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2020年1月30日

こんにちは。
歯科医師の今泉です。
コロナウイルスによる新型肺炎が世界的に流行の兆しを見せていますね。
予防策としては咳エチケット•手洗い・マスクなどを行う事がとても大事のようです。
今回は歯科とも関係の深い肺炎について説明したいと思います。
 


それは誤嚥性肺炎です。

物を飲み込む働きを嚥下機能、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを、
誤嚥と言います。誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、
あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。

症状

高齢者では肺炎としての症状、すなわち発熱、咳、痰といった、
肺炎の典型的な症状に乏しく、何となく元気がない、食欲がない、傾眠などといった
症状で発症することが多いのが特徴です。食事摂取との関係や、
むせこみなどの症状がなく、睡眠中など知らないうちに気管や肺へ唾液が垂れこみ、
いつの間にか誤嚥を繰り返している不顕性誤嚥も、高齢者に特徴的です。

20200130 imaizumi 1.jpg

発症のメカニズム

高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者では、
口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、
この場合、口腔内で肺炎の原因となる細菌がより多く増殖してしまいます。
また、高齢者や寝たきり患者では咳反射が弱くなり嚥下機能が低下します。
その結果、口腔内の細菌が気管から肺へと吸引され、肺炎を発症します。
また、栄養状態が不良であることや免疫機能の低下なども発症に関与してきます。
他方、嘔吐などで食物と胃液を一度に多く誤嚥して発症する場合もあります。


治療
肺炎を起こした細菌に対して有効な抗菌薬による治療を行います。
全身状態、呼吸状態が不良な場合は入院による治療を行います。
一般的に、食事や飲水とともに誤嚥が発生しやすいため、
誤嚥性肺炎と診断された場合には、一旦飲食を禁止して治療を行います。
そのため体力や栄養状態の低下が生じやすくなります。
また再発を繰り返しやすく、繰り返す抗菌薬治療により、
抗菌薬に抵抗性の耐性菌が発生し、体力の低下、呼吸状態が悪化して、
予後不良となる場合も少なくありません。


肺炎の重症度判定
レントゲンや身体所見による重症度判定で以下の5項目のうち3項目以上を
満たした場合、肺炎は重症と判定されます。

1. レントゲンで肺炎の広がりが左右どちらかの肺の2/3以上
2. 体温が38.6℃以上
3. 脈拍数が1分間に130回以上
4. 呼吸数が1分間に30回以上
5. 脱水あり

 検査による重症度判定で以下の5項目のうち3項目以上を満たした時、
肺炎は重症と判定されます。
1. 白血球数が20000以上
2. 白血球数が4000未満
3. CRPが20mg/dl以上
4. PaO2(動脈血の中の酸素の量)が60Torr以下
5. SpO2(血中酸素飽和度)が90%以下
 これらの重症度判定で重症と判断された場合、
他の基礎疾患がある場合(肺癌・慢性の肺疾患・糖尿病など)、
酸素投与が必要な場合、食事が摂れないとき、高齢者で通院が難しい場合は、
入院して治療が行われます。
 
誤嚥性肺炎を起こしやすい高齢者の特徴
 
 ・飲み込みが悪くっている
 ・胃液が逆流しやすい
 ・薬の副作用 
 ・認知機能や咳反射の低下
 ・口腔内が不衛生
  などがあげられます。

口腔ケアの重要性
  
  肺炎の成立因子である口腔内の細菌のコントロールという意味では口腔ケアは、
誤嚥性肺炎の予防に最も重要と思われます。
口腔細菌数、特に咽頭細菌数を減少させることが必要とされています。
口腔細菌数を減少させるには、プラークコントロールが重要となります。
歯がある方やや義歯装着者の場合には、歯および義歯の清掃にも十分な配慮が必要です。
デンタルプラークは典型的なバイオフィルム(菌のバリア)であるため、
個人的に行うブラッシングのみでは完全に除去することが不可能です。
ましてや、要介護者においては専門家による口腔ケアが必要となります。
バイオフィルムは機械的な方法いわゆるPMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)を用いない限り、化学的な方法のみでの除去は不可能です。
この場合には、歯科医、歯科衛生士の果たすべき役割は大きいと言えます。

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タニダ歯科医院では訪問診療でも口腔ケアを行っており、お悩みや分からない点などありましたらお尋ねください。


