「 歯を守るための力のコントロール Ⅶ 」

タニダ歯科医院ブログ

 

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

「 歯を守るための力のコントロール Ⅶ 」

歯を守るための力のコントロール Ⅶ

 

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」

について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ Functional dividing plane:

ファンクショナルディバイディングプレーン (FDP)

 

ウィーン大学のR.Slavicek教授の仮説でオトガイ棘を通る

咬合平面の垂線を基準に歯列の役割を分割する考え方で、

ここより前方はディスクルージョンによって臼歯を側方力から

保護するガイダンスエリア。後方は顎位の保持により

前歯を咬合力から保護するサポートエリアに分かれます。

 

◆ 咬合接触点の設定

 

有歯顎の咬頭嵌合位における咬合接触関係には、

機能咬頭頂を対合歯が3つの咬合接触点で抱え込んで

保持する3点接触(トリポディズム)が基本であり、

安定した咬合と下顎位の保持が得られます。

3点接触には、咬頭対辺縁隆線の関係cusp to ridgeと

咬頭対窩の関係cusp to fossaがあります。

 

 

・Cusp to ridge

上顎では近心の、下顎では遠心の辺縁隆線それぞれ4か所

全てに、相対する同名歯の機能咬頭が嵌合する咬合接触関係で、

永久歯列の交換過程で、萌出時期の遅延や萌出位置の転位

歯軸の傾斜がある程度生じても、正常に歯列が完成するうえで

有利ですが、1歯対2歯の咬合接触関係であるために、

歯軸方向への機能圧の伝達においては不利で、歯に側方圧が

かかりやすく、隣接面コンタクト部の豊隆が強いために、

オクルーザル・エンブレジャーが大きくなり、隣接面カリエス

及び食片圧入が生じやすく、歯周組織保全の点では不利です。

 

・Cusp to fossa

下顎8つ、上顎6つの全ての機能咬頭が相対する同名歯の窩に

嵌合する咬合接触関係で、天然歯列ではほとんどみられませんが

1歯対1歯の咬合関係のため、歯軸方向への機能圧伝達に有利であり

歯間部への食片圧入も生じにくく、オクルーザル・エンブレジャー

を小さくすることにより、さらに食片圧入が抑制され、

歯周組織保全の点で有利な歯列構成が可能となります。

 

◆ ブレーシングイコライザーとクロージャーストッパー

 

そこで、この咬合再構成にあたってより有利なcusp to fossaに

おける3点接触構成の要点ですが、臨床で咬頭嵌合位をcusp to fossa

に構成する際に大切なのは、まずブレーシングイコライザーを的確に

付与することです。これ以上後方へ下顎を押し込まないようにする、

歯列が後ろに行くのを抑制する場所をブレーシングイコライザーと呼びます。

イコライザーをつけることで顎が後ろへシフトしづらくさせています。

歯列が後方へシフトすると顎関節も移動してしまい後部の神経や血管を

圧迫してしまい、あごの開閉口時に痛んだり、筋痛が出たりするので

イコライザーで顎関節が保護するとともに、嵌合位の前後的位置付け

明確にします。

 

そして顎が前に行こうとする動きをストップさせる部分を

クロージャーストッパーと言います。これがないフラットな形態だと

下の顎は前に出やすくなり、前歯への負担が大きくなります。

前歯の被せ物などが前歯への突き上げが強くなることで、

はずれやすくなる場合もあります。

 

これらによって上下の歯列が前後的な誤差を生まないよう構成でき

対合する機能咬頭を3点で抱え込み、三次元的に安定した咬頭嵌合位

が構築できます。

 

咬合接触点の設定位置は、上下とも可及的に中央裂溝へ近接させて設定し、

3点の上下的位置は、いずれも同じ高さにすることも大切です。

これにより、適正な歯軸方向への力の伝達と、適正なディスクルージョン量

の設定が可能となり、咬頭干渉の生じにくい安定した歯列構築ができます。

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

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