歯を守るための力のコントロール Ⅳ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の歯医者「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

歯を守るための力のコントロール Ⅳ

こんにちは、歯科医師の武田です。

歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ スプリントの作用

 

 スプリントの作用は、咬合関係を変化させて咬合力を再分配し、

咀嚼筋や顎関節への負荷を減弱させる、上下顎の位置関係を変え、

下顎窩、関節円板、下顎頭の配置を整えるなどです。

 作用機序として最も一般的なのは、咬頭干渉の除去です。

すなわち、全歯列を覆い、スプリント咬合面上に対合歯列の均等な

接触点と適切な偏心運動のガイドを付与し、咬合状態の安定化を図る。

これにより、下顎は習慣性閉口路上での安定した閉口位と

円滑な偏心運動が可能となり、異常な筋活動を惹起すると考えられている

早期接触や偏心運動時の咬頭干渉による咀嚼筋への偏った刺激を除去する。

 

 筋活動では咀嚼時、噛みしめ時、安静時の咀嚼筋活動が減少する。

顎関節への作用は、咬合挙上することにより、下顎窩内での下顎頭の

位置が変化し、咬合時あるいは下顎運動時に関節およびその周囲組織への

負荷が軽減されます。スプリント装着時に噛みしめを行わせ上関節腔の

内圧を測定した研究では、約80%の圧軽減がみられますが、

顎関節腔の断層X線撮影による観察では、最大噛みしめ時に、

関節腔の拡大は認めれません。

 

◆ スプリントの物性

 

 スプリントが必要とする物性は、

①硬い材料であること

②レジンの添加や削合など形態の調整が容易であること

③歯列にパッシブな適合が得られる材料であること

この3条件を満たす材料が必要。

 

 軟質材料を使用すると咬筋活動が活発になるという報告があり、

また顎位、側方運動での可動域をカバーするための調整など、

不足部分にレジン添加を行ったり、反対に削合する調整は欠かせず、

軟質材料ではそういった改変が難しいことが決定的な欠点です。

◆ 調整時にかかわる生理学的反射

 

 【緊張性歯根膜反射】

 さまざまな性状の食物を咀嚼するために、歯根膜の感覚受容器が

負荷の大きさと方向の情報を検知し咀嚼筋をコントロールしている。

歯根膜の感覚受容器と咀嚼筋は生理学的な反射で連動しています。

負荷のかかる歯によって、また方向によって、緊張が生じる咀嚼筋は

異なるのです。これは一方で早期接触など咬合異常による咀嚼筋の

緊張亢進の基礎をなす重要な反射です。

 

 【神経筋機構】

 歯根膜や歯肉・口腔粘膜に存在する受容器からの受圧情報と、筋肉や

顎関節に存在する受容器からの下顎の位置情報とが中枢と連携して

運動を制御する神経筋機構が、下顎の運動を規制していると考えられていて、

咀嚼筋の緊張がない筋安静位と、咬合した咬頭嵌合位との間に顎位のズレ

がある場合に、自発的に咬合させると、無意識に神経筋機構により

記憶された咬頭嵌合位で咬合します。

 

 【姿勢反射、顎反射】

 反射的に全身の筋が適度に緊張し、体の位置、姿勢、運動における平衡を

保つことを姿勢反射といい、体に何か負荷がかかったり痛みや刺激を受けると、

負荷に反発したり、痛みから避難するために刺激部位と同側の屈筋を収縮し

伸筋を弛緩させます。

 一方、体のバランスを保つために対側の屈筋は弛緩し、伸筋は収縮する。

体幹にそのような歪みを生じると、頭位もバランスとるような方向に傾斜する。

頭位の変化に伴って咀嚼筋の筋緊張は変化します。すなわち、頭位が

前屈した状態で咬合すると前歯部が、後屈した状態で咬合すると臼歯部が、

それぞれ咬合し、左右どちらかに傾斜すると、傾斜した側が咬合する。

このような顎位のズレを引き起こす現象は、緊張性頚反射に基づくものであり、

咀嚼筋も四肢筋と同様に緊張性頚反射の影響を受けているのです。

 

 これら反射を踏まえて水平位で、上顎咬合平面が床と垂直になる頭位で行い、

自発的に咬合させると、多くの場合、神経筋機構により記憶された場所で咬合

するため、咀嚼筋安静位と咬頭嵌合位が一致していない場合は、自身で咬ませず

咀嚼筋をリラックスさせ下顎にごく軽い振動を与えタッピングポイントを診査する。

これは、緊張性歯根膜反射により過高部を避けるか、もしくは過高部をすりつぶす

ような顎位で咬合してしまう弊害をさけるためです。

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

 

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