舌苔について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

舌苔について

舌苔について

 

歯科医師阿部です。

今回は口臭の主な原因でもある

「舌苔」についておはなしします。

 

  • 舌苔とは?

 

舌苔は、細菌や食べかす、はがれた粘膜などが

舌の表面に付着してできた白い苔状のかたまりです。

舌の表面には糸状乳頭という細かい突起がたくさんあり、

この中に食べかすや口の中ではがれた粘膜がたまり、

細菌のすみ家になっています。

つまり、舌苔は歯垢と同じように細菌の塊なのです。

薄く舌苔があるのは正常ですが、

舌苔が厚くなると口臭や味覚障害、

誤嚥性肺炎をひきおこす可能性があるため、

舌は適度に清掃する必要があります。    

 

 

  • 舌苔が付きやすくなる原因

 

①  舌の動きが悪くなる

通常、舌の汚れは食べたり話したりするときに、

舌が動くこと(食べ物や上あごと舌の摩擦)

によって除去されます。

舌の動きが悪くなると舌苔が除去されにくくなります。

 

②  唾液の量の減少

唾液には、食べ物や歯垢を洗い流す自浄作用や、

口腔内の菌の増殖を抑える働きがあります。

その為、疾患、薬の服用、ストレス、加齢などにより

唾液の分泌量が減っても、

舌苔が付着しやすくなります。

 

③  口腔の清掃不良

口腔の清潔を保たなければ、

口腔内の細菌がふえたり、

口腔内の粘膜がはげおちたものが

舌に溜まりやすくなります。

 

 

  • 舌清掃のポイント

 

舌はやわらかい組織のため、

舌苔を強くこすって取ろうとすると、

舌を傷める可能性があります。

舌専用ブラシかやわらかい歯ブラシで、

優しく清掃しましょう。

舌苔が多く付いている起床時に、

1日1回行なうのがよいでしょう。

舌が乾燥している場合は、

必ず保湿して舌をやわらかくしてから清掃してください。

舌苔が厚くついている場合も、

決して1度に全部取ろうとせず、

少しずつとるようにしましょう。

 

  • 舌清掃の手順

舌清掃は以下のような手順で行います。

 

1、 起床したら、口を開けて、

鏡で舌苔が付いている場所を確認しましょう。

 

2、 舌苔の付着している一番奥に、

水で濡らした舌ブラシ(または軟らかい歯ブラシ)

を当ててください。

 

3、 歯磨きよりも優しい力で、

奥から手前に一方向に掻き出します。

 

4、 場所をずらしながら3回程度清掃してください。

 

 

 

舌苔がなかなか取れない、

口臭が強いなど心配な事があれば

歯科医師か歯科衛生士にご相談ください。

 

最後に…

インフルエンザ、新型コロナなどの感染予防にも

口腔内をきれいに保つことが有効なことが分かっています。

毎日の口腔のケアに舌のケアもしっかり取り入れて、

元気にこの冬を乗り切りましょう。