2025/10/16
入れ歯について⑥
こんにちは。訪問歯科医師阿部です。食欲の秋、皆様お食事を楽しんでいらっしゃいますでしょうか?
入れ歯をお使いの高齢者の方々にとって、入れ歯を安定させることはしっかり食べるためにとても重要です。
入れ歯の安定が悪く、痛い、外れてしまう、噛みにくい…そのようなときに、CMでおなじみの入れ歯安定剤を使ったことがある方も多いと思います。
今回は、そんな入れ歯安定剤について説明したいと思います。
●入れ歯安定剤とは
入れ歯安定剤とは、入れ歯があごに合わなくなって、口の中でガタガタする時に、
入れ歯を安定させたり、歯茎のいたみや不快感を一時的に軽減したりするための補助製品です。
あくまでも補助製品ですので、入れ歯が合わない、安定しないときは、まずは歯科できちんと入れ歯を修理.調整して、
お口に合った状態に改善してもらうことが大切です。
●入れ歯安定剤の種類
入れ歯安定剤には、主に、クリームタイプ、粉末タイプ、テープタイプ、クッションタイプの4種類があります。
① クリームタイプチューブから絞り出して入れ歯に塗ります。クリーム状で柔らかく伸ばしやすい材料です。粘着力が大きく長持ちするので人気です。
粘着力が強いので、使用後の口の中に残ったクリームの除去に、時間がかかります。
② 粉末タイプ入れ歯の裏面に均一にふりかけて使います。口の中の水分が粉末に混ざることで粘着力が出ます。
薄く塗布することができるので、入れ歯と歯茎の適合にほとんど影響を与えず、使用時に違和感が少ない材料です。
粘着力はやや劣るものの、使用後取り除くのが比較的簡単です。
③ テープタイプ水に湿らせて義歯内面に貼って使用します。つけ外しが簡単で、携帯に便利です。
④ クッションタイプゴム状のクッションで、義歯床と粘膜の隙間を埋めて固定します。
他の3つの材料と比べて汚れにくい一方で、吸着力が強く外しにくい面もあります。
●入れ歯安定剤の使いかた
①入れ歯と口腔内をきれいにする …安定剤がしっかり付着するために必要です。
②適量を使用する …分厚くなってかみあわせがわるくなることも。薄く均一に塗布することが大切です。
③入れ歯の装着 …入れ歯を装着したら、しっかり咬む、手で押さえるなどしてしっかり圧をかけ密着させることが重要です。
④定期的に取り替える …使用後は入れ歯を洗浄し、残った安定剤は取り除きましょう。
基本的に、入れ歯安定剤は応急処置として一時的に使用するものです。
入れ歯に不具合が生じたものの、すぐに歯科受診できない場合や、歯科医師に使用を勧められた場合に限り、活用するようにしてください。
安定剤を長く使い続けると、かみ合わせが悪くなったりあごの骨が痩せたりすることもあります。
使用はあくまでも一時的にとどめ、早めに歯科で入れ歯の修理、調整を受けましょう。
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