脱灰と再石灰化って何?

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

脱灰と再石灰化って何?

こんにちは、歯科医師の久貝です。

みなさん、甘いお菓子、飲み物は好きですか?

僕は大好きです。

幸せを感じませんか?

疲れた時に接種するあま~~~い幸せ♪

仕事の後のお菓子

夜中にコッソリと食べる甘い幸福・・・

たまりません。

疲れが一気に吹き飛んでいくのと、背徳感を感じます。

それと同時に、虫歯の危機感も
ヒシヒシと感じますね・・・ヤバいっす・・・

虫歯にならないように、皆さんも検診に来ていますが、
口腔内を見ていて頻繁に見るのが、

「脱灰」と呼ばれる状態ですが、聞いたことあります?

酸によって歯の成分であるハイドロキシアパタイト
(リン酸カルシウムの結晶)が溶かされる現象が「脱灰」です。

虫歯の原因となる細菌は、
食物に含まれる糖を分解して酸を作ります。

歯が溶けて虫歯になるのは
細菌が生成したこの酸が原因というわけです。
では、食事のたびに歯は溶かされ続けてしまうのでしょうか?

実は溶かされた歯は唾液の作用で「再石灰化」するのです。

歯が脱灰されても唾液の作用によって
酸が中和され歯の表面は元の状態に戻ります。
これを「再石灰化」といい、この現象によって
歯が溶かされ続けてしまうことが防がれているのです。

食事中の脱灰は誰の口腔内でも起こっている現象であり、
「虫歯になりやすいひと」と「虫歯になりにくいひと」
の差は再石灰化がしっかり行われているかどうかなのです。

口腔内には無数の細菌がひそんでおり、

その数は歯の表面に付着した歯垢(プラーク)1mgの中でさえ
約2~3億の細菌が生息しているといわれています。

この中には虫歯の原因菌である
「ミュータンス菌」「ラクトバチラス菌」も含まれており、

この菌の生息割合が高いほど
虫歯になりやすい口腔内であるといえます。

また口腔内は、通常「中性」に保たれていますが
食事をとることで「酸性」に変化したり、
唾液の作用で中性に戻ったりします。

口腔内は常に脱灰と再石灰化を繰り返していて、
虫歯は何らかの原因によってこのサイクルが
乱れた時にできるのです。

ですから、脱灰と再石灰化のサイクルとそれを乱す
原因を知っておくことは「虫歯になりにくい口腔内」を
得るうえでとても重要なことなのです。

通常私たちの口腔内は唾液によって中性に保たれています。

しかし、食事をすることで、食後20分ほどで
口腔内細菌の活動により、一気に酸性に傾きます。

口腔内が酸性になると、脱灰が始まりますが、
その後唾液の中和作用によって口腔内はもとの
中性の状態に戻りますので、再石灰化することになります。

虫歯菌のエサとなる糖分の多い飲食物を摂取したり、
酸性の飲食物(酸っぱいものや炭酸飲料水など)を
摂取したりすると、大きく酸性に傾きます。

より強い酸で溶かされた歯は、脱灰の程度が大きいので、
しっかりと再石灰化するまでにも時間がかかります。

再石灰化にかかる時間は、脱灰の程度によって
ばらつきがありますが、大体30~40分が目安となりますので、
この間に再度飲食物(お茶や水など糖分の含まれない飲食物は除く)
を摂取しないように注意しましょう。

アドバイスとしては、まずは、食生活を改善し
食事をするときには時間をしっかり決めて
「だらだら食い」や「頻繁な間食」は自粛しましょう。

食後の歯ブラシは口腔内を中性にする手助けになりますから
しっかりおこなうようにこころがけましょう。

また、定期的な検診にて
虫歯の早期発見をするようにしましょう。

何か不安な点があれば、
タニダ歯科の検診にてお気軽にご質問ください。