬もありません。
治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。
また、感染しても発病はせず、ウイルスを排泄している場合があります。
これらのことから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず、
現実的でもありません。
衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、
施設内での感染の広がりを防ぐことは難しいです。
しかし、手足口病は、発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであるという意味で、感染してはいけない特別な病気ではありません。
これまでほとんどの人が子どもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症です。

感染をしないようにするためには、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。
特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、
感染を拡げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。
特におむつを交換する時には、
排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。
手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。

手足口病は、治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし、
また、感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切になります。


治療方法ですが、手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。
また、基本的には軽い症状の病気ですから、
経過観察を含め、症状に応じた治療となります。
しかし、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診してください。


もし手足口病により飲食に痛みがあり難しくなった場合は、
鎮痛薬で痛みを和らげたり、粘膜保護剤の軟膏などが処方されることがあります。
のどに痛みがでることもあるので、オレンジジュースなどのような刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。
例えば、麦茶や牛乳、冷めたスープなどです。
食べものは、刺激が少なく噛まずに飲み込めるものにしましょう。
ゼリーやプリン、冷めたおじや、豆腐などが良いです。


まずは感染しないように、感染症対策をしっかり行って夏を楽しく過ごしてください。



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