睡眠時無呼吸症候群第三弾

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

睡眠時無呼吸症候群第三弾

こんにちは、豊原です。
 もうすぐ春の訪れがやってきますね!
この季節、毎年のことですがやはりソワソワした気持ちになります。
この春、卒業される皆様、新たなステージに旅立つ皆様、
おめでとうございます!
期待と不安が入り混じったお気持ちでいらっしゃると思いますが、
自分を大切にしながら一歩一歩頑張ってください。

 さて今回も睡眠時無呼吸症候群の第三弾です。
今回は治療について書きたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、
各症例によって次のような治療が行われます。

 器質的にアデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症などの
異常が原因となっている場合は、外科手術の適応となり、
扁桃摘出術や軟口蓋、口蓋垂の形成術が行われることがあります。
これにより、気道の入り口を拡げることができ、
就寝時呼吸の改善が見込まれます。

手術回避の手段としては、
持続陽圧呼吸療(CPAP;continuous positive airway pressure)
という睡眠中に小型の機械から送られる陽圧空気を
鼻マスクから吸わせることで気道を広げつつ、
空気を効率よく送り込む装置を用いる方法があります。

睡眠ポリグラフ検査で睡眠時1時間あたりに
無呼吸や低呼吸になった回数が20回以上で、
なおかつ日中に眠気などを自覚しているケースが適応となり、
この治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中などを発症する
危険性を低下させる効果があります。

 歯科との関わりでは、下顎を前方に移動させるような
口腔内装置(OA;oral appliance)を用いた治療があります。
これは先のCPAPと並び、よく用いられる方法です。

閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)のおもな原因には、
肥満や顎顔面骨格、舌位の異常があります。
精密検査の結果、歯科領域に原因があると診断された場合に
OAが導入されます。OAを用いると、OSA時によくみられる
口が開いた状態(開口)で起きやすい気道狭窄を防止し、
呼吸形態を鼻呼吸にすることができます。

また、下顎が前方に移動することで、下顎に付着する
舌骨上筋群が緊張し、舌筋と軟口蓋をつなぐ口蓋舌筋も
緊張して軟口蓋も前方に牽引され気道閉塞が予防されます。

しかし、OAにも副作用があり、歯牙位が変化したり、
咬合の変化、夜間に装着するため口腔内細菌の増加に伴う
う蝕や歯周病の悪化が挙げられます。
OA導入後は一定期間経過観察後にもう一度診断元の医院にて
その効果判定を行い、効果不十分であればCPAPなどの
他の治療の併用が考慮されます。

 睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、
たとえCPAP療法などを行っていたとしても、減量を目指した
食生活の改善や運動習慣の定着などの生活習慣の見直しが大切です。
医科歯科連携での長期的なフォローが必要となりますので、
それぞれのかかりつけ医で気になることあれば、
遠慮せず伝えてください。