2023年9月:タニダ歯科医院ブログ

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

高齢者のお口の状態について

こんにちは。訪問担当歯科医師の阿部です。

訪問歯科では、様々な理由で通院が困難になった高齢の方々の歯科治療、口腔ケアに取り組んでいます。

今回は、若者とは違う、高齢者のお口の状態についてお話ししたいと思います。

 

年を重ねていくと、身体が老いていくのと同様に、口の中にも様々な老化現象が起こってきます

以下に、加齢によるお口の変化を示します。

 

《歯の変化》

黄色くなる・すり減って短くなる・もろくなる・ひびが入る

《歯肉の変化》

萎縮して弾力性がなくなる・退縮して歯が長くなったように見える

①   歯と歯の間に食物が挟まりやすくなる

②   露出した根面が虫歯になりやすくなる

③   義歯による傷ができやすくなる

④   義歯の安定感が悪くなる

《唇の変化》

萎縮して弾力性がなくなる

①   口を大きくあけにくくなり義歯が出し入れしにくくなる

②   口角びらんを起こしやすくなる

 

《唾液腺の変化》

萎縮して唾液の分泌が低下する

①   自浄作用が低下し、口腔内が汚れやすくなる。

②   口腔内が乾燥するために、上手く食塊形成できず食べにくい。

③   口腔粘膜、舌が動かしづらく、話しにくい。

 

《味覚の変化》

味蕾の萎縮、口腔の乾燥、薬の服用などによって変化する。

 

《感覚の変化》

感覚が鈍くなるため自覚症状が乏しく、発見が遅れて症状が

悪化しやすい

 

このような口腔内の状態の変化により、高齢者のお口の中はトラブルを抱えやすくなっています。

多かれ少なかれ、高齢者は口の中に何らかの問題があるといっても過言ではありません。

特に介護が必要な高齢者の場合、他人の口の中はなかなかのぞきにくいため、異変に気付きにくいものです。

しかしながら、気づかずに放っておけば、「食べる」、「話す」 などの口の機能が衰えたり、体力が低下

するなど、トラブルは大きくなります。

 

お口の中が見づらくても、次のような症状がある場合は要注意です。

 

●   口臭

きつい口臭は口の中が汚れていることが原因の一つです。膿のようなにおいの時は

虫歯や歯周病の可能性があります。

 

●   話し方や食べ方

入れ歯がはずれやすくなった、嚙みづらそう、食が細くなった、濃い味を好むようになった、

むせやすくなった、言葉がはっきりしなくなったなどは、口のトラブルが原因となっていることもあります。

 

●   体力

元気がない、風邪をひきやすい、よく熱をだす、などの症状も要注意です。

体力が落ちると口の中の細菌が増えやすくなったり、誤嚥性肺炎にかかりやすくなったりします。

 

これらのような症状に気づいたら、歯科に早めに相談してくださいね。

 

