2025/07/10
こんにちは。
訪問歯科医師阿部です。
今回は、入れ歯(特に、総入れ歯のように
大きな入れ歯)の制作手順について
ご説明したいと思います。
1. お口の中の検査
まずはしっかりお口の中の検査を
行います。
残存歯の状態や、欠損(歯のない)部分の
粘膜の状態、その下のあごの骨の状態等、
入れ歯作成のための様々なポイントを
確認します。
虫歯や歯周病についても診査し、
治療が必要な場合は、入れ歯を作る前に
行うことが一般的です。
2. お口の中の型どり
既製のトレー(型枠)で、お口の
中の型どりを行います。
既製のトレーが合わないときや、
より精密な入れ歯を作るときは、
一回目に取った型を使って患者様の
お口に合ったトレー(=個人トレー)を
つくります。そして、この「個人トレー」
を使って、入れ歯を作るための二回目の
型どりをするのです。
ちなみに、欠損が片側にしかない
場合でも、上下とも型どりをします。
そして、型どりがおわったら、型に石膏
を流し、模型を作ります。
3. かみ合わせを取る
模型をもとに作られた咬合床(入れ歯
の原型のようなもの)を用いて、上下の
咬み合わせを取っていきます。
かみ合わせが不安定な方の場合は、
何度か確認することもあります。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
4. 入れ歯(仮の入れ歯)の試適
これまでの工程をもとに、ろうでできた
土台に人口の歯を並べた「仮の入れ歯」
が完成します。
この仮の入れ歯を患者さんのお口に
にいれてもらい、装着感やかみ合わせ、
歯並びなどを確認します。
ろうに歯を並べているだけですので、
不具合があれば修正可能です。
歯の出具合などの見た目も、患者様
の好みに合うよう、ある程度修正
できますので、遠慮なく歯科医師に
相談してください。
5. 完成、装着
出来上がった入れ歯を装着します。
かみ合わせの不具合や、痛みなどあれば
調整します。
入れ歯の使用法、お手入れの方法など
についてもこの時に説明します。
6. 調整
入れ歯が完成したら治療終了でなく、
しっかり慣れて、問題なく使えるように
なるまで、調整が必要です。
また、定期的に検診に来ていただき、
お口の中の変化に合わせて
調整していく必要があります。
このように大きな入れ歯を作る
場合は、ある程度の回数と期間が
かかります。
しかし、患者様のお口にあった
入れ歯を作るためには、どの工程も
重要なのです。
そのため大きな入れ歯の場合、
作製に2か月程かかることもあります。
よい入れ歯を作るためですので、
ご理解頂きますようお願い致します。
親知らずの抜歯について
記事はありません