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2019年9月27日

こんにちは。歯科医師の片山です。

口腔白板症は、歯肉や舌縁(舌の側面)に多く、
次いで頬粘膜、口蓋、口唇、口底に認めます。
上皮が過角化を認め肥厚したことで、
粘膜表面に板状や斑状の白色病変を形成します。
周囲粘膜との境界は比較的明瞭です。
また、病変の一部に紅斑やびらん、潰瘍などを伴うこともあります。

口腔白板症の臨床視診型は、
白斑が平坦で均一な均一型と表面が粗造で一部隆起して、
紅斑やびらん、潰瘍を伴う非均一型に一般的に分類されますが、
紅斑の有無により白斑型と紅斑混在型に、
隆起の程度により丘型、疣(いぼ)型に分類する4分類もあり
口腔白板症が、自発痛や接触痛といった痛みなどの自覚症状を伴うことは少ないです。
そのため、むし歯の治療で歯科医院を受診した際や
歯科検診や口腔癌検診で指摘されてはじめて気がつく患者さんもいます。


口腔白板症の原因として
局所的には喫煙、不適合な義歯や歯の修復物による慢性機械的刺激、
全身的にはビタミンAの不足などが言われていますが、
はっきりとした原因はわかっていません。

口腔白板症を発症しやすい年代が40歳以降であることは
口腔扁平苔癬と共通していますが、
女性より男性の方が発症しやすいという点に違いがあります。
これは、男性が喫煙習慣を有している方が多いことが要因として考えられます。

口腔白板症は、
一般的に経過観察期間が長くなると癌化するリスクも高くなるといわれています。
当科における経過観察期間を考慮にいれた累積癌化率は、
5年で5.6%、10年で8.7%でした。
口腔扁平苔癬と比較すると、癌化するリスクは非常に高いです。

また、部位や臨床視診型によっても癌化率に違いがあり、
部位では舌縁にできた口腔白板症が、
臨床視診型では非均一型の口腔白板症が癌化するリスクが高いといえます。

治療について
白板症の治療は、生検を行い上皮性異形成が中等度以上の場合には
癌化するリスクが高いため切除を勧めています。
切除を行わない場合には、
不適合な義歯や歯の修復物による機械的刺激の除去および禁煙を勧めながら、
病態に応じて1か月から3か月程度の間隔で経過観察を行います。
機械的刺激の除去や禁煙により、病変が消失することもあります。

白板症を外科的切除する場合は、メスを使った切除を第一選択とします。
切除する際には、病変および周囲粘膜に対しルゴール染色を行い
上皮性異形成の範囲を確認し、
上皮性異形成に対し、5mm程度の安全域を設定して切除を行います。
切除した白板症は、病理組織検査にて癌化している部分がないか細かく調べます。

再発について
外科的切除を実施した場合の口腔白板症の再発率ですが、
メスで切除をした場合は10%程度、
レーザーの場合は20~30%といわれています。
よって切除後も定期的な経過観察が重要になります。

20190927katayama.JPGのサムネール画像


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2019年9月19日

こんにちは。歯科医師の村重です。
先週の土曜日にお休みをいただき、まだまだ暑さの残る新潟で開催された"摂食・嚥下リハビリテーション学会"の学術大会に参加してきました。
今回と次回に分けて、歯医者さんの診療室ではあまり耳にしないこの"摂食・嚥下"についてのお話をさせてもらおうと考えています
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摂食・嚥下とは、食べ物を認識してから、口を経由して胃の中へ送り込む、一連の動作のことをいい、この動作に支障を来すことを摂食嚥下障害と呼びます。
この障害を持った方に対して検査・評価をすることで症状を客観的にとらえ、機能回復をはかるとともに、その後の生活を考慮して食事の形態を検討し、また、介助者の方々にも介助方法について提案を行い、より安全によりおいしく食べていただけるように援助していくことが摂食・嚥下リハビリテーションの考え方です。
「食べる」という行為は、生命維持に必要な栄養を取り入れる、味を楽しむ、食事の場面を通じてコミュニケーションを楽しむなど、私たちの生活においてとても大きな意味を持ちます。
ご存知の通り我が国は超高齢社会を迎えており、この「食べる」ことを安全に行えない方が増加しているのが現状です。
こういった状況に我々歯科医療従事者が口腔の専門家として貢献できる部分はとても大きいと考えており、当院でも訪問嚥下診療を実施しております。
ただ、摂食・嚥下リハビリテーションは歯科だけでは絶対に完結することのできない分野です。
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耳鼻科領域を中心とした医師や、普段のケアを行なっている看護師や介護士、また、具体的な訓練の実施を行う言語聴覚士や食事の管理を行う管理栄養士といった様々な職種の方々が、それぞれの専門性を生かしてひとつのゴールに向かっていくという特徴があります。
普段の歯科診療ではあまり関わることのない他職種の方の考え方や立場を知り、また新しい知識に触れたことで自分の臨床での訪問歯科診療、および嚥下診療に還元できればと考えています。
では、摂食・嚥下障害の方にはどういった症状、特徴が現れるのかを以下に示します。

