ウォーキングブリーチについて

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

ウォーキングブリーチについて

こんにちは歯科医師の法貴です

急に暑くなり、中々体が暑さに慣れないとこで次は雨の日が続きとなんとも言えない日が続いていますが、

皆様体調管理にはお気をつけてください。

 

さて今回はウォーキングブリーチと呼ばれる歯を白くする治療についてです。

ウォーキングブリーチとは、歯の神経(歯髄)をすでに取り除いた歯、

つまり「失活歯(しっかつし)」が変色した場合に行う歯の内側からのホワイトニング治療です。

特に前歯など見た目が気になる場所に用いられ、自然な白さを取り戻すことができます。

 

治療の流れ

① 診査・診断

まず、変色の原因や歯の状態を確認します。過去の根管治療(神経の治療)が適切に行われているか、

歯に亀裂がないかなどをX線などで確認します。根管内に感染があれば、再治療が必要です。

② 歯の裏側に穴を開ける

歯の裏側(舌側)から小さな穴を開け、ホワイトニング薬剤を入れるスペースを作ります。

このとき、神経があった空間(歯髄腔)も清掃します。

 

③漂白薬の注入

保護層の上に過ホウ酸ナトリウム(Na₂BO₃・H₂O₂)と過酸化水素(H₂O₂)を混ぜた漂白剤を入れます。

これが変色の原因である内部の色素に作用して歯を白くします。

④一時的な封鎖

薬剤を入れた後、仮のふた(テンポラリーセメント ベースセメントなど)をして歯を封鎖します。

この状態で患者さんは日常生活を送ることができます。

 

 

⑤経過観察・薬剤交換
1週間~10日ほど経過を見て、必要に応じて薬剤を交換します。これを数回繰り返して、希望の白さに近づけます。通常2~4回程度で満足のいく効果が得られます。
⑥最終的な修復
歯が十分に白くなったら、漂白剤を除去し、内部をよく洗浄します。その後、コンポジットレジンなどで穴を永久的にふさぎ、治療は終了です。

注意点
神経が残っている歯(生活歯)には適応できません。
漂白効果は永久ではなく、時間とともに色が戻る場合もあります。

ウォーキングブリーチは、神経を失った歯の自然な白さを取り戻すための治療法で、見た目の改善に非常に効果的です。

歯の状態や変色の程度によって回数や効果は異なるため、専門的な診断と適切なフォローアップが欠かせません。

歯の変色が気になる方は、一度相談してみてください。