西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

味覚

歯科医師の川村です。

人間には、五感というものがあります。

五感とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、古来の

分類による5種類、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を指します。

この五感という分類の仕方は、もともとは古代ギリシャのアリストテレスによる

分類に端を発しているようです。

 

今回はその中にある、味覚に関して書こうと思います。

 

<1> 味覚の種類

ヒトの味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の「五大基本味」があります。

その中でうま味に関しては、日本人が発見したと言われています。

昆布の煮汁からグルタミン酸を発見して「うま味」と名付け、特許登録されまし

た。

世界的にも「UMAMI」として知られています。

 

<2> 味覚を感じるところ

味覚という大役は、舌の表面の味蕾がその役の大部分を担っています。

味蕾の数は、乳児期には約1万個。頬の内側や唇にも味蕾が存在しています。

それに対して、成人になると7,500個ほどに減少してしまうと言われています。

赤ちゃんは大人よりも微妙な味の違いが感じやすい、ということになります。

ほんの少しの異物も体の中に入れないよう、赤ちゃんに備わった力なのかもしれ

ません。

味蕾という組織は、舌の中にある舌乳頭と呼ばれる所に存在します。

口を大きく開けて舌を見てみます。

舌の表面、舌背があります。

舌には溝があり、細かい点があります。

この点は茸状乳頭、糸状乳頭です。

更に大口を開けて舌の奥をみますと、ドーム型の膨らみがみられます。

有郭乳頭で7から12個ぐらい並んでいます。

舌側縁の奥には一見ポリープのような凸凹があります。これが葉状乳頭です。

舌の中には、以上4つの乳頭が存在します。

ただ、その中で1つ、糸状乳頭には味蕾が存在しません。

 

<3> 味覚の働き

①食べ物の味を感じ、食欲を刺激する。

②食べ物の味を弁別し、危険なものを食べないようにする。

③唾液を分泌させる。

④消化液の分泌を促し、消化を促進する。

⑤生体に必要な成分を含んだ食べ物を選択して摂取することを助ける。

 

<4> 味覚が感じにくくなる

舌の前2/3:顔面神経(鼓索神経)

舌の後1/3:舌咽神経

軟口蓋:大錐体神経

という神経で支配されています。

つまり、これらの神経自身、あるいはこれらの神経の中枢になんらかの異常が生

じると味覚異常が生じ、味覚低下が認められることとなります。

また、ほとんどの味覚異常は末梢性で、味の伝達を行う味蕾の減少・萎縮、唾液

分泌の低下、さらには唾液中の非生理的物質が排泄され、それが異常な味物質と

して働くことにより生じます。

味覚異常の原因にはいくつかあります。

乳頭の萎縮・消失……生理的(加齢的)、貧血などによる

唾液分泌の低下……加齢、シェーグレン症候群などによる

唾液中の非生理物質の排泄

カンジダ症

医原性の味覚低下……がん治療(放射線、抗がん剤)により、唾液腺機能が障害さ

れ分泌低下、舌乳頭が萎縮することによる

亜鉛の不足……食物中の亜鉛と薬剤がキレートをつくり、亜鉛の吸収が障害され、

味蕾細胞の若返りが障害されることによる

降圧剤、トランキライザー、抗生物質、抗アレルギー剤等による薬剤の作用

歯周病

特発性、心因性

体感異常症(セネストパチー)

などがあり、様々な要因で起こります。

それぞれの原因に合わせて治療をする必要がありますので、気になることは一度

相談してみてください。

必要に応じて、専門医に紹介が必要な場合もあります。

 

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