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2020年1月16日

こんにちは。訪問担当歯科医師の岩本です。
唐突で申し訳ありませんが、皆さんの「人生の楽しみ」は何でしょうか。
元気に動けるうちは多種多様の「楽しみ」がありますが、
病気やら何やらであまり動けなくなると、
「食べる楽しみ」の占めるウェイトが大きくなってきますね。
今回はその楽しみと、誤嚥窒息のリスク軽減を
うまく両立させるためにいろいろと考えられている、
嚥下調整食について書きたいと思います。

何らかの原因によって、
食べ物をうまく食道に送り込むことが出来なくなった状態を、
「嚥下障害」と言います。

例えば脳卒中などの後遺症による場合、
一部の神経が麻痺することによって正常な嚥下が出来なくなります。
また、加齢や体力の衰えによって、少しずつ嚥下機能が低下することがあります。
大きな病気のたびに段階的に低下することもあります。

嚥下障害が起きてしまうと、
通常の食事を安心して楽しむことが難しくなります。
そこで、その方の摂食嚥下機能に応じた、食べやすい、
飲み込みやすい食事が必要となります。

これと反対に、食べにくい、飲み込みにくい食べ物とはどういうものかといいますと、
※硬いもの
※口の中でばらけるもの(凝集性が低い)⇒とろみのついてないきざみ食など
※飲み込むとき喉に貼りつくもの(付着性が高い)⇒餅など
※勝手に喉に落ち込んでしまうもの(粘度が低い)⇒水やお茶など
等が挙げられ、症例に応じてこれらに対する得意不得意が変わってきます。

上記の因子を考慮して食べやすいように作られているのが、
「嚥下調整食」と呼ばれているものです。
さまざまな症状の方に対応するために、
段階的に食べ物の形態を変えた分類が考案され、
「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類2013」
として発表されました。

20200116 iwamoto 1.png


上図のピラミッドの頂点にある、
コード0t、コード0jは、最も症状が重い方に対して、
嚥下評価や訓練を行うためのものです。
もし誤嚥して気道に入っても悪影響が少ないよう、
たんぱく質含有量が少ないものです。
jはゼリーのj、tはトロミのtです。
重症のなかでも、ゼリー状のものなら嚥下しやすい方、
トロミ状のほうが嚥下しやすい方の両パターンがありますので、
2種類の分類があります。

コード1jは、ゼリー、プリン、ムース等、
スプーンですくった時にひと塊になっており、
少しずつなら丸のみができるものを指します。
コード0jと異なり、たんぱく質含有量の有無は問わないものです。

コード2は、スプーンですくって口に入れた後、口腔内の簡単な操作により、
飲み込みやすいサイズにまとめられる(食塊形成できる)ものです。
喉に送り込む際には多少意識的に、舌を上顎に押し付ける必要があります。
一般にミキサー食、ピューレ食、ペースト食と呼ばれているものです。
このうち、なめらかで均質のものを2-1、
やわらかい粒などを含む不均質なものを2-2とします。

コード3は、形はあるが歯が無くても押しつぶすことができ、
容易に食塊形成できるものを指します。
やわらか食、ソフト食と呼ばれていることが多いです。
歯があり、咀嚼機能は有していても、舌その他の機能が障害されているために
このレベルの調整食が必要な場合があります。

コード4は、咀嚼、嚥下機能の軽度低下症例を想定し、
素材と調理方法を選択した嚥下調整食です。
かたすぎず、口の中でばらけたり喉に貼りついたりしにくいもので、
箸やスプーンで切れる柔らかさを持つものです。
舌と上顎だけではつぶすのが難しくなるため、歯、義歯、
または歯肉の部分での押しつぶし能力が必要とされます。


昔は、医療現場においても、嚥下障害のある方は
「噛まずに飲み込めて栄養が取れればそれでよし」と
元の材料が何なのかもわからないようなミキサー食を
食べるしかありませんでした。
ですが、味だけでなく見た目、香り、食感も良い「おいしい」食事は
そうではない食事よりもうまく嚥下出来るそうです。
難しすぎず、簡単すぎない、
その方にちょうど合った嚥下食を選ぶことは大変重要です。


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