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2020年2月27日

こんにちは、歯科医師の池田です。

前回は「虫歯」について記載させていただいたので、
今回は「代用甘味料」について記載していこうと思います。

「代用甘味料」という言葉はあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、
実はみなさん知らないうちに食べていたり知っている物になります。
「代用甘味料」とは、砂糖(スクロース)の替わりに用いる甘味料の総称です。
糖尿病でも安心して食べられる高血糖を生じない甘味料、肥満対策に用いる低カロリーのダイエット用甘味料、そして虫歯の原因にならない甘味料などがあります。

「キシリトール」はみなさん知っているし、ガムやラムネや飴を食べたことがあると思います。
この「キシリトール」が「代用甘味料」の1種になります。

キシリトール=虫歯予防というイメージがあると思いますが、
その理由を今回は説明していこうと思います。


歯の表面に付いている歯垢(プラーク)は、膨大な細菌のかたまりです。
これらの細菌の多くは、私たちが口にした糖質の一部を分解して酸を産生し、
歯の表面を酸性にします。
細菌が糖質を分解し酸を産生することで、歯を溶かし虫歯になります。
キシリトールは細菌により分解されないため、酸が発生しないので、虫歯の原因にはなりません。

代用甘味料の中にはいろいろな種類がありますが、酸を産生しないのはキシリトールのみになります。
また、キシリトールは砂糖と同じ甘味度を持っています。
キシリトールは溶けるときに熱を奪うので、口の中に含むとスーッとした冷たい感覚があります。そのため、ミントの味によく合うことから、キシリトールを使ったお菓子には、ミント味が多く見られます。
その特徴のために、残念ながら全てのお菓子に使うことができません。

キシリトールが虫歯を防ぐ理由は、大きく二つに分けることができます。
一つは、キシリトールだけではないですが、唾液分泌の促進と再石灰化作用です。
唾液分泌促進と再石灰化では、甘みがあるため、口腔内に入れると味覚を刺激し、唾液分泌を促進します。
また、ガムとして噛んだ場合には、咀嚼により唾液分泌も促進されます。
ただし、唾液分泌が促進されても、唾液そのものには虫歯の原因菌の数を減少させる効果はありません。
またキシリトールにより歯垢中のカルシウムレベルが上がるので、歯の再石灰化に役立ちます。
さらに、キシリトールとカルシウムの複合体は歯の硬組織中に進入して再石灰化を促進し、歯を硬くします。
もう一つはキシリトールだけが持つ酸を作らないことと、歯垢中の酸の中和促進、虫歯の原因菌の代謝の阻害です。
他の代用甘味料のソルビトールやマルチトールなどは少ない量ではありますが、口腔常在菌によって酸を作ります。
しかし、キシリトールは口腔常在菌が利用できないため、全く酸を作りません。
また、キシリトールには歯垢中に存在するショ糖を分解する酵素(シュクラーゼ)の活性を低下させ、歯垢中で酸ができにくくする作用に加え、アンモニア濃度を上げて酸の中和を促進する働きがあります。

キシリトールの効果が期待できるお菓子は、ガムかタブレットに限られます。
これ以外のお菓子や食品、例えば、ケーキやジュース類にキシリトールが含まれていても、虫歯予防の効果は期待できません。
なぜなら、ガムやタブレット以外でキシリトールが口の中に長くとどまるものがないからです。
また、これらのお菓子には、キシリトールができるだけ高濃度(50%以上)で含まれていることと、砂糖などの発酵性の甘味料が含まれていないことが必要です。
ですから、「シュガーレス」表示を確かめるか、パッケージの成分表示をよく見て、糖類が0gであることと、糖質中におけるキシリトールの割合が50%をこえていることを確認してください。

「歯に信頼マーク」といって虫歯の心配のない食品につくマークもあります。
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間食をしないというのは難しいので、キシリトールなどを利用して虫歯にならないように対策をしていきましょう。

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