タニダ歯科医院について

タニダ歯科医院ブログ

西宮市の「タニダ歯科医院」がお送りするブログです。

放置NG!頬の内側を噛む原因と対処法

 

あけましておめでとうございます。
院長の谷田です。

 

毎年1月7日は七草がゆを食べて邪気を払い、
1年の無病息災を願う「七草の日」です。

 

七草がゆをはじめ、
日々の食事を楽しみつつ
十分な栄養を取り込むためにも、
お口の状態は常に良好に保ちたいですね。

 

しかし、ふとしたときに頬の内側を噛んでしまうと、
食事の楽しみにも影響を及ぼします。

 

中でも、頬を噛む頻度が高い方は
さらなるトラブルに繋がるおそれがあるため
要注意です。

 

そこで、今回は頬を噛んでしまう原因と
対処法をご紹介します。

 

 

 

 

◆原因1:歯ぎしり・食いしばり

 

頬を噛む原因として、
歯ぎしりや食いしばり
挙げられます。

 

歯は本来、噛んだときに
頬を巻き込まない形状をしています。

 

しかし、夜間の歯ぎしりや
日中の食いしばりによって
徐々に歯は削られていきます。

 

これにより歯の形や
かみ合わせが変化することで、
頬を噛みやすくなってしまうのです。

 

 

 

このようなケースには、
専用のマウスピース(ナイトガード)
使用が有効です。

 

主に就寝時にナイトガードを着用して
歯を保護することで、
頬を巻き込んで噛むリスクを
減らすことができます。

 

 

 

 

◆原因2:親知らず

 

親知らずも頬を噛みやすくなる
原因のひとつです。

 

お口の中では奥歯に行くほど、
歯と頬の粘膜の距離が近づきます。

 

その中でも、親知らずは
お口の最も奥に生えるため、
頬の粘膜と接触しやすくなります。

 

とくに、親知らずは
真っすぐに生えないことも多く、
横向きや斜め向きに生えてくると
接触するリスクが高まります。

 

 

 

このように、親知らずが原因で
頬を噛みやすくなった場合は、
主に抜歯などの方法で改善を目指します。

 

 

 

 

◆原因3:かぶせもの・入れ歯のトラブル

 

歯科での治療直後に頬を噛みやすくなった場合、
新たに入れたかぶせものが
お口に合っていないことが考えられます。

 

また、入れ歯をお使いの方は、
長年の使用により、
入れ歯の歯がすり減ることで、
頬の内側を噛みやすくなります。

 

これらが原因と思われる場合は、
歯科でかぶせものの調整や、
入れ歯の修理、作り直しなどを行い、
改善に向けた対処をしていきます。

 

 

 

 

◆症状に心当たりがあれば早めの相談を!

 

食事中など、
まれに頬の内側を噛む程度であれば、
さほど気にはならないかもしれません。

 

しかし、これが何度も繰り返されると、
食事の楽しみを損なうだけでなく、
口内炎などのトラブルを
引き起こすおそれもあります。

 

 

 

 

お口の快適な状態を保つためにも、
たびたび頬を噛んでしまうことに心当たりがあれば、
まずはお気兼ねなく当院へご相談ください。

 

 

 

タニダ歯科医院
〒669-1133 兵庫県西宮市東山台1-10-5
TEL:0797-61-2000
URL:https://www.tanidashika.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CUn1zmeIAnWtEAE

1月休診日情報

高齢者の小手術

こんにちは。歯科医師の法貴です。

2024年もあっという間に終わりが近づいてきました。皆様にとってこの一年はいかがでしたでしょうか?

