タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

教えることは難しい

こんにちは。院長の谷田です。
いつの間にか季節はすっかり秋模様となりました。
この時期は朝晩と日中の寒暖差が大きく、免疫力の低下から歯の痛みなどの症状が出る恐れもあります。

 

皆さま体調管理には、くれぐれも気をつけてどうぞ穏やかな秋をお過ごしください。

 

 

さて、当院の教育システムでは、新卒の衛生士の場合、半年以上患者さんを担当させません。

 

仕事の進め方や悩み事のフォローなど先輩の衛生士がマンツーマンで指導し、サポートします。

 

 

患者さんを担当するようになるには、院内の試験を段階的にパスする必要があります。

 

当院では長年にわたって延々と衛生士の良い教育システムが先輩から後輩へと引き継がれています。

 

 

私も衛生士学校へ教えに行っているのですが、教えることは本当に難しいと思います。

 

 

100人いれば100通りの考え方があり、「相手の立場に立って考える」という認識が、教える際には大切になります。

 

 

今後も当院の良い教育システムを引き継ぐことでより良い成長へと繋げていきたいと思います。

 

 

 

【医院からのお知らせ】
当院は昼休み無しの1日通しで診療しております。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

口腔扁平苔癬とはどんな病気?

こんにちは、歯科医師の村重です。
10月も半ばを過ぎているにも関わらず、未だに日中は暑さにやられますね。
このまま春と秋がどんどん短くなってしまうと思うと寂しさを感じます。

さて、今回の内容ですが、口腔内の粘膜疾患の中では
比較的認められやすい疾患である「口腔扁平苔癬」についてです。

口腔扁平苔癬とは口腔扁平紅色苔癬ともいわれる、
皮膚と口腔粘膜における慢性の角化異常を伴う病変です。
原因は不明ですが、40〜50代の女性に好発し、金属アレルギーが疑われる症例もあります。
また、C型肝炎、糖尿病、高血圧症なども発症に関与しているという報告があります。

以下に特徴、原因、治療法にわけて説明していきます。

⑴ 特徴
粘膜のレース状の白線と紅斑などの混在病変を特徴とし、
頬粘膜、歯肉、舌、口唇などに両側性、多発性にみられることが多いです。
角化性変化は白線や白斑として、萎縮性変化は紅斑としてみられ、
びらん、潰瘍、色素沈着、稀に水泡形成を伴うこともあります。
臨床型として網状型、萎縮型、びらん(潰瘍)型の3型に分類されますが、
通常、複数の臨床型が混在しており、経過中の臨床像に変化がみられることも多いです。
網状型が最も多く、やや隆起したレース状の白線を伴います。 萎縮型は紅斑を中心に持ち、
周囲が瘢痕化し、びらん型では不規則なびらん・潰瘍がみられます。
萎縮型、びらん型では、灼熱感、接触痛などの症状を伴い、食事時に疼痛を感じることがあります。
一方、網状型では違和感のみで痛みを訴えないことも多いです。

⑵ 原因
原因は不明な点が多いですが、基底細胞と結合組織の接合部に何らかの抗原物質が存在し、
これに対して細胞生免疫系が反応していると考えられています。
誘因としては薬物(降圧剤、脳代謝促進剤、抗結核薬など)、歯科用金属、ストレス、タバコ、
C型肝炎、移植片対宿主病(GVHD)などが挙げられています。

⑶ 治療
口腔扁平苔癬は難治性であり、痛みなどの症状緩和が治療の主目的となります。
従って、痛みを伴わない場合、投薬は必要なく数ヶ月ごとの経過観察のみを行います。
痛みを伴う場合は、二次感染予防のための口腔衛生指導、炎症性反応を軽減するための
ステロイド軟膏の局所投与、内服薬の投与などが行われます。
痛みがあると、接触痛により口腔清掃不良となり、二次感染やカンジダ感染が
炎症症状を悪化させていることがあるため、粘膜に愛護的なブラッシングが行えるよう、
歯ブラシの選択、清掃方法の工夫が必要です。
また、痛みが強い場合は、先に薬物療法を行い、痛みを軽減させることもあります。
金属アレルギーが疑われる場合は、補綴物あるいは充填物を撤去すると症状が改善することもあります。
口腔扁平苔癬は前がん状態(その疾患が存在することで癌の発生リスクが高くなっている状態)といわれ、
がん化が報告されていますので、長期的な経過観察が重要となります。

