«  2019年11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

« 口腔がんについて | メイン | 訪問診療の流れについて »

2019年10月31日

こんにちは、豊原です。一年で一番過ごしやすい季節になりましたね。運動会や遠足と秋の行事も盛り沢山ですね。

さて、今回は糖尿病と歯科との関わりについて書きます。
最近、歯周病と糖尿病は密接に関連していると言われており、歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
これらの疾患は共に日本人の代表的な生活習慣病となっており、食生活や喫煙の有無で予後が左右されます。ここでの「歯周病の治療」とは、患者さん自身のブラッシングによるプラークコントロールをしっかり行い、歯科医院で炎症の原因となっている歯石を確実に取り除く(スケーリング)ことです。
歯周炎は、歯肉の境目のポケット(歯周ポケット)に入り込んで繁殖した嫌気性細菌(歯周病関連細菌)感染による慢性の炎症性疾患です。
その発症や進行には、遺伝的因子や環境的因子など加えて、からだの抵抗性が大きく関与しています。
糖尿病により、からだを守るマクロファージの機能低下・結合組織コラーゲン代謝異常・血管壁の変化や脆弱化(細小血管障害)・創傷治癒の遅延などが起こり、歯周病の発症・進行に影響を与えます。
その結果、糖尿病があると歯周病関連細菌により感染しやすくなり、炎症により歯周組織が急激に破壊され、歯周炎が重症化していきます。
歯周病関連細菌から出される内毒素が歯肉から血管内に入り込み、マクロファージからの腫瘍壊死因子α(TNF-α: tumor necrosis factor-α)の産生を促進します。
その結果TNF-αの亢進が血糖値を下げる働きをもつホルモンであるインスリンをつくりにくくする(インスリン抵抗性)ことがわかっています。
歯周ポケットから出て血流にのった炎症関連物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくしてしまいます。
そのため、血糖値が上昇し、糖尿病が発症・進行しやすくなります(インスリン抵抗性)。インスリン抵抗性に対して、からだはなんとかしようして、より多くのインスリンを産生しようとします(高インスリン血症)。しかし高インスリン血症が長く続くと、インスリン産生細胞である膵β細胞が疲労困憊し、末期の糖尿病となります。同時に歯周炎も進行していくという悪循環に陥ります。「歯周病の治療」をすることで歯肉の炎症をコントロールできればTNF-α産生量が低下するためインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、多くの臨床研究で報告されています。ただ、どんなに「歯周病の治療」を頑張っていても、喫煙していると、なかなかその成果が得られません。喫煙は毛細血管を痛め、糖尿病によりもろくなってしまった血管をより悪くさせてしまうからです。なので、勇気を持って禁煙することをお勧めします。
20191031toyohara2.png

今日はハロウィンですね。最近はUSJの影響かすっかり 馴染みのあるイベントになってきましたが、元々はキリスト教とも関係がなく、ケルト人の慣しだったそうです。一年の最後の日に死者が帰ってくるのが起源だとか。まるで日本のお盆のような習慣ですよね。所変われど、時代変われど、人種変われど、昔の方たちの先祖に対する想いは同じなんだなぁと少ししみじみしました。今宵、楽しくお過ごし下さい。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.tanidashika.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/4445

Categories

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。
タニダ歯科医院

医療法人社団
タニダ歯科医院

当院の勤務医が書いているブログです。笑顔になれる内容がいっぱいで、当院をもっと身近に感じることができます

院長ブログ

新スタッフブログ