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2020年3月26日

こんにちは。訪問担当歯科医師の岩本です。
今回は、誤嚥を防ぎ、安全に食事をとるための
「姿勢」についてお伝えしたいと思います。
20200326 iwamoto 1.png
皆さんは、傾いた妙な姿勢で食事をしていて、
のどに詰まってむせたことはないでしょうか。
上手く飲み込むため、正しい姿勢をとることは
案外、重要です。

健康な方の場合は筋力があるため、
少々変な姿勢でも食べることは可能ですが、
疾病や加齢により筋力や反射が衰えている方は、
正しい姿勢で食事しないと
誤嚥しやすくなります。

では飲み込みやすい姿勢とは?
以下の3つの条件が大事なポイントとなってきます。
20200326 iwamoto 2.jpg
1.うなずき頭位
   試しに、座った状態で上を向いて
   唾液を飲み込んでみてください。
   まっすぐ前を向いている時より
   飲み込みにくいかと思います。
   
   これは、上を向くと喉の前面の筋肉が伸ばされ、
   飲み込みの時に収縮すべき筋肉が
   収縮しづらくなるためです。
   また、この角度で嚥下すると
   咽頭から気管への角度が直線的になり、
   食道ではなく気管へ落ち込みやすくなる、
   つまり誤嚥を招きやすくなります。
   
   この状態を頚部過伸展位と表現しますが、
   背中を丸めて座り、
   首を前に突き出している姿勢  
   もこれに当たります。
   
   誤嚥を防ぐには、頚部前屈位といって、
   少しだけ顎をひく姿勢
  (あまりうつむき過ぎても良くありませんが)
   をとることが望ましいです。
   
2.体幹保持
   安定して嚥下するには、
   体幹がしっかりささえられていて、
   体に無理な力がかからないように
   する必要があります。

   筋力が低下してしっかり座れない場合は、
   体幹がなるべくまっすぐに保たれるように、
   クッション等で補正してあげることが重要です。
   
3.足底接地
   うなずき頭位で食事をとるには、
   体重の10%程もある重い頭部を
   体幹で支える必要があります。
   そのためには、食事の間中、
   足の裏で踏ん張って
   バランスをとらなければなりません。
   また、喉を動かして飲み込む力を出すためにも
   踏ん張りは必要です。
   ですから、足の裏がしっかり地面についている
   必要があります。

   そして、足裏の位置は、
   膝よりも手前にあることが重要です。
   
   足裏が膝よりも前方に位置していると、
   体幹のバランスをとるために
   だんだん腰が前方に流れていき
   背中が丸くなります。
   
   そして、首を突き出す格好になるため、
   うなずき頭位が取れなくなってしまいます。
   また、背中が丸くなることで、腹圧が上昇し、
   胃食道逆流の可能性も生じます。

   簡易型の車椅子では、
   足底を乗せるフットレストは
   膝よりも前方にあるため、
   体重をしっかりかけて踏ん張ることができず、
   上記のような姿勢の崩れを招きます。
   
   車椅子で食事をとる際は、
   フットレストではなく、
   脚の長さに合わせた踏み台
   を用いることが望ましいです。
 
   ベッド上の場合も同様に、
   3つの条件を満たすようにして、
   どこにも無理な力が入らないよう、
   嚥下に集中できるような姿勢を作ります。

ご高齢の方の中には
麻痺があったり関節が固まっている方も多く、
上記のような姿勢をとるのが非常に難しそうに
思える時もあります。
訪問診療先で、介護職員さんが
てきぱきとあちこちにクッションを挟んで
あっという間にポジショニング完成
するのを見ると、
見事なプロの技だなあと感心します。

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