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2019年8月29日

こんにちは。訪問担当歯科医師の岩本です。 暑さもやっと峠を越えた感がありますが、まだまだ蒸し暑いですね。

皆さんは「口腔機能低下症」という言葉をご存じでしょうか。 大昔、平均寿命が短かった時代は、 歯科医療は虫歯や歯周病の治療を行い、歯を失ったら義歯を作る、でOKでした。 ところが現代のように超高齢化が進むと「歯(または義歯)はあっても噛めない、 食べられない人」が非常に増えてきたため、口から食べる(咀嚼、嚥下)機能をできるだけ長く維持するためにはどうすればよいか、ということが研究されるようになってきました。

口腔機能低下症とは、 「加齢、疾患、障害など様々な要因によって、口腔の機能が複合的に低下している状態」 をさします。 放置しておくと咀嚼機能不全、摂食嚥下障害となって全身的な健康を損なうため、個々の高齢者の生活環境や全身状態を見据えて口腔機能を適切に管理する必要があります。 2018年春の診療報酬改定では、正式に疾患名として認められました。 20190829iwamoto1.pngのサムネール画像

(日本老年歯科医学会のホームページよりお借りしました。各検査をクリックしても資料は開きません、ご了承ください。)

診断基準には以下の7項目があり、そのうちの3項目以上あてはまる場合に「口腔機能低下症」と診断されます。 

①口腔衛生状態不良   高齢者の口腔内で微生物が異常に増殖した状態で、誤嚥性肺炎や口腔内感染症などを引き起こす可能性がある状態を指します。舌苔の付着度をスコア化して診断を行います。

②口腔乾燥 口腔内の異常な乾燥状態あるいは乾燥感を伴った自覚症状を示す状態です。口腔粘膜湿潤度の計測や、唾液分泌量の計測で評価を行います。

③咬合力低下 天然歯あるいは義歯装着時の咬合力の低下した状態を指します。咬合圧測定や残存歯数で判定を行いますが、結果は咬合圧測定を優先します。

④舌口唇運動機能低下 全身疾患や加齢変化によって、脳・神経の機能低下や口腔周囲筋の機能低下が生じた結果、舌や口唇の運動機能が低下した状態です。オーラルディアドコキネシス(単音節の発音速度)の計測で検査を行います。

⑤低舌圧 舌を動かす筋肉の機能低下によって舌の押す力が弱くなり、咀嚼、嚥下、発音時などに支障が生じ、将来的に必要栄養量を摂取できなくなる可能性がある状態です。舌圧測定器による最大舌圧の計測で検査を行います。

⑥咀嚼機能低下 噛めない食品が増加し、食欲低下や摂取食品の多様性が低下した状態で、結果的に低栄養や代謝量低下を引き起こすことが危惧される状態です。検査用のグミゼリーを咀嚼してもらい、その粉砕度を計測して検査を行います。

⑦嚥下機能低下 加齢による摂食嚥下機能の低下が 始まり,明らかな摂食嚥下障害を呈する前段階での機能不全を有する状態です。EAT-10 などの嚥下スクリーニング検査で評価を行います。

診断がついた後には、口腔機能のさらなる悪化を予防し、口腔機能を維持、回復することを目的として、管理計画を立案します。 その計画に基づき、必要な訓練指導や生活指導、栄養指導などを実施していくことになります。

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