粘液嚢胞について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

粘液嚢胞について

こんにちは。歯科医師の秋田です。

今年は桜の開花が早いと予想されていましたが、

3月は気温が上がりきらず例年通りになりましたね。

これから雨続きで見頃も短いようですし

わずかなチャンスを狙ってお花見したいと思います。

 

さて、今回は粘液嚢胞と言うものについてお話します。

粘液嚢胞は口内炎と勘違いされる事が多いのですが、

見た目の特徴としては半透明の膨らみができ、

触っても痛くない事が多い事が特徴です。(口内炎は痛い事が多いです)

 

粘液嚢胞は唾液腺疾患の一つに数えられ、

唾液腺疾患の中でも頻度が高いです。

原因としては物を食べているときなどに誤って

唇や頬の内側などを噛んでしまったり、

歯ブラシで口の中を傷つけてしまったりなどがあります。

 

この時に粘膜を傷つけてしまい、この傷が治るときに、

唾液を出す管が詰まってしまうことによって

粘液嚢胞になると考えられています。

また誤って噛んでしまうだけでなく、

下唇を噛む癖も粘膜を傷つける原因となるとされています。

 

しかし、臨床的には何の既往もないお子様に多発しているため

原因は正確ではないと思われます。

症状は、痛みは起こりませんが、歯や舌が触れると

気になりストレスになることもあります。

痛みが起こらない理由は、水ぶくれの中身が無菌性の唾液なので、

大きく腫れても感染が無いため、炎症が起こらないからです。

 

しかし、粘液嚢胞を何度も噛んでしまうと内出血したり、

ばい菌に感染すると腫れたり痛みが出たりすることもあります。

感染症でもないので、うつるようなことはありません。

治療法は原因となる小唾液腺事摘出になります。

唇にできているものは出血や神経損傷のリスクが低いため

比較的容易に施行する事ができますが、

舌や口底にできたものは出血、神経損傷のリスクが高いため

高次医療機関への紹介となる事が多いです。

また術後は1週間程は腫れがどうしても出てきますので、

日程に余裕のある時の処置をお勧めします。

そして、原因の小唾液腺を含む周囲の唾液腺も摘出しますが、

再発リスクは常にあります。

 

なかなか口内炎が治らないなと気になる方はお気軽にご相談ください。