①むせる
特にむせやすいのは、味噌汁やお茶などの水分、または水分と固形物の入り混じった食べ物です。飲食物だけでなく、自身の唾液でも咳き込む場合があります。

②固形物を噛んで飲み込めなくなる
硬い食べ物はよく噛まないと飲み込めないため、麺類などの柔らかいものや、噛まずに食べられるものを好むようになります。その結果栄養が偏り、低栄養につながります。

③食事をすると疲れる、最後まで食べきれない
時間をかけてよく咀嚼しなければ飲み込めなかったり、飲み込んでも口腔内に食べ物が残ったりするため、食事に時間がかかるようになります。食べられるものも制限されるため、食事自体の楽しみが奪われ、食べる意欲の低下につながります。場合によっては食事の途中で肉体的・精神的に疲れてしまい、出されたメニューをすべて食べきれないこともあります。

④食事の後、声がかれる
声質の変化も、よく見られる症状です。食べ物を飲み込んだあとに声がかすれたり、口腔内に食べ物が残留することから痰が絡みやすくなり、がらがらした声になったりします。

⑤体重が減る
食べる量が減る上、食事の内容が偏るため、低栄養状態になって体調を崩しやすくなり、体重が落ちていきます。

こういったことがサインとなってきます。次回は原因や診査方法といった内容を載せたいと思います。

やっぱり日本海といえばお寿司ですよね。レベル高かったです
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2019年9月12日

こんにちは。
歯科医師の今泉です。
まだ蒸し暑さが残る9月ですが、食欲の秋が到来しました!
美味しいものの中には口臭の原因になる物もたくさんあります。
今回は口臭について説明します。


口臭症の国際分類 
I.真性口臭症
 a.生理的口臭 器質的変化,原因疾患がないもの
 (ニンニク摂取など一過性のものは除く)
 b.病的口臭
   1.口腔由来の病的口臭
     口腔内の病気、機能低下などによる
   2.全身由来の病的口臭


II.仮性口臭症
 患者さんは口臭を訴えるが、
 社会的容認限度を超える口臭は認められず、
 検査結果などの説明により訴えの改善が期待できるもの

III.口臭恐怖症
 真性口臭症、仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないもの


口臭症には、大きく分けて3種類に分類されます。
実際に口臭を有する真性口臭症、
口臭の無い仮性口臭症、
そして口臭恐怖症があります。
真性口臭症は、さらに生理的口臭と病的口臭があり、
生理的口臭は原因の疾患がなく、 主に舌苔で産生される口臭です。
日本の口臭患者の約 1/3 がこれにあたると考えられます。 
舌苔とは舌の面である舌背に粘膜上皮の剥がれたもの、食べ物カスなどが付着して、
細菌が繁殖すると、白い苔状の付着物になります。
歯の表面に付着する細菌の集合体を「デンタルプラーク(歯垢または歯苔)」というように、
「舌苔」といいます。

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病的口臭は、さらに 口腔由来と全身由来に分類し、
口腔由来の病的口臭は、歯周病が原因のことがほとんどで、
口臭患者の約 1/3 が相当します 。
時々、唾液の分泌減少による口臭も見られます。

1.歯周病(歯ぐきからの出血)
初期においては痛みもなく自覚できません。ほっておくと静かに進行する病気です。
一見何でもないようでも、
歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。
病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、
口臭もひどくなってきます。

2.むし歯
むし歯は独特の臭いを持っています。
歯垢(しこう)が付着してくると歯を磨いてもなかなかきれいにとれません。
そのためにむし歯ができます。
食べかすやむし歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、
口臭の原因になります。
小さなむし歯で口臭が強くなることはありません。
しかしむし歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。
神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。

3.歯垢(しこう)(プラーク)
歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。
食べ物の残りかすを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、
長期間たつと歯石を作っていきます。
むし歯や歯周病の原因になります。

4.歯石
歯垢が作ったかたく固まった石灰分です。
歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。
また歯石が付くことにより歯周病を進行させます。

5.舌苔(ぜったい)
体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。
これは舌苔(ぜったい)と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌の固まりです。
これも口臭の原因になります。
舌をきれいにすると口臭も軽減します。

6.唾液の減少
唾液は口臭予防に大切なものです。
口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、
口の中の粘膜を保護する作用などがあります。
唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔にむし歯や歯槽膿漏になったり、
口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。

7.プラスチックの人口歯
義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着しますので、
毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。
一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。

8.不良な冠、かぶせた金属の腐食
歯にかぶせた金冠が古くなって穴が開いたり、
すき間ができたりすると汚れがたまり易くなります。
また歯にかぶせた金冠の金属材質が体質に合わない場合があります。
これらがあると口腔内が不潔になります。
痛みがないために悪くなっていても気がつきません。
意外と口臭の原因になっている場合が多いものです。

