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2020年7月 3日

こんにちは、歯科医師の武田です。
「エナメル質形成不全」について数回にわけて
お話しさせていただいております。
どうぞよろしくお願いします。

◆ MIH(Molar Incisor Hypomineralization)の罹患率

 MIHの罹患率は諸外国で2.8%~21%となっています。
日本国内の最初の調査は千葉市で行われ11.9%でした。また
その後に日本小児歯科学会が行った7歳~9歳の全国調査によると
さらに高い19.8%でした。両調査の差は、地域性や被験者が
前者が学校の児童で、後者が歯科に受診した患者であるという
違いから生じたものですが、いずれにせよ日本人小児の
1~2割がMIHに罹患していることになります。
軽症のものから重症のものまで全て含めた数字であるとはいえ、
予想以上に罹患率は高いといえます。

◆ MIHの罹患率の地域差

 MIHの有意な男女差はないのですが、地域のMIH有病率では
四国(28.1%)、九州(25.3%)、近畿(22.3%)が高く、
東北(11.7%)、北海道(14.0%)で低いという、
全体として西高東低の有病率となっています。

 しばしば疾病の発生率や有病率には、地域差があることが知られており
例えば骨粗鬆症の高齢者に多い大腿骨近位部骨折には西高東低の地域差が
報告されていますが、原因について現時点では不明で、食生活などの
生活習慣が関与しているのではないかとされています。
骨形成に関与するビタミンKの豊富な納豆や、ビタミンDが豊富な
鮭などは関東以北で消費量が多く、関西以南では明らかに消費量が
少ないため、地域差がみられるのではないかと議論されています。
20200709takeda1.jpg
◆ 授乳状況とMIH有病率

 母乳を与えなかった小児のMIH有病率に比して、母乳を与えた小児
特に母乳を与えた期間が長くなるほどMIH有病率が高い結果でした。
また母乳を与えた期間ではMIH有病率の結果と同様に西高東低
の地域差も認められました。一方混合乳で育てた小児では、MIH
有病率が低くなる傾向もあり、母乳の栄養不足がMIH有病率に関与し
地域差についても可能性が示唆されています。
 
 特に完全母乳栄養やアレルギー対応食あるいは極度の偏食のある
乳幼児ではビタミンD不足または欠乏をきたすことがある。
小児科領域においてもビタミンD欠乏によるくる病が増加している
ことが報告されており、ビタミンDの処方や食品への添加、
栄養機能食品での補充の必要性も検討されています。
またビタミンDだけでなく、同時にカルシウムやビタミンKの
摂取など、栄養バランスを考えた食事が妊産婦や乳幼児期には
特に大切と考えられます。

◆ MIHの原因

 MIHの病因としては、妊娠中の母親の病気や服薬など
妊娠中の問題、出生時の低酸素症など出産時の問題
そして、乳幼児期に起こった様々な要因との関連が
疑われてきました。代表的なものとして肺炎などの呼吸器疾患、
喘息、中耳炎、発疹性発熱、扁桃炎、水痘、
乳幼児期のアモキシシリンの投与(否定する報告もある)、
母乳中のダイオキシン、母乳の低栄養などがありますが、
最近では血清または血漿中の25-ヒドロキシビタミンD濃度の
低下も原因として疑われています。

 したがって、MIHの発症は出生前後の母体や乳幼児の環境に
起因したものであるのではないかと考えられています。

今回の「いただきます」
20200709takeda2.jpg
紫陽花パフェ


歯の健康、美しさを保つには、
定期的なクリーニングがとても大切です
ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。
ご来院お待ちしております。

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