くじらの歯(タニダブログ)

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

くじらの歯(タニダブログ)

こんにちは。歯科医師の西田です。
毎日寒いですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
私の趣味は車なのですが、年末に友人と和歌山県太地町のくじらの博物館までツーリングに行ってきました。
全国的にも珍しいクジラショーを観賞できたり、クジラの餌やり体験ができたり、かなり満足度の高い施設でした。
至近距離でクジラの歯を観察しましたが、興味を持ったのでちょっと調べてみました。

①クジラにはハクジラとヒゲクジラの2種類がある。
クジラは、口の構造によって、大きく2つに分けられます。
1つは、シロナガスクジラやザトウクジラのようなヒゲクジラです。
ヒゲクジラは、口の中に歯がないかわりに、歯ぐきが変化してできた、クジラヒゲというものがあります。
このクジラヒゲで、体長数センチの小さなプランクトンをこしとって食べます。
ヒゲクジラのご先祖様の体は小さかったのですが、海の中にいるプランクトンをたくさん食べて、だんだん体が大きくなっていきました。
なので現在のヒゲクジラは、シロナガスクジラのように大きな体のものが多いのです。
もう1つは、マッコウクジラのように、口の中に歯を持ったハクジラです。
歯はほとんどがとがった犬歯状になっていて、魚やイカを食べています。
ハクジラの仲間は、ヒゲクジラに比べると体が小さくて、群れで暮らしていることが多いです。
②ハクジラとヒトの歯の違い
ハクジラの歯は、私たちの歯とは形も役割も大きく異なります。
ほとんどのハクジラの歯は、獲物を捕らえて逃がさないようにするための、鋭く尖った円錐形をしています。
これは、人間のように食べ物を噛み切ったり、すり潰したりするためではありません。
ハクジラの多くは、捕らえた獲物をそのまま丸呑みにするため、歯の主な役割は捕獲と保持に特化しているのです。
そのため、前歯や奥歯といった区別がなく、ほとんど同じ形の歯が並んでいる「同形歯性」という特徴があります。
さらに、ハクジラの歯の多くは、人間のように乳歯から永久歯に生え変わることがない「一生歯性(いっせいしせい)」です。
一度生えた歯を生涯にわたって使い続けるため、歯を観察することでそのクジラの年齢を推定することも可能です。
歯を輪切りにすると木の年輪のような模様が見られ、ここから年齢を推定することもできます。
歯は捕食の道具としてだけでなく、時にはオス同士の闘争に使われることもあり、ハクジラたちの生態において非常に重要な器官と言えるでしょう。

③クジラの歯は買える?
現在、クジラの歯の国際取引は、ワシントン条約(CITES)によって厳しく規制されています。
マッコウクジラは絶滅のおそれがある種として附属書Ⅰに掲載されており、商業目的の国際取引は原則として禁止されています。
日本国内での取引については、ワシントン条約の規制前に合法的に国内に入ってきたものや、特別な許可を得たものに限り、
「国際希少野生動植物種登録票」が添付された上で取引されることがあります。
かつては象牙の代替品として「鯨歯(げいし)」と呼ばれ、印鑑や根付などの工芸品に利用されていましたが、現在はその入手が非常に困難になっています。
合法的な手続きを経ていないものを売買することは法律で禁止されているため、
購入を検討する際は、その品物が正規のルートで取引されているものか、細心の注意を払う必要があります。
詳しくは環境省のウェブサイトなどで確認することができます。

クジラのお話、いかがだったでしょうか?興味のある方は、是非現地まで足を運んでみて下さいね。