お口の中の癌

こんにちは。歯科医師の西田です。朝晩だいぶ涼しくなり、確実に秋の訪れを感じる今日この頃ですね。

さて、今日はお口の中にできるがんについてお伝えしようと思います。

以前に、歌手の堀ちえみさんの舌がんの闘病の話題がワイドショーを賑わせ、口内炎を気にする患者様の来院が増えた時期がありました。

お口の中にできる悪性腫瘍を総称して口腔がんと呼び、舌・上下の歯肉(歯ぐき)・頬粘膜きょうねんまく(頬の内側)・硬口蓋こうこうがい(口の中の天井部分の硬いところ)・口腔底こうくうてい(舌と下側の歯肉の間)にできます。組織型分類(がんの種類による分類)では、口腔がんの約90%が粘膜から発生する扁平へんぺい上皮がんです。

口腔がんの症状について。

口腔がんでは、がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりします。口の中にしこりができる、口内炎がなかなか治らないなどの症状があらわれることもあります。

歯肉にがんができたときには、歯を支える組織にがんが浸潤しんじゅん(周囲に染み出るように広がっていくこと)し、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりすることがあります。又、歯肉がんの場合、初期は歯周病の炎症と見分けがつきにくく、歯茎の増殖などの明らかな異常が見られ始めてからの進行が、著しく早かった例もありました。

進行したときの症状としては、粘膜のただれ、痛みや出血がある、口が開けにくい、食事が飲み込みにくい、話しにくい、などがあります。

首のリンパ節に転移したときには、しこりに気付くこともあります。

口の中に違和感があると感じたときには、鏡で口の中を確認してみましょう。

口腔がんの原因について。

口腔がんの原因はほかのがんと同様に、まだ解明されていない点も多くありますが、喫煙、飲酒、口腔内の不衛生、炎症などが関係しているといわれています。

最大の危険因子は喫煙です。タバコの煙には、多くの発がん性物質が含まれており、日本人を対象とした報告では、非喫煙者と比べて喫煙者(一日喫煙箱数×喫煙年数≧60)の口腔がんの罹患リスクは5.2倍とされています。

飲酒は、喫煙に次ぐ危険因子です。日本人を対象とした報告では、非飲酒者と比べて飲酒者(1日平均2合以上)の口腔がんの罹患リスクは3.8倍とされています。また、飲酒と喫煙の影響が足し合わさると、罹患リスクがさらに上昇することも分かっており、飲酒量が少なく喫煙なしの人と比べて、飲酒量が多く喫煙する人の口腔・咽頭がんの罹患リスクは4.1倍といわれています。(がん対策研究所多目的コホート研究より)

また、歯磨きをしていない、口のなかが乾燥している、治療していない虫歯があるなど、口腔内が細菌などで汚染されていると口腔がんを発症しやすくなります。

口内炎からがんが発生することもありますが、お口の粘膜はターンオーバーが早いので、口内炎の原因を取り除いて2~3週間たっても全く改善しない場合は、専門の医療機関を受診した方がよいこともあります。タニダ歯科では、がん化の可能性の高い口内炎などを診療中に見つけた場合、地域の口腔外科を紹介させて頂くことがあります。気になる症状があるときは、ご相談ください。

