歯を守るための力のコントロール Ⅹ

タニダ歯科医院ブログ

 

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

歯を守るための力のコントロール Ⅹ

こんにちは、歯科医師の武田です。

「歯を守るための力のコントロール」について数回にわけて

お話しさせていただいております。

どうぞよろしくお願いします。

 

◆ メカニカルロード

 

咬合構成を的確に行ううえでの構成基準は、

残存組織保全の見地から適正な力のコントールを図り、

力学的負荷(メカニカルロード)を顎口腔系の局所に

集中させることなく均等に配分することが大切です。

つまり、左右の顎関節と筋群、更にガイドする歯列に

メカニカルロードの集中する部位を生じさせない

構成が望ましいのです。

 

  • 側方ガイドの方向

 

偏心位ガイドの方向で大きな問題になるのは

前歯部ガイドではなく側方ガイドです。

側方ガイドの方向が顎関節の機能と調和していないと、

ブラキシズムや硬い食品の長時間咀嚼により、作業側の

顎関節がダメージを受け、外側靭帯や関節円板、顆頭や

下顎窩、関節結節にまで障害をもたらします。

 

この側方ガイドの方向は、生理的な側方運動経路と

調和させ、後方へのブレーシングイコライザー

(lateral protrusive tooth guidance M型ガイド)を

必ず付与し、前方へのブレーシングイコライザー

(lateral retrusive tooth guidance D型ガイド)も可能な

範囲で付与することが望ましく、これにより作業側顎関節

へのメカニカルストレスを最小限に抑制することができます

 

M型ガイドは、上顎犬歯舌面の近心にある前方へ向いた面と

下顎犬歯の遠心に向いた面で誘導する側方ガイドであり

下顎を後方へ押し込むことはありません。

 

しかし、下顎を後方へ押し込むことはないが、作業側顆頭を

前方へ引き出し、咬頭干渉が生じる可能性があります。

 

 

D型ガイドは、この逆で下顎を後方へ押し込む形になるので

顎関節に障害を起こしやすいガイドです。

 

 

M型+D型ガイドは、側方ガイドの経路が3種のなかで

最も安定していて、下顎を後方へ押し込むことなく安全です。

 

 

 

  • グループファンクション

 

近年、顎口腔系の特性が様々な角度から究明されており

顎口腔系の機能と調和させてグループファンクションを

構成することが、極めて困難であることが明らかになりました。

 

作業側顆頭の最大噛みしめ時の移動量は、軽く噛み合わせて

側方運動を行った時の作業側顆頭の移動量(平均0.7mm)の

2倍~3倍程度に増大します。そのため、軽く噛み合わせて

側方運動を行った際に作業側で犬歯から第2大臼歯までが均等に

ガイドしているグループファンクションでは、睡眠時の

パラファンクションとしてのグラインディング時には、顎関節に

近接する後方歯ほど著しく大きくゆさぶられ、最後方臼歯の

粉砕咬頭である上下顎第2大臼歯の頬側咬頭の双方に力学的負荷

が大きく加わる。このうち下顎の頬側咬頭は機能咬頭であるため

加わった負荷が支持組織の比較的広い範囲に分散し、歯冠の破折

や咬合性外傷による歯周組織の破壊にまで至らないことが多い。

一方、上顎の頬側咬頭は非機能咬頭であるため、加わった負荷が

頬側部分に集中し、歯冠の破折や歯周組織の破壊を招きやすい。

このようにグループファンクションは決して理想的な側方ガイド

の様相ではなく、残存組織保全の観点から少なくとも大臼歯部では

ディスクルージョンとし、犬歯誘導に近づけることが得策です。

 

 

  • 側方運動における犬歯誘導の有利性

 

ⅰ 後方へのブレーシングイコライザー

(lateral protrusive tooth guidance M型咬合)の構成に

適した歯冠形態を備えており、顎機能と調和した

側方ガイドの方向を的確に設定できる。

ⅱ 歯冠が長く、側方ガイドに適している

ⅲ 歯根が長く、力の分散に有利である

ⅳ 歯根が太く、力の分散に有利である

ⅴ 歯根膜感覚受容器メカノレセプターに富み、優れた

センサーとして高い顎位コントロール能を備えている

ⅵ 周囲骨が緻密で、高い支持能力を備えている

ⅶ 垂直被蓋が4mm程度で大きく側方ガイドに適している

ⅷ 側方運動時に必要な直線的誘導接触を

最も与えやすい舌面形態を備えており、

臼歯群の適正なディスクルージョン量の設定にも有効

ⅸ 正中に近く左右の顎関節にほぼ均等に機能圧を配分できる

ため、側方で噛みしめた際の下顎骨のたわみを

可及的に抑制できる

Ⅹ 顎関節と閉口筋に対する側方ガイド部の位置関係が

Ⅲ級テコであるため、同じ力で噛みしめながら側豪運動を

行ったとしても、犬歯誘導では第1大臼歯でガイドさせた

場合と比較して1/5以下の力でガイドでき力学的に極めて有利

 

 

 

歯の健康、美しさを保つには、

定期的なクリーニングがとても大切です

ぜひタニダ歯科クリニックで定期健診を。

ご来院お待ちしております。

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