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2020年1月 9日


新年明けましておめでとうございます、歯科医師の豊原です。
本年もタニダ歯科をどうぞよろしくお願い致します。

今回は口腔内出血について書きたいと思います。
口腔内出血というと、歯肉出血が一番先に思い浮かぶでしょうか?
確かに一番身近で多い症状かと思います。
通常、歯肉出血は歯肉炎だったり、歯周炎だったりが原因で辺縁歯肉に炎症があるために少しの刺激で歯肉から出血する状態を指します。
しかし、これらがコントロールできているにもかかわらず、自然に歯肉出血する状態であれば、全身疾患を疑う必要があります。

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①血管因子の異常ならば、アレルギー性紫斑病や遺伝性出血性毛細血管拡張症が挙げられます。アレルギー性紫斑病は上気道感染や食べ物が原因と言われています。これらは血管壁の障害や血管の透過性、脆弱性の増強などによって出血傾向が起こります。
②血小板系要因の異常ならば、再生不良性貧血、白血病、突発性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群が挙げられます。
これらは血小板の産生低下や血小板の破壊亢進により出血を来します。
突発性血小板減少性紫斑病は急性型は小児に多くみられ、急激に発症し、しばしばウイルス感染が先行します。
慢性型は成人女性に多く、自己免疫疾患の様相を示します。
播種性血管内凝固症候群はなんらかの原因で血管内血液凝固が極端に亢進し、細小血管内に血栓が多発し、止血に必要な血小板や凝固因子が消費されてしまい、一方では形成された血栓を溶解すべく線溶系の亢進をも発現するため、凝固異常、出血傾向を示す多様で複雑な病態となります。
悪性腫瘍や白血病などの造血器悪性腫瘍、重症感染症などの基礎疾患をもとに発症します。
また血小板の機能異常によるならば、血小板無力症や薬剤による血小板機能異常が挙げられます。
薬剤では例えば、解熱・鎮痛薬や抗生物質で発生したとの報告があります。
次に③凝固・線溶系要因によるものでは、血友病や無フィブリノゲン血症、肝硬変、肝癌、ビタミンK不足、ネフローゼ症候群、抗凝固薬の摂取などが挙げられます。
血友病にはAとBがあり、血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子の欠乏ないし異常により生じる伴性劣性遺伝疾患です。
血友病Bは血液凝固第Ⅸ因子の欠乏ないし異常に基づく伴性劣性遺伝疾患です。
ここに挙げた以外にもまだまだ沢山の疾患や要因などが歯肉出血を起こします。
一部の歯肉からの出血ならあまり心配ありませんが、全顎的に歯肉出血を生じるようなら、命にかかわる重大な疾患が隠れている事もありますので、迷わず、歯科および内科を受診してください。
なお、抗凝固薬摂取している方が歯科処置を受ける場合、観血的処置をする場合はかかりつけ医に問い合わせする事もあります。
抗凝固薬を内服していることを申告せずに歯科処置を受けた場合、処置後、出血が止まらないなんて状況に陥ることもありますので、必ず、お薬手帳を携帯し、受診時は提示をお願い致します。
ただ、近年では抗凝固薬は中止せずに抜歯する場合が多くなってきています。自己判断で抗凝固薬を勝手に中止するのだけは絶対にしないでください。

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