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2019年9月12日

こんにちは。
歯科医師の今泉です。
まだ蒸し暑さが残る9月ですが、食欲の秋が到来しました!
美味しいものの中には口臭の原因になる物もたくさんあります。
今回は口臭について説明します。


口臭症の国際分類 
I.真性口臭症
 a.生理的口臭 器質的変化,原因疾患がないもの
 (ニンニク摂取など一過性のものは除く)
 b.病的口臭
   1.口腔由来の病的口臭
     口腔内の病気、機能低下などによる
   2.全身由来の病的口臭


II.仮性口臭症
 患者さんは口臭を訴えるが、
 社会的容認限度を超える口臭は認められず、
 検査結果などの説明により訴えの改善が期待できるもの

III.口臭恐怖症
 真性口臭症、仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないもの


口臭症には、大きく分けて3種類に分類されます。
実際に口臭を有する真性口臭症、
口臭の無い仮性口臭症、
そして口臭恐怖症があります。
真性口臭症は、さらに生理的口臭と病的口臭があり、
生理的口臭は原因の疾患がなく、 主に舌苔で産生される口臭です。
日本の口臭患者の約 1/3 がこれにあたると考えられます。 
舌苔とは舌の面である舌背に粘膜上皮の剥がれたもの、食べ物カスなどが付着して、
細菌が繁殖すると、白い苔状の付着物になります。
歯の表面に付着する細菌の集合体を「デンタルプラーク(歯垢または歯苔)」というように、
「舌苔」といいます。

20190913imaizumi.jpg


病的口臭は、さらに 口腔由来と全身由来に分類し、
口腔由来の病的口臭は、歯周病が原因のことがほとんどで、
口臭患者の約 1/3 が相当します 。
時々、唾液の分泌減少による口臭も見られます。

1.歯周病(歯ぐきからの出血)
初期においては痛みもなく自覚できません。ほっておくと静かに進行する病気です。
一見何でもないようでも、
歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。
病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、
口臭もひどくなってきます。

2.むし歯
むし歯は独特の臭いを持っています。
歯垢(しこう)が付着してくると歯を磨いてもなかなかきれいにとれません。
そのためにむし歯ができます。
食べかすやむし歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、
口臭の原因になります。
小さなむし歯で口臭が強くなることはありません。
しかしむし歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。
神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。

3.歯垢(しこう)(プラーク)
歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。
食べ物の残りかすを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、
長期間たつと歯石を作っていきます。
むし歯や歯周病の原因になります。

4.歯石
歯垢が作ったかたく固まった石灰分です。
歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。
また歯石が付くことにより歯周病を進行させます。

5.舌苔(ぜったい)
体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。
これは舌苔(ぜったい)と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌の固まりです。
これも口臭の原因になります。
舌をきれいにすると口臭も軽減します。

6.唾液の減少
唾液は口臭予防に大切なものです。
口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、
口の中の粘膜を保護する作用などがあります。
唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔にむし歯や歯槽膿漏になったり、
口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。

7.プラスチックの人口歯
義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着しますので、
毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。
一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。

8.不良な冠、かぶせた金属の腐食
歯にかぶせた金冠が古くなって穴が開いたり、
すき間ができたりすると汚れがたまり易くなります。
また歯にかぶせた金冠の金属材質が体質に合わない場合があります。
これらがあると口腔内が不潔になります。
痛みがないために悪くなっていても気がつきません。
意外と口臭の原因になっている場合が多いものです。

9.口腔ガン
口の中の癌(舌癌、頬粘膜(きょうねんまく)癌など)により
口臭が発生することがあります。

10. 鼻やのどの病気
鼻は口とつながっているため、
副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、
たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。

11.その他呼吸器系の病気、消化器系の病気
全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。
原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。

20190913imaizumi2.jpg

全身由来の病的口臭では、
内科・耳鼻科などの病気や、内服薬が原因の口臭もありますが、
我が国では数パーセントと少ないようです。
一方、口臭が無いのに「口臭がある」と勘違いして、口臭治療を望む方がいます。
このような状態を仮性口臭症と呼びます。
仮性口臭症の患者さんは、
歯科医師・歯科衛生士の「口臭が無い」という説明を理解できます。
ところがまれに「口臭がある」と信じ続ける方もいます。
また真性口臭症があり、治療により口臭が消失したのに、
上記と同様「口臭がある」と思い続ける方もいます。
このような患者さんは、周囲の人々の何気ない動作、
例えば他人が「鼻のあたりを手で隠す」行動や、
「顔をそむける」などの光景を見ると
「自分の口が臭いため」と誤解してしまうようです。
このような場合、心理的な要因が大きいので
口臭恐怖症と診断し、他科を紹介することが多いようです。 

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