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2020年1月23日

新年明けましておめでとうございます。歯科医師の法貴拓也です。
早くも1月が過ぎようとしていますが本年もタニダ歯科医院をどうぞ
よろしくお願いします。

今回は悪性黒色腫についてです。
悪性黒色腫は、メラニン産生能を有するメラノサイトに由来する腫瘍で、
皮膚の代表的悪性腫瘍であるが、頻度は少ないものの、粘膜、脳、脊髄、眼、消化器
などにも発生します。早期にリンパ行性あるいは血行性に全身転移をきたすので、
予後はきわめて不良であります。
 日本における悪性黒色腫の発生頻度は人口10万人あたり年2、白人は15、
黒人は0.5であり、人種的な頻度差がみられます。
口腔粘膜に初発する悪性黒色腫の発生頻度では、逆に白人で
全悪性黒色腫の1~2%であるのに対し、日本では7.5~10.8%と高いです。
 40歳以上の中年期以降に多く、性差はあまりありません。
悪性黒色腫の大部分は皮膚に発生するが、口腔領域では硬口蓋と上顎歯肉に多く、
口腔悪性黒色腫の過半数を占めます。その他に下顎歯肉、口唇、頬粘膜にも生じるが、舌、口腔底には稀です。
 初発症状として黒色を帯びた腫瘤形成がもっとも多く、約1/3はその表面に潰瘍形成や出血を伴います。骨吸収もよくみられます。
また、腫瘤周囲に黒褐色の色素苔とよばれる前駆病変、それらをさらに淡褐色の色素斑が取り囲んでいたり、多中心性に発生することもあります。

20200123 houki 1.jpg

 全悪性黒色腫の約2%とわずかではあるが、メラニン産生が認められず、
黒色を呈さない無色素性悪性黒色腫もみられます。
一般的には、黒色腫瘤を形成し比較的診断しやすいです。
 病理組織学的所見としてはメラニンを含む紡錘形あるいは類上皮型の腫瘍細胞の、
胞巣状増殖がみられます。色素形成のない、あるいは乏しい無色素性悪性黒色腫の場合、HE染色のみでは診断が困難なことがあり、Fontana-Masson染色、S-100タンパク、
NSEおよび抗メラノーマ抗体であるHMB-45、Melan-A、抗チロシナーゼ抗体を用いた
免疫組織染色、あるいは電子顕微鏡的にメラニン前小体の存在確認などが参考となります。
 治療は外科的切除が主体となるが、化学療法や免疫療法、放射線治療が併用されます。口腔領域の悪性黒色腫では、解剖学的特徴から皮膚のものと同じ基準で三次元的切除を行うことは困難なことが多いです。
硬口蓋や上顎歯肉に原発巣がある場合、鼻腔底、上顎洞底を含めて、口蓋板、上顎骨を可及的広範囲に切除します。
 悪性黒色腫は初期よりリンパ行性あるいは血行性に転移をきたすので、臨床的に頸部転移のある場合には頸部郭清を行います。
また、遠隔転移も20%以上の頻度で起こり、多くは治療開始後2年以内に肺、骨、皮膚、肝臓などに転移し、予後はきわめて不良です。
 悪性黒色腫に対する化学療法としては、DTIC、ACNU、VCR 3剤併用によるDAV療法が一般的に行われています。
さらにOK-432、インターフェロンβなどの免疫療法を併用することにより30~40%の効果が得られています。

お口の中で気になることがあれば是非タニダ歯科医院にご相談ください。


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2020年1月16日

こんにちは。訪問担当歯科医師の岩本です。
唐突で申し訳ありませんが、皆さんの「人生の楽しみ」は何でしょうか。
元気に動けるうちは多種多様の「楽しみ」がありますが、
病気やら何やらであまり動けなくなると、
「食べる楽しみ」の占めるウェイトが大きくなってきますね。
今回はその楽しみと、誤嚥窒息のリスク軽減を
うまく両立させるためにいろいろと考えられている、
嚥下調整食について書きたいと思います。

何らかの原因によって、
食べ物をうまく食道に送り込むことが出来なくなった状態を、
「嚥下障害」と言います。

例えば脳卒中などの後遺症による場合、
一部の神経が麻痺することによって正常な嚥下が出来なくなります。
また、加齢や体力の衰えによって、少しずつ嚥下機能が低下することがあります。
大きな病気のたびに段階的に低下することもあります。

嚥下障害が起きてしまうと、
通常の食事を安心して楽しむことが難しくなります。
そこで、その方の摂食嚥下機能に応じた、食べやすい、
飲み込みやすい食事が必要となります。

これと反対に、食べにくい、飲み込みにくい食べ物とはどういうものかといいますと、
※硬いもの
※口の中でばらけるもの(凝集性が低い)⇒とろみのついてないきざみ食など
※飲み込むとき喉に貼りつくもの(付着性が高い)⇒餅など
※勝手に喉に落ち込んでしまうもの(粘度が低い)⇒水やお茶など
等が挙げられ、症例に応じてこれらに対する得意不得意が変わってきます。

上記の因子を考慮して食べやすいように作られているのが、
「嚥下調整食」と呼ばれているものです。
さまざまな症状の方に対応するために、
段階的に食べ物の形態を変えた分類が考案され、
「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類2013」
として発表されました。

20200116 iwamoto 1.png


上図のピラミッドの頂点にある、
コード0t、コード0jは、最も症状が重い方に対して、
嚥下評価や訓練を行うためのものです。
もし誤嚥して気道に入っても悪影響が少ないよう、
たんぱく質含有量が少ないものです。
jはゼリーのj、tはトロミのtです。
重症のなかでも、ゼリー状のものなら嚥下しやすい方、
トロミ状のほうが嚥下しやすい方の両パターンがありますので、
2種類の分類があります。