今回は高齢者への抜歯等の小手術の時の話になります。

現在,日本は超高齢社会を迎えており、2025年には65歳以上の人口の割合が全人口の約30%に到達すると推測されています。

このような社会において、抜歯などの口腔外科処置をはじめとした歯科治療を安全に高齢者へ提供する必要があります。

高齢者へ口腔外科処置を実施する際には,全身疾患や内服薬の影響、

さらには骨と歯がくっついてるなどの手技的な難易度の問題を考慮する必要があります。

抜歯の一般的な合併症について

歯科小手術のなかでも抜歯は基本処置の1つで、

口腔外科領域においては最頻度の手術であり、古くから歯痛の原因療法となっています。

抜歯術を施行するうえで重要なことは、合併症を避けることです。

一般的な抜歯後の合併症にはドライソケット抜菌後感染,埋智歯においては知覚異常が代表例として挙げられ、

とくに高齢者に対しての抜歯においては、加齢変化にともなう歯の根の骨性癒着や歯根肥大などの宿主因子が抜歯手技の難易度を上げていると考えられています。

これらの合併症を防ぐために、歯根の骨性癒着や歯根周囲の骨硬化性変化を事前に画像で評価して、

さらには患者の全身的背景を考慮し、適切な診断および管理下で抜歯術を施行することが重要です。

高齢者へ安全に歯科手術を行うために

一般的に,高齢者は全身疾患を有する割合や多剤服用中である割合が高いです。それゆえ、

歯科小手術を施行する際に全身疾患の病状や内服状況を十分に把握し、必要に応じて医科主治医への対診を行う必要があります。

高齢者へ安全に歯科小手術を施行する際に、1)生活背景,耐術能,2)基礎疾患、内服状況,3)適切な臨床診断の3つが重要であると考えられます。

抜歯に限らず浸潤麻酔を使用する歯科治療を実施する際には、以下に留意する必要があります。

 

 

 

血圧手帳/血圧表の確認(血圧が安定する時間帯を確認する:基本的に午前中が比較的安定していることが多い)。

治療前に降圧剤の内服の確認/血圧測定を含めた

バイタルサインの確認。

心的ストレスを与えない環境づくり/手術手技.

使用する浸潤麻酔薬への配慮が必要です。
高齢者では多剤併用である割合が高く、内服薬の相互作用や内服忘れによる有害事象に留意して歯科治療を実施する必要があります。

それゆえ、術前の詳細な医療面接および医科への対診によって全身状題を把握することが重要です。

特に定期通院患者の薬剤変更や新規の基礎疾患の存在は見落とさないように注意が必要になってきます。

 

今年も1年お世話になりました。また、来年もタニダ歯科をよろしくお願いします。

 

忍び寄る恐怖!歯みがきで落ちないバイオフィルムとは

 

医療法人社団タニダ歯科医院 理事長 谷田英輔

歯周病 × 肥満 = 認知症?

こんにちは。訪問担当の岩本です。

 

今回は、歯周病と肥満が認知機能に及ぼす影響についてお伝えします。

 

 

認知症(認知機能障害)は世界で最も罹患者数の多い神経疾患ですが、未だに有効な予防法や治療法は確立されていません。

 

 

しかし、認知症の発症メカニズムの一つとして、脳内で起こる炎症が関与しているのではないかと考えられています。

 

 

さて、『肥満』ですが、全身に軽度の慢性炎症を引き起こすことで、様々な疾患のリスクを高めるとされています。

 

『歯周病』は局所の炎症性疾患であるにもかかわらず、原因となる歯周病菌やその産生する毒素が全身性の慢性炎症を引き起こし、心血管疾患や糖尿病などの疾患と関連することが報告されています。

 

 

広島大学の研究チームは、この両疾患に着目し、両者の相互作用が認知機能に及ぼす影響を検討しました。

 

高脂肪食を与えた中年期肥満マウスの口腔内に歯周病菌を塗布したところ、このマウスが認知機能障害を引き起こすことを発見しました。

 

肥満による全身の慢性炎症と、歯周病による局所的な炎症が組み合わさることで、全身の炎症レベルが上昇し、脳に悪影響を及ぼすようです。

 

具体的には炎症性物質や歯周病菌の毒素が血液を介して脳に到達し、神経細胞の損傷や脳内炎症を引き起こすと考えられています。

 

研究の結果、肥満と歯周病はそれぞれが独立して認知症のリスクを高めるだけでなく、相互作用によってその影響をさらに増大させる可能性があることが分かりました。

 

 

※広島大学Webサイトよりお借りしました

 

 

 

歯周病は、重度に進行するまであまり自覚症状が無い人もいます。痛みがないからと放置せず、歯科による定期的なメンテナンスを続けることが重要です。

 

体調により通院することが難しい場合は、訪問診療による口腔ケアという方法もあります。

歯科衛生士が週に一度、隅々まで清掃するだけでも歯肉の炎症や不快症状を改善することが可能です。

気になる方は、一度ご相談下さい。