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2019年11月28日

こんにちは。歯科医師の村重です。
ここ数日は真冬並みの寒さに見舞われ、
急いで冬用のコートを引っ張りだしてきたりと
季節の移り変わりの早さを実感しています。

そんな中先日、遅めの紅葉を見に行ってきました。
連休のせいもあってかなりの人でしたが、
天気にも恵まれて良い気分転換になりました。
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前回のブログでは
皆さんが普段聞きなれない「摂食・嚥下」という概念について
紹介させていただきました。
今回はその続きとして、
原因やそれにより引き起こされる誤嚥といった内容を掘り下げていこうと思います。

さて、摂食・嚥下に障害が起こることで
安全に口から食事を行うことが困難になり、
前回紹介したような症状がサインとしてあらわれてきますが、
それらはどういった要因で起こるのでしょうか。
食べ物が口腔内から咽頭、食道、胃へと運ばれるまでには
多くの器官が関わっていますが、
摂食・嚥下障害は
これらの器官が何らかの理由で上手く働かないことが原因で起こります。
それらを大きく分けると以下の2つに分類できます。

●器質的原因
嚥下に関わる口腔内から胃までの気管に食べ物の通過を妨げる構造上の問題があり、
うまく嚥下ができなくなるケースです。
中でも多いのは、口内炎や喉頭がんによる腫瘍、炎症などです。
唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)などの先天的な奇形が原因となることもあります。

●機能的原因
器官の構造そのものには問題がなく、
それらを動かす筋肉や神経に問題があって嚥下機能が衰えるケースです。
運動麻痺や認知機能障害を引き起こす「脳血管疾患(=脳卒中)」、
または「パーキンソン病」に代表される神経と筋肉の伝達異常が生じる
「神経筋疾患」が原因の可能性があります。


以上の2つに加えて高齢者においては、
加齢に伴い、摂食・嚥下面の様々な機能低下を生じてきます。
例えば、歯の数が減少すると食塊形成には不利となります。
嚥下反射(飲み込みの反射)はゆっくり始まるようになります。
咳の反射が低下して、あまりむせなくなります。
小さな脳梗塞は加齢とともに増加し、嚥下機能に影響を及ぼします。
また、薬剤の影響としては、
抗コリン薬や抗ヒスタミン薬の服用により、唾液分泌は抑制されます。
抗てんかん薬や抗精神薬は嚥下反射を抑制します。

このように様々な原因によって摂食・嚥下に障害があらわれた際に、
一番の問題となるのは「誤嚥」です。
誤嚥とは食道に送り込まれるべき食塊や水分が
何らかの原因で声門を越えて気管や肺に入ってしまった状態を意味します。
誤嚥をした場合、通常は激しくむせて誤嚥物を喀出しようとする防御機構が働きます。
これを顕性誤嚥といいます。
しかし、気管の感覚低下などにより、
誤嚥してもむせや咳嗽などの反応がない場合もあります。
これを、不顕性誤嚥といいます。
不顕性誤嚥では外見上、誤嚥しているか否かが判断できないため、
誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
現在、誤嚥性肺炎は大変問題になっており、
最新の統計では日本人の死因第7位となっています(2017年の統計より肺炎から独立)。

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では、次回は摂食・嚥下障害に対する診査、診断方法について
お伝えしようと思います。

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