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2020年8月27日

こんにちは。
訪問担当歯科医師の岩本です。


日頃の訪問診療において、
私達が行っていることは、
歯科医師が行う「治療」と、
歯科衛生士が行う「口腔ケア」
の2本立てです。

今回は、新型コロナウイルス感染症の
重症化を防ぐ効果があるかもしれないと言われている、
「口腔ケア」についてお伝えしたいと思います。

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口腔ケアによる
~効果その1~誤嚥性肺炎の予防

近年、肺炎が原因で亡くなる日本人の数は、
がんや心疾患に次ぐ多さとなっています。
そのうち、9割以上が65歳の高齢者です。

誤嚥性肺炎とは、
飲み込むべき食べ物や唾液を誤って気道に落としてしまい(誤嚥)、
肺に炎症が起こる疾患です。

通常はむせて咳をすることによって
誤嚥したものを吐き出すことができますが、
不顕性誤嚥といって、
咳反射が起きず、吐き出すことができない状態の方もおられます。

このとき、口腔内が清掃不良のため汚れていると、
それだけ多くの細菌が気道に侵入します。
口腔ケアで食べかすや歯垢を取り除き、常にキレイにしておくことは、
肺炎の発症を抑える上で重要です。


~効果その2~口腔疾患の予防と早期発見

一般外来でも、衛生士によるブラッシング指導というものがあります。
目がよく見え、手も自由に動く若い人でも、
歯磨きはなかなか難しい作業です。

ましてや歳をとると、目は見えにくい、手も動きにくい、
人によっては痛みを感じにくくなることもあります。

他の人が定期的に口腔ケアをすることにより、
虫歯ができていたり、歯肉が腫れていたりといった、
「いつもと違う状態」に早く気付くことが可能となります。


~効果その3~口腔乾燥の改善

唾液の分泌が減少した状態を口腔乾燥症、ドライマウスと言います。

唾液の抗菌作用が期待できなくなり虫歯や口臭が発生する、
咀嚼や飲み込みがしづらくなる、
総義歯が外れやすくなる...

唾液が減ると本当に困ったことになります。

唾液は、頬や下あごにある唾液腺から分泌されていますので、
口の中やまわりの筋肉に刺激を与えることによって、
分泌の増加が期待できます。

口腔ケアの際に、
スポンジブラシなどで粘膜を軽くマッサージするだけでも、
口腔乾燥の改善に役立ちます。


~効果その4~嚥下機能低下の予防

寝たきりになると、
一日で1~3パーセントほどの筋肉が落ちてしまうと言われています。
口まわりも同じで、あまり動かさないと筋肉は衰えます。

筋肉が衰えるということは、飲み込みの力も衰えますので
誤嚥を招いてしまいます。

これを少しでも防止するため、口腔ケア時には
口まわり、首、顔面のストレッチやマッサージを行うのが効果的です。

声をだす、唾液を飲み込んでもらう等の運動を一緒に行うこともあります。

口腔中の粘膜マッサージを行うと、脳の神経も活性化し、
大脳の血流が非常に良くなるため覚醒状態も上がると言われています。

食事の時にシャンと覚醒していることは、誤嚥の防止にもつながります。


~効果その5~健康の保持増進

近年、歯周病や動脈硬化、アルツハイマー型認知症などの疾患と、
歯周病との関連が解明されつつあります。
歯周病で炎症が起きている部分から細菌が血中に入り込み、
全身疾患を増悪させている可能性が示唆されています。

一見、「ただ歯を磨いてるだけ」に見えるかもしれない口腔ケアは、
実は多くの効果が期待できるものなのです。

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