西宮市の歯医者「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

骨粗鬆症②

こんにちは、歯科医師の豊原です。

冬の始めは暖かく穏やかでしたが、残念ながら今年の冬はかなりの厳しさですね。

ここ10年で一番の寒さではないでしょうか。

そして、コロナも減るどころか益々猛威をふるっておりますが、

受験時期をむかえ気の毒な状況になっており、

どうか受験生の皆さまご家族さま、無事に乗り切ってください。

さて今回も、前回の続きで骨粗鬆症についてです。

骨粗鬆症の治療としては、食生活から積極的にカルシウムを摂取すること、

運動や日光浴を行うこと、など日常生活の改善が基本ですが、

骨密度が低下している場合は薬物療法も行われます。

骨吸収と骨形成のバランスを整える薬として、

カルシウム薬や活性型ビタミンD3薬があります。

ビタミンDはカルシウムが腸から吸収されるのを助け、骨代謝を活発にします。

これらの薬は閉経後女性の骨粗鬆症の低リスク群を対象に処方されることが多いようです。

骨吸収を抑制する薬としては、女性ホルモン薬、SERM、ビスホスホネート薬、

抗RANKL抗体薬(デノスマブ)、カルシトニン薬があります。

女性ホルモン薬は低下した女性ホルモンのエストロゲンを補いますが、

乳腺や子宮にも作用するため副作用があらわれることがあります。

このエストロゲンは骨代謝に関わっており、

閉経後の女性はエストロゲンの分泌が急激に減少することで骨代謝のバランスが崩れ、

骨形成が骨吸収に追いつかなくなり、骨が脆くなります。

SERMは選択的エストロゲン受容体調整薬で、骨のエストロゲン受容体に選択的に作用し、

閉経によるエストロゲン分泌の低下によってバランスが崩れた骨代謝を調整することで、

骨量の低下を改善する効果をあらわします。

女性ホルモン薬に比べて乳腺や子宮への作用は少ないとされています。

ビスホスホネート薬は骨吸収を抑制し、骨密度を高めます。

内服薬と注射薬がありますが、長期投与に関連して顎骨壊死や非定型大腿骨骨折が問題視されており、

投与開始前に必要な抜歯などを済ませておくことが求められています。

デノスマブも破骨細胞の活性を抑制し、骨密度を高めます。

半年に一度の注射を行います。

低カルシウム血症を防ぐためにカルシウム薬やビタミンD3薬を併用する場合があります。

ビスホスホネート薬と同じく長期投与での顎骨壊死に注意が必要です。

骨形成を促進する薬としては、

副甲状腺ホルモン薬と抗スクレロスチンモノクローナル抗体(ロモソズマブ)があります。

副甲状腺ホルモン薬は骨芽細胞を活性化して骨密度を高めます。

骨折リスクの高い骨粗鬆症で用いられます。

抗スクレロスチンモノクローナル抗体は骨形成促進作用と骨吸収抑制作用の両方を有する新しい薬です。

先ほど述べたビスホスホネート薬およびデノスマブ長期投与による顎骨壊死についてですが、

デノスマブについては休薬により多発性の椎体骨折発生の可能性が指摘されており、

歯科治療に伴う休薬はしない方がいいとされています。

ビスホスホネート薬については休薬は可能ですが、

顎骨壊死に陥りやすい要因には感染源の有無が挙げられるため、

感染源が疑われる可能性が低い場合は休薬をしなくていいとされています。

いずれにしても、骨粗鬆症の治療薬を開始するまでに観血的歯科治療は済ませておくことが大事です。

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