コード1jは、ゼリー、プリン、ムース等、
スプーンですくった時にひと塊になっており、
少しずつなら丸のみができるものを指します。
コード0jと異なり、たんぱく質含有量の有無は問わないものです。

コード2は、スプーンですくって口に入れた後、口腔内の簡単な操作により、
飲み込みやすいサイズにまとめられる(食塊形成できる)ものです。
喉に送り込む際には多少意識的に、舌を上顎に押し付ける必要があります。
一般にミキサー食、ピューレ食、ペースト食と呼ばれているものです。
このうち、なめらかで均質のものを2-1、
やわらかい粒などを含む不均質なものを2-2とします。

コード3は、形はあるが歯が無くても押しつぶすことができ、
容易に食塊形成できるものを指します。
やわらか食、ソフト食と呼ばれていることが多いです。
歯があり、咀嚼機能は有していても、舌その他の機能が障害されているために
このレベルの調整食が必要な場合があります。

コード4は、咀嚼、嚥下機能の軽度低下症例を想定し、
素材と調理方法を選択した嚥下調整食です。
かたすぎず、口の中でばらけたり喉に貼りついたりしにくいもので、
箸やスプーンで切れる柔らかさを持つものです。
舌と上顎だけではつぶすのが難しくなるため、歯、義歯、
または歯肉の部分での押しつぶし能力が必要とされます。


昔は、医療現場においても、嚥下障害のある方は
「噛まずに飲み込めて栄養が取れればそれでよし」と
元の材料が何なのかもわからないようなミキサー食を
食べるしかありませんでした。
ですが、味だけでなく見た目、香り、食感も良い「おいしい」食事は
そうではない食事よりもうまく嚥下出来るそうです。
難しすぎず、簡単すぎない、
その方にちょうど合った嚥下食を選ぶことは大変重要です。


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2020年1月 9日


新年明けましておめでとうございます、歯科医師の豊原です。
本年もタニダ歯科をどうぞよろしくお願い致します。

今回は口腔内出血について書きたいと思います。
口腔内出血というと、歯肉出血が一番先に思い浮かぶでしょうか?
確かに一番身近で多い症状かと思います。
通常、歯肉出血は歯肉炎だったり、歯周炎だったりが原因で辺縁歯肉に炎症があるために少しの刺激で歯肉から出血する状態を指します。
しかし、これらがコントロールできているにもかかわらず、自然に歯肉出血する状態であれば、全身疾患を疑う必要があります。

20200109 toyohara.jpeg

①血管因子の異常ならば、アレルギー性紫斑病や遺伝性出血性毛細血管拡張症が挙げられます。アレルギー性紫斑病は上気道感染や食べ物が原因と言われています。これらは血管壁の障害や血管の透過性、脆弱性の増強などによって出血傾向が起こります。
②血小板系要因の異常ならば、再生不良性貧血、白血病、突発性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群が挙げられます。
これらは血小板の産生低下や血小板の破壊亢進により出血を来します。
突発性血小板減少性紫斑病は急性型は小児に多くみられ、急激に発症し、しばしばウイルス感染が先行します。
慢性型は成人女性に多く、自己免疫疾患の様相を示します。
播種性血管内凝固症候群はなんらかの原因で血管内血液凝固が極端に亢進し、細小血管内に血栓が多発し、止血に必要な血小板や凝固因子が消費されてしまい、一方では形成された血栓を溶解すべく線溶系の亢進をも発現するため、凝固異常、出血傾向を示す多様で複雑な病態となります。
悪性腫瘍や白血病などの造血器悪性腫瘍、重症感染症などの基礎疾患をもとに発症します。
また血小板の機能異常によるならば、血小板無力症や薬剤による血小板機能異常が挙げられます。
薬剤では例えば、解熱・鎮痛薬や抗生物質で発生したとの報告があります。
次に③凝固・線溶系要因によるものでは、血友病や無フィブリノゲン血症、肝硬変、肝癌、ビタミンK不足、ネフローゼ症候群、抗凝固薬の摂取などが挙げられます。
血友病にはAとBがあり、血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子の欠乏ないし異常により生じる伴性劣性遺伝疾患です。
血友病Bは血液凝固第Ⅸ因子の欠乏ないし異常に基づく伴性劣性遺伝疾患です。
ここに挙げた以外にもまだまだ沢山の疾患や要因などが歯肉出血を起こします。
一部の歯肉からの出血ならあまり心配ありませんが、全顎的に歯肉出血を生じるようなら、命にかかわる重大な疾患が隠れている事もありますので、迷わず、歯科および内科を受診してください。
なお、抗凝固薬摂取している方が歯科処置を受ける場合、観血的処置をする場合はかかりつけ医に問い合わせする事もあります。
抗凝固薬を内服していることを申告せずに歯科処置を受けた場合、処置後、出血が止まらないなんて状況に陥ることもありますので、必ず、お薬手帳を携帯し、受診時は提示をお願い致します。
ただ、近年では抗凝固薬は中止せずに抜歯する場合が多くなってきています。自己判断で抗凝固薬を勝手に中止するのだけは絶対にしないでください。


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