歯科で用いる漢方薬について

こんにちは。歯科医師の秋田です。

昼間はまだまだ暑いですが、朝晩は涼しい日も増えて

少しずつ秋の訪れを感じるようになりました。

さて、今日は歯科で用いる漢方薬についてお話します。

あまり歯科医院と漢方薬の結びつきをイメージされる方は

少ないと思います。しかし、実は我々の分野でも

有効に使用できる薬がありますので以下にいくつか

ご紹介いたします。

 

 

①立効散(りっこうさん):歯痛,抜歯後の疼痛

②半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):口内炎

③黄連湯(おうれんとう):口内炎

④茵陳蒿湯(いんちんこうとう):口内炎

⑤五苓散(ごれいさん):口渇(口腔乾燥症)

⑥白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):口渇(口腔乾燥症)

⑦排膿散乃湯(はいのうさんきゅうとう):歯周炎

 

①立効散は、抜歯後及び顎顔面領域の疼痛に

効果があるとされています。いくつかの報告からは

普通抜歯で抜歯後疼痛が軽度と予想される場合には

鎮痛効果が期待できるが、難しい抜歯では十分な効果は

期待できないと思われます。

中国では口腔内に含み使用することから、

粘膜表面作用を期待していると思われます。

この方法を応用して、象牙質知覚過敏症に

フッ化ジアミン銀の塗布の立効散の内服を併用して、

治療効果が向上した報告もあります。

証をあまり考えないで処方できる漢方薬と言えます。

②半夏瀉心湯、③黄連湯、④茵陳蒿湯は、アフタ性口内炎、

特に再発性に適応があると考えられ、舌炎、口唇ヘルペスにも

効果を示す可能性があります。それぞれの使用目標は、

半夏瀉心湯は、いつも胃がもたれたり、悪心があり、

お腹がぐるぐる鳴って下痢しやすい人で

口内炎などのある場合に用いられます。

最近ではがんへの化学療法による口内炎に対する

有効性の報告があります。

舌は厚い白黄苔を見ることが多い傾向があります。

黄連湯は、半夏瀉心湯の中の黄を桂皮に変えたような

構成の方剤で内容がよく似ています。

平均的な体力であるが、冷え性、腹痛を起こしやすく

胃腸障害がやや弱い場合に適用します。

舌苔(舌につく汚れ)は膩(じ:べたべたしている状態)で

黄白水滑、舌根部でやや厚い傾向があります茵陳蒿湯は、

便秘傾向があってイライラがあり、

比較的しっかりした胃腸障害の持ち主で、

口が粘ったり苦味を覚えたりするようならばさらによい、

逆に冷え性には用いない方が良いです。

舌が紅、乾燥、黄膩苔

(きいろくベタベタ、舌苔が沢山ついている状態)が

多い傾向があります。

⑤五苓散や⑥白虎加人参湯は、

口腔乾燥症に代表的な漢方薬です。五苓散は尿量の減少、

めまい、体が重いなどの訴えを使用目標とし、

利水作用があることが知られています。

利水は体内の水分の代謝異常を調整し、

正常に戻す働きのことであります。すなわち、

水分の停滞からくる口渇、浮腫、嘔吐などの

症状に対応する方剤です。舌は多く湿潤で白膩苔であります。

一方、白虎加人参湯は、糖尿病、シェーグレン症候群、

向精神薬、抗不整脈薬、放射線治療後の口腔乾燥症の

有効性が注目されています。使用目標は、体のほてりや、

疲れやすい、多汗、脱水症状や軽い寒気、舌は乾燥、

白苔か黄苔が多いです。

⑦排膿散乃湯は、患部が疼痛を伴う化膿性の皮膚及び口腔、

咽喉の腫物に対し、方名の通り排膿の目的で用いられています。

歯肉が紫色、腫脹、痛みなどがあり、膿汁を出している場合が

適応であると考えられます。舌は淡紅、白色から

微黄苔が多い傾向があります。歯周炎の急発時に、

抗菌薬との併用方法が有効であると報告されています。

また、智歯周囲炎、消炎切開後の疼痛、

硬結に有効である報告もあります。

参考文献:

王 宝禮,王 龍三:今日からあなたも口腔漢方医 – チェアサイドの漢方診療ハンドブック – ,医歯薬出版, 2006

王 宝禮,王 龍三:続今日からあなたも口腔漢方医- 口腔疾患別漢方診療ハンドブック-,医歯薬出版, 2012

 

不定愁訴に対し一般的な処方薬(新薬)でなかなか効果を

感じられない方は一度漢方薬を試してみるのも良いかもしれません。

それではまた。

母子ともにリスクが! 妊娠中の口腔ケアの重要性

 

こんにちは。院長の谷田です。
秋といえば「食欲の秋」
旬の食材を味わうのが楽しみになる季節です。

 

旬の食材はおいしいだけでなく
栄養価も高いため、
積極的に食事に取り入れたいですね。

 

そんな食事が楽しみな季節だからこそ、
お口のケアも欠かせません。

 

中でも妊娠中の方は
お口のトラブルが起こりやすく、
母子の健康にも悪影響を与えうるため、
特に注意が必要です。

 

そこで今回は、
妊娠中の口腔ケアの重要性について
お話ししていきます。

 

 

 

 

◆痛みや不快感も!?
 妊娠中に起こりやすいお口のトラブル

 

かつては
「一子を得ると一歯を失う」
といわれたほど、
妊娠中は口内にさまざまな問題が
発生しやすくなります。

 

「気分が悪くて、歯が磨けない」
「だ液がネバついて気持ち悪い」
などがその代表例です。

 

 

 

また、妊娠前にはなかった
以下のようなトラブルに悩まされる方も
少なくありません。

 

・歯や歯ぐきに痛みがある
・歯ぐきに腫れや出血がある
・冷たいものや熱いものがしみる
・口臭が強くなる

 

 

 

 

◆なぜ妊娠中にお口のトラブルが起きるのか?

 

その要因のひとつが、妊娠中における
女性ホルモンの分泌量の増加です。
これにより、女性の体には
さまざまな変化が生じます。

 

これはお口の中も例外ではなく、
サラサラだっただ液が粘り気を増し、
つわりによって
歯みがきが困難になるなどして、
普段よりもお口の中を
清潔に保つ力が弱まります

 

また、歯周病菌の中には
女性ホルモンによって
活発になる菌が存在することも、
妊娠中に歯ぐきの腫れや
出血が多くなる一因です。

 

さらに、妊娠後期に入り
お腹が大きくなると、
一度に食べられる食事の量が限られるため、
結果的に食事の回数が増えていきます。
それに応じたケアが不足してしまうことも、
お口のトラブルが増える要因となります。

 

 

 

 

◆赤ちゃんにも悪影響が!?
 妊娠中の歯周病に要注意

 

妊娠中のお口のトラブルは
お母さんだけの問題ではなく、
赤ちゃんにまで影響する恐れがあります。

 

その一例が、早産や低体重児出産です。

 

近年の研究により、妊娠中の歯周病は
早産や低体重児出産のリスクを約2倍~4倍も
高めることがわかっています。

 

これは、歯周病の原因菌や歯ぐきの炎症が、
子宮の収縮に影響を与えるため
考えられています。

 

 

 

このことから、
妊娠中はお母さん自身だけではなく
お腹の赤ちゃんの健康を守るためにも、
お口のケアは欠かせません。

 

 

 

 

◆安定期に入ったら歯科受診を!

 

妊娠中のお口の健康は、
お母さんと赤ちゃん、双方に大切です。

 

妊娠安定期(妊娠16週~27週)に入ったら、
ぜひ歯科医院で検査とクリーニングを受けましょう。
また、安定期であれば
必要な歯科治療を受けることも可能です。

 

 

 

 

定期的なケアでお口の健康を保ち、
安心して出産を迎えられるよう、
私たちも全力でサポートいたします。

 

妊娠中のお口のケアで気になることがあれば、
お気兼ねなく当院へご相談ください。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
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