高齢者のお口の状態に合わせた治療とケアを通じて、お口の健康を維持し、

いつまでも自分の口から食べられるよう、お手伝いをしていきたいと思います。

知覚過敏について

こんにちは歯科医師の法貴です。

暑かった夏も終わりに近づいてきて

夜になると少し涼しさを感じるようになりました。

気温の変化で体調を崩さないようにしてください。

 今回は知覚過敏についてです。

知覚過敏は、「象牙質知覚過敏」と称されるとおり、

象牙質の露出が発生していることが前提となっています。

その多くが歯冠歯頸部と露出棍面に見られ、

また上顎犬歯と下顎前歯部でもっと頻度が高く、小臼歯にも多く見られます。

歯ブラシによる擦過痛、一過性の冷温水痛、甘味痛などが発言することはあるが、

自発痛はないのが特徴です。最近では、スポーツドリンクや黒酢など

pHの低い健康飲料などの過度の摂取や摂食障害などが原因の胃酸の逆流、

口腔乾燥なども原因となり、症状が重篤となることがあります。

 露出した象牙質への刺激による知覚過敏は、動水力学説によれば、

象牙質という物理的バリアを介した状態であっても、象牙質を経由して

刺激が歯髄まで伝達されることから、歯髄に生物学的反応が展開されます。

たとえば、象牙質表面が冷やされることによって生じる象牙質の痛みは、

露出象牙質の表面で象牙細管内溶液の移動が生じます。

これが刺激となって、象牙質・歯髄境付近に分布する感覚神経線維に

活動電位が生じるとされています。

また、ホワイトニング、嗜好品(甘いもの、すっぱいもの)などの

化学的外来性刺激物質は、象牙細管内溶液中を浸透圧の影響で拡散、

移動し、刺激が歯髄に到達すると考えられています。

 露出した象牙質への刺激による知覚過敏への対処方法に関してです。

症状の緩和の処置方針はとしては、歯質の実質欠損がない場合は

象牙細管内溶液の移動阻止を確実に行い、歯髄への刺激物の侵入を阻止し、

歯髄細胞を興奮させないことにより過敏化した歯髄神経の鎮静化を図ることが重要です。

まず、象牙細管の透過性を抑制することを考えます。

材料の選択順序としては歯質や歯周組織に侵襲の少ないものから選択します。

 象牙細管開口部の石灰物沈着の促進(光照射の必要のない知覚過敏抑制剤)通常は

フッ化物、水酸化カルシウム、カリウム塩、シュウ酸塩、

グルタルアルデヒドラ接着性ポリマーなどを含有した薬剤を塗布し、

開口した象牙細管の閉鎖を期待し、知覚過敏を抑制します。

象牙質接着システムのようか前処理の必要がないので、歯質に対して侵襲が少ないが、

繰り返し塗布を行わないと硬化が発言しにくいことが多いです。

 象牙細管開口部の積極的な閉鎖(光照射により硬化する知覚過敏抑制剤)象牙質接着システムの

ボンディング材やグラスアイオノマーセメントを用いて、象牙質面を被覆する方法がとられています。

光照射により硬化するため、象牙細管内溶液の移動の防止が容易である半面、

歯周ポケット内で硬化すると歯周疾患を憎悪する可能性があります。

 また、実質欠損がある場合は、前述の処置で症状の緩和をした後に、

コンポジットレジンなどの接着性修復で機械的封鎖を行なう必要があります。

 何かわからないことがあればいつでも質問して下さい。

むし歯を放置するとどうなるの?

 

こんにちは。院長の谷田です。
9月29日の十五夜には、
お団子を食べる方も
いらっしゃるかと思います。

 

十五夜にお供えするお団子は
月を見立てて作ったもの。

 

その年、
お米が無事に収穫できたことへの感謝
込められているそうです。

 

さて、秋には美味しい食べもの
たくさん出てきますが、
歯に痛みはありませんか?

 

「我慢できるから…」
「面倒だから…」

 

と、歯の痛みを放置すると、
想像以上に恐ろしい事態を
引き起こす可能性があります。

 

 

 

 

◆痛みを感じたら、ただちに歯科へ!

 

「歯がしみる」といった
症状が出ているとき、
むし歯菌は『象牙質』と呼ばれる
歯の内側にある組織まで
進行していることがほとんどです。

 

神経まで達していない状態であれば、
治療は比較的早く終わり、
金銭的な負担も
それほど大きくはありません。

 

しかし、
ここで放置すると、
いよいよむし歯菌は神経に到達します。

 

 

 

 

すると、
ズキズキするひどい痛み
襲われるようになり、
さらに、ここから治療を始めても
栄養素を運ぶ神経を取らなければ
ならないため、
歯の寿命が
確実に短くなってしまいます。

 

 

 

 

◆それでも我慢すると…

 

実は、ひどい痛みを感じているのに
我慢を続けると、
痛みがなくなることがあります。

 

しかし
「むし歯が治った!」
と思ったら大間違い。

 

 

痛みがなくなったということは、
神経が完全に死んでしまった可能性が高く、
むし歯が治ったわけではありません。

 

単に痛みを感じないだけで
むし歯菌は浸食を続け、
歯の中でどんどん細菌が繁殖しています。

 

すると、
歯の根っこの先(あごの骨の中)に
細菌の病巣ができ、
膿が溜まって、再び
ひどい痛みを引き起こしたり、
顔全体が腫れあがったりしてしまいます。

 

そして、ほとんどの場合、
この段階になると、
もう歯は残せません。

 

 

 

 

◆さらには命の危険も!

 

さらに炎症が進むと、
あごの骨が壊死しはじめます。

 

すると、
激しいあごの痛みが生じ、
骨の露出や、
皮膚に穴があくこともあります。

 

また、
炎症は骨だけでなく
目や脳、首や胸にまで広がることもあり、
ひどくなれば呼吸困難を引き起こし
命の危機に陥ることもあります。

 

 

 

 

 

◆むし歯の放置にメリットなし!

 

むし歯は
放っておいても治る病気ではありません。

 

むし歯の痛みを我慢しても、
その先に待っているのは
抜歯です。

 

違和感痛みといった
歯からのサインを感じたら
すぐに歯科医院へ行きましょう。

 

 

 

 

また、定期検診では、
歯をきれいにするだけでなく、
むし歯の有無に関する確認も行っています。

 

初期段階のむし歯を発見し
早期治療ができるので、
「一本でも多く歯を残すため」にも
ぜひ定期的に歯科にご来院ください。

 

 

 

タニダ歯科医院
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