9.口腔ガン
口の中の癌(舌癌、頬粘膜(きょうねんまく)癌など)により
口臭が発生することがあります。

10. 鼻やのどの病気
鼻は口とつながっているため、
副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、
たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。

11.その他呼吸器系の病気、消化器系の病気
全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。
原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。

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全身由来の病的口臭では、
内科・耳鼻科などの病気や、内服薬が原因の口臭もありますが、
我が国では数パーセントと少ないようです。
一方、口臭が無いのに「口臭がある」と勘違いして、口臭治療を望む方がいます。
このような状態を仮性口臭症と呼びます。
仮性口臭症の患者さんは、
歯科医師・歯科衛生士の「口臭が無い」という説明を理解できます。
ところがまれに「口臭がある」と信じ続ける方もいます。
また真性口臭症があり、治療により口臭が消失したのに、
上記と同様「口臭がある」と思い続ける方もいます。
このような患者さんは、周囲の人々の何気ない動作、
例えば他人が「鼻のあたりを手で隠す」行動や、
「顔をそむける」などの光景を見ると
「自分の口が臭いため」と誤解してしまうようです。
このような場合、心理的な要因が大きいので
口臭恐怖症と診断し、他科を紹介することが多いようです。 


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2019年9月 5日

こんにちは。
タニダ歯科医院勤務医の法貴拓也です。
今年も残すところ4カ月になり、
今から段々と秋色に変わっていき食欲の秋になっていきますね。
食べた後はしっかり歯を磨いて虫歯と歯周病の予防に努めてください。
今回は成人だけでなく小児にも関係のある歯周炎に関する話です。
歯周組織病変に関連する遺伝関連疾患はDown症候群 Papillon-Lefevre症候群 Ehlers- Danlos症候群 Chediak-Higashi症候群 低ホスファターゼ症などがあります。
1、Down症候群は第21染色体のトリソミーに起因し、歯周組織の破壊が起こりやすく、
重度の歯周炎が乳歯列期でも永久歯列期でも発症します。
病態は広汎性の侵襲性歯周炎(早期 発症型歯周炎)に類似し、プラークの付着程度以上に組織破壊が進行していることが多いです。
Down症候群患者は歯周病への易感染性に加え、開咬、口唇閉鎖不全、歯列不正、小帯の高位付着など特有の局所因子が歯周炎の進行を加速していると考えられます。
治療には徹底的なプラークコントロールが必要です。 20190905houki1.jpg

2、Papillon-Lefevre症候群は常染色体劣性遺伝疾患で、
皮膚とりわけ掌蹠部の過角化病変と高度の歯周組織の破壊を特徴としています。
発症頻度は100万人に1人という稀な疾患です。
乳歯列期および永久歯列期において重篤な歯周炎が認められ、15歳までにほとんどの永久歯が脱落するといわれている。
歯周治療の成功例は少なく、結果的に抜歯および義歯 の装着に至るケースが多い。
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3、Ehlers-Danlos症候群は常染色体優性遺伝で、コラーゲンの合成異常を示す結合組織疾患です。症状として、皮膚の過伸展と脆弱、易出血性、関節の弛緩などが現れます。遺伝性 および臨床症状によって10種類の病型があり、タイプによって重篤な広汎性歯周炎が現れ、永久歯の早期喪失が起こります。全身的な治療が優先され、歯科治療を行うまでには至っていないのが現状です。
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4、Chediak-Higashi症候群は常染色体劣性遺伝疾患で、好中球遊走能と貪食能の低下をきたし、易感染性、皮膚の白斑、好中球減少症などが現れる。また、重篤な歯周炎と口腔内潰瘍を認めます。歯周基本治療とリコールの繰り返しで歯周組織の健康が9年間維持されたとの報告もあるので定期的なリコールが重要です。

5、低ホスファターゼ症は血清中のアルカリホスファターゼ値が低下し、骨や歯の形成不全を示す常染色体劣性遺伝疾患です。くる病様骨変化、頭蓋骨の石灰化不全、乳前歯の早期脱落などが若年期から認められます。青年期では限局型侵襲性歯周炎が認められます。早期の眼科医では歯周治療を行い、歯周組織の破壊を最小限に抑制する必要があります。
>
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これらの歯周炎に対する治療法は、従来のクリーニングに加えて、原因の除去が重要です。 成人では、テトラサイクリン系の全身投与や歯周ポケットへの局所的な効果が確認されていますが、8歳以下の小児に対してはテトラサイクリンの全身投与は永久歯への着色の副作用があるので禁忌となっています。
> 健常小児では歯周炎罹患率が低いが、このような疾患に関連して小児期に歯周炎に罹患す ることもあります。また、全身的な疾患であっても歯科領域から発見されることもあります。気になることがあれば相談してください。


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