お口の中に出来る骨のコブ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

お口の中に出来る骨のコブ

こんにちは、歯科医師の上原です。9月に入っても暑い日が続きますね。

暑さのピークは過ぎたとはいえ、体調管理にはお気をつけください。

 

さて、お口の中で下顎の内側や上顎の中央などにコブのような硬い膨らみがある方はおられるでしょうか。

これは骨隆起といって、歯ぐきの下にある顎の骨が通常よりも過剰に成長し、隆起している状態です。

骨隆起は病気ではなく、体の自然な反応の一部で、噛む力による負荷に顎の骨が耐えられるように過成長したものです。

 

骨隆起がよく出来る部位

① 下顎の内側

② 上顎の中央

③ 上顎や下顎の頬側

 

骨隆起ができる原因

骨隆起は上記のような噛む力が強くかかる部分にできます。

発生原因は解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

① 歯ぎしりや食いしばり、ストレス

人はストレスを感じると無意識のうちに食いしばったり、寝ている間に歯ぎしりをすることがあります。

歯ぎしりや食いしばりは、顎に対し過剰な力を加え骨に刺激を与える要因 となります。

この刺激が繰り返されることで、骨が厚みを増し骨隆起が形成されると考えられています。

② 環境要因や習慣

力仕事をする方やスポーツ選手などぎゅっと噛みしめたり上下の歯を長時間接触させる癖のある方、

また硬い食べ物がお好きな方も骨隆起の原因になる可能性があります。

 

骨隆起による問題

骨隆起自体は悪いものではなく、骨ですから特に問題がなければ治療の必要はありません。

しかし以下のような影響が出ている場合には適切な対処が必要です。

① 義歯の適合が悪くなる

大きな骨隆起があると義歯を装着した際にうまくフィットせず、

痛みや違和感をひきおこすことがあります。

② 粘膜が傷つく

骨隆起の表面を覆う粘膜は薄いため、硬い食べ物などの外部からの刺激により、

傷つきやすく痛みや炎症を引き起こすことがあります。

 

骨隆起の対処法

① 骨隆起自体は治療の対象ではありませんが、骨隆起によって義歯と干渉する場合や

口内炎が繰り返し生じる場合には、外科的な除去を必要とする場合があります。

 

 

② 骨隆起そのものを完全に予防することは難しいですが、ナイトガード(マウスピース)を装着することにより

骨隆起の背景となった過度な負荷を軽減することは可能です。

ナイトガードは、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりを物理的に抑える効果があります。

ナイトガードを装着することで、噛み合わせによる圧力を均等に分散でき、

骨隆起の主な原因の一つである歯ぎしりや食いしばりよる顎への過剰な力を軽減し、

骨隆起の進行を抑制する効果が期待できます。

 

骨隆起は日常生活におけるストレスなどの影響を受けることもありますが、適切なケアにより症状の進行を抑制することが可能です。

特にナイトガードの使用は、骨隆起の原因となる歯ぎしりや食いしばりのコントロールに非常に効果があります。

もし骨隆起や歯ぎしり、食いしばりなどが気になる場合にはお気軽